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美少女ゲームの音楽事情:第5回
漢・bamboo、無職を経て工場長に! 2004年にどんな音を紡ぐ?

担当:電撃オンライン モンキー

 本日4月1日、『ガッデーム&ジュテーム』というPCソフトが発売されます。発売元はサーカス。コンシューマーに移植された『D.C. 〜ダ・カーポ〜』をPCへ再移植すると発表したり、1,000円(税込価格1,050円)のソフトを連続5本リリースしたりと、とにかく話題の尽きないブランドです。そのサーカスが、あえて4月1日(木)に発売する(美少女ゲームは、たいてい金曜日に発売されます)『ガッデーム&ジュテーム』は、一流のスタッフが勢いと冗談で作り上げたとんでもないゲーム。参加した原画家、アーティスト、ボーカリスト、などなど……その豪華すぎるメンツとは裏腹に、お値段はたった3,000円(税込価格3,150円)。サーカスは一体何を考えているのでしょう。そもそも、この勢いはどこから生まれたのか? 発端は、サーカスを代表するtororo団長と、1人の男がかわした冗談だったといいます。いかにして『ガッデーム&ジュテーム』が生まれたかは関連記事を参照してもらうとして、今回のリンクチェックでは勢いの源流である“その男”に迫ってみたいと思います。
 
 『ガッデーム&ジュテーム』の火付け役(?)であり、同ゲームの主題歌をプロデュースしたその男は……名を、bamboo。

【bamboo】
『グリーングリーン』や『Kissing!!』などを代表作とする、ゲームプロデューサー。学生時代からバンドマンとして活躍し、美少女ゲームの有名曲をカバーするインディーズバンドを組んだりと、現在に至るまでその勢いは衰えを見せない。そして昨冬会社を飛び出し、めでたく無職に。かと思えば「キッチンガイズファクトリー」という、略すと電撃オンラインでは表記できなくなる会社を立ち上げて社長兼工場長に就任。2004年の動向が注目される熱きクリエイターだ。


 派手な行動に目が行きがちですが、氏の本職はといえば実はバンドマン。TVアニメ化された「グリーングリーン」(※1)の主題歌を作詞作曲してオリコン入りしたり、音楽集団milktub(※2)を主宰したり、自らドラムを叩いてライブを成功させたり。音楽方面の活躍も目覚しいものがあります。
 そんなわけで美少女ゲームの音楽事情第5回は、bamboo氏に音楽面からインタビューしてみます。
 
 
●傍若無人な10代後半にbamboo氏のルーツを見た

 歯に衣着せぬ発言や、ひとくせあるゲーム作りで業界の注目を集めているbamboo氏ですが、その破天荒さはどこに起因するのか。氏の音楽遍歴を大きくさかのぼって、現在までを語ってもらいました。
 
DOL「ではまず、これまでの音楽遍歴みたいなものからお願いします」
bamboo氏「自分が16歳のときに、一番星☆光(※3)っていう男とバンドを組みましてね。バンドブームが来るちょっと前のことです」
DOL「バンド結成のきっかけはどんなことですか?」
bamboo氏「いや、「バンド組むとモテるよ」ということでして(笑)。なに! それはやらなきゃ!! ということで始めたのがきっかけですな」
DOL「現在は主にドラムを叩いてらっしゃいますが、最初から担当パートはドラムだったんですか?」
bamboo氏「最初はベースだったんですけど、C-C-B(※4)に強く影響を受けまして。大好きなんですよ。ドラムが目立つバンドっていうのも珍しいですよね。あれに衝撃を受けました。ただもう、当時はメチャクチャやってましてね。上半身裸になってホフク前進でコンビニへ行ったりとか、夜中に学校のプールへ侵入したりとか。それで、メチャクチャながらも好きな娘の気を引くためにバンド活動を始めたという。割と純粋な動機ですね」
DOL「バンドを組んだ当初から、milktubという名前で活動をしていたんでしょうか」
bamboo氏「milktubを作ったのは18歳のときですね。テクノポップが好きで、電気グルーヴの影響をモロに受けまして。その方面の音楽をずっとやってまして、コイツを使ってパフォーマンスを一緒にやるバンドはできないかなと思ったのが発端です」
DOL「パフォーマンスですか?」
bamboo氏「当時のmilktubって、バンドのメンバーが7人いたんですよ。ダンサーが3人、ギターが1人とシンセが3人。とりあえずおもしろいことをやりたい、って思いが強くてですね、大学に受かってサークル入ってバンド組んで、いろんな音楽作れるようになって。milktubやりつつビジュアル系やったりハードロックのバンドとかいろいろ活動してましたね。そこでずっとコンサートマスターっていう、コンサートの仕切りや運営をやっていたんですよ。そのころに、地元のバンドを集めてbambooリサイタルっていうのを開催したりね」
DOL「なるほど、イベントを企画することがそのころからお好きだったんですね」
bamboo氏「そうですね。当時はバイトも全部、ステージ作ったり警備したりっていうイベント関係のものでしたから。今にして思えばそのころの経験が役に立って、ザウス【淡麗】(※5)などに生きてきているのかもしれません」
DOL「あの、“bamboo”という呼び名は当時からのものなんですか?」
bamboo氏「当時のメンバーから、本名の一部をもじって「bamboo! bamboo!」って呼ばれてたんですよ。ビジュアル系のバンド活動をしていたときは、一時的に“ルビー”という名前も使ってましたが……」
DOL「ルビーですか(笑)」
bamboo氏「あんまりにもあんまりなんで1週間でやめました(笑)」
DOL「ではbambooさんを「ルビー♪」って呼ぶとすごく嫌がるわけですね」
bamboo氏「やめろって言ってんだ! ルビーは関係ねぇだろ、ルビーは!」(逆ギレ)
DOL「ビジュアル系より、エンタメというかコミックな感じの活動が多いわけでしょうか?」
bamboo氏「変なことはたくさんやりましたけどね。オナラの音をサンプリングしてずっと鳴らす“オナラポップ”とか。少林寺の掛け声をサンプリングしてレイヴに乗せる“アジャレイヴ”とか(笑)」
DOL「“アジャレイヴ”はちょっと聴いてみたいですね(笑)」
bamboo氏「その後、人生に影響を受けるほどの師匠との出会いがありましてね。ある有名なビジュアル系バンドでドラム叩いたりしてた人なんですが、そこで“CDを作って売る”という感覚を学びました。スタジオを1カ月借り切って、開発に300万とかかけて、バイト代全部注ぎ込んで。ハイエースって車で全国を回って、手売りで4,000枚くらいかな、売りさばいたりしてました。サンシャインの下で全身にCDを貼り付けて、女子高生に「買って買ってー」とか。そのときはもう、どうしたら売れるだろう、どうしたら聴いてもらえるだろう、宣伝しなきゃ売れないじゃん、みたいなことばかり考えてました」
DOL「そのころの思いが、現在にも息づいていると」
bamboo氏「良くないと売れないし、手にも取ってもらえないのは当たり前なんですが、その前に宣伝するにはどうしたらいいのかなと当時考えてまして。イリーガルスレスレの仕事もいろいろやりましたなー。若い人はいきなりゲーム作りとかでなく、社会勉強ということで悪いこともいろいろやった方がいいですよ」
DOL「そうこうしているうちに、ゲーム業界へ?」
bamboo氏「いやそれが(笑)、就職活動は一切してないんですよ。大学のときの就職希望に“ロックスターになる”って書いて、教務課に呼び出されてムチャクチャ怒られたりしてましたから。なので、バイトはしてたんですけど、稼いではバンドやって稼いではライブやってって感じで。ただそのときに、さっき言ったお師匠さんが実家へ帰ることになりましてね。ロックだけではマズい、手に職をつけておこうということになりまして。あの、ゲーム好きなんですよやっぱり。『アルゴスの戦士』(※6)は宇宙イチ巧いという自負があります(笑)。あと『ニンジャウォリアーズ』(※7)とか」
DOL「あー、いいですね『ニンウォリ』。BGMの途中で三味線が入ってきたりとか」
bamboo氏「ええ、ええ。で、フロムAを読んでいたら、ゲームメーカーで「ホラー好き募集!」てのを見つけまして。企画書なんか手元にないんで、自分の作ったCD持ってって「コレ作ったんですけど」とか売り込みしました(笑)」
DOL「それで通っちゃったんですか!(笑)」
bamboo氏「通っちゃいましたねぇ。んでそこへ入ってプランナーのスキルを勉強しているときに、美少女ゲームの曲って仕事にふと出会いまして。最近AVGとしてシリーズ化している、某格闘ゲームの曲とかやってました。そうこうしているうちに企画がある程度通るようになってきたので、これならプランナーとしてどこでも食っていけるなと大きな間違いを犯しまして
DOL「(笑)」
bamboo氏「最初に入ったゲームメーカーを辞めたときに、知り合いからディレクターを募集してるよという話が来たんですよ。「ウンウン頷いてるだけでお金もらえるよ〜」とか丸め込まれて(笑)あるメーカーさんの美少女ゲームに関わったのが始まりですかね」
DOL「そして現在へ至る、と」
bamboo氏「ひとくせあるゲームにこだわってきたわけですが、去年まで務めていた会社を円満に退職しましてですね、あのー。まぁブランドというか、何もない城ですが自分の城を作ることになりまして。それが、その城がキッチンガイズファクトリーです」
DOL「どんなことをしでかす会社なのでしょう?」
bamboo氏「企画と広報に秀でた会社にしたいなって思います。必ず何か、おもしろさを保障するという。遊んでほしいと思えるものを、伝えられる広報に特化しようか、と。キッチンガイズっていう会社が絡んでるだけで、乗ってくるユーザーさんがいてくれればしめしめという感じですね」

社長席にて、ふんぞり返るbamboo氏。アグレッシブな一国一城の主もあったもんである。カメラを向けると必ず何かしらリアクションしてくれる、ちょっと小粋なあんちくしょう。 bamboo氏お気に入りのライブスペース「ばんど屋」で、マスターの料理に舌鼓を打つ。キッチンガイズファクトリーからもほど近い店なので、ふと足を運んだ拍子にbamboo氏と会えるかも?


●業界屈指の盛り上がりを見せた、美少女ゲームのコピーバンド活動

 2003年8月14日、秋葉原のライブハウス「CLUB GOODMAN」で、「エロゲーバンド東西乱れ祭り」が開催されました。美少女ゲームの楽曲を、インディーズのバンドによってコピーするという試みでしたが、これが大盛況。メーカー間の壁や、さまざまな権利問題などで、残念ながらライブなどの機会に恵まれない名曲たちが続々と演奏され、集まったファンも大喜びでした。このライブの立役者であるbamboo氏は、何を思ってライブを企画したのでしょう。
 
bamboo氏「美少女ゲームのコピーバンドをなんで結成したかっていうとですね……ええと、実は他のブランドの楽曲とかあんまり聴いてなかったんですよ(笑)。アニソンとかにみられるミディアムテンポの曲って正直興味なかったんですけど、ある日ふと聴いたら「いろいろあるんだなぁ」とハマっちゃいまして。I've(※8)さんですとか、Keyにおける折戸さん(※9)の楽曲とか、他にもバンド系の曲もありますしね。単純にすごいなって、聴いてるうちにコピーしたくなっちゃったんですよ」
DOL「コピーバンドの活動は、今後も続けていくんでしょうか?」
bamboo氏「いやそれが……ホントは長く続けたかったんですけどね。会社を作ることになって、バンドはしてられなくなっちゃったんですよ。メンバーのみんなには、心から申し訳ないです」



●美少女ゲームを取りまく音楽事情のこれまでと、そしてこれから

 さて、メインのお題です。盛り上がりを見せてきた美少女ゲームの音楽事情ですが、このところ翳りが見えているような? 自身もバンドマンである、bamboo氏にそのへんをうかがってみます。

bamboo氏「音楽集団も、I'veさんを始めとしていろいろありますけども、“音楽だけ”だとあんまり盛り上がらないですよね。音楽の視点からアプローチしていく何か……そう、イベントとかゲームとかがないと。メインの主軸がゲームであって、それを彩るためのカラーが音楽なわけですから。そのへんの順番が違ったり、主軸が変わったりすると、バランス的に悪くなりますよね。音楽の盛り上がりもムーブメントですから、盛り上がるときはパッと盛り上がるけど、下がるときも同様に早いと思います。音楽もゲームやイベントに食い込んでいかないと、下手すれば今年くらいで終わるんじゃないかなっていうのが正直なところですよ。実際、オリコンに入った曲もあるにはあるけど数えるほどですしね。良くも悪くも乱発気味で、それは美少女ゲームのタイトル数自体が多いから仕方ない部分でもあるんですが、失速している気はしないでもないです」
DOL「なるほど……」
bamboo氏「美少女ゲーム音楽っていうのは、オープニングテーマが大きくクローズアップされていますが、歌モンじゃないものも、もちろん重要なんです。歌モンじゃないけど、シーンをめちゃめちゃ印象付けるBGMとか」
DOL「最近は確かに、印象に残るBGMというと少ない気がしますね」
bamboo氏「BGMはある意味、歌モノより難しいかもしれません……作曲家さんのセンスもあるし、開発現場との協力の仕方っていうのも多分にあるとは思いますけれどもね」


業界全体について

bamboo氏「2000年くらいまでは、元気のいいメーカーがバーンと出てきて、今は中堅どころとか上位のブランドになってたりするんですね。もう、みんなすごい野心的で。ヒットもばんばん飛ばして、1万本2万本が当たり前の時期。それが今では、6,000本7,000本でも御の字。商業的に下がってきてますよね。これから何をするのかって見直しや、商売のあり方を考えないと、多分つまらない業界になっていくんじゃないかなと。でも美少女ゲームって、コンシューマーではできないこともいろいろできちゃう、嗜好品の中でも特殊な存在だと思ってるんです。規制ももちろんありますけど、それでも表現的に自由度が高いじゃないですか」
DOL「そうですね、暴力的な表現や、監禁・調教といったきわどい展開もありますね」
bamboo氏「美少女ゲームを楽しめるのは、割と特殊な、選ばれた民……いや“選ばれた”って言っちゃ変かもしれないですけど(笑)、それでも世の中の何千人や何万人が「ゲーム」で愛や恋をもらってるんですよ! これってすごいことだなって思うんです。マニアックマニアックって、イメージだけで悪口言うなよと、そんな感じですよ。だから、つまんない業界にならなければいいなって」
DOL「bambooさん的にもくろむ、商売のあり方とはどんなものでしょうか?」
bamboo氏「理想論ですけど、お客さんが喜んでくれて俺らもある程度食いぶち稼げるっていうのがありますね。利益出なかったら続かないし、やっぱりお金かかりますからね、ソフト製作って。その上でサービスが成り立ちますから。金ないのにサービスできないし(笑)。限度ありますよ。だからユーザーさんもアレとかソレとかの違法な入手行為なんかしないでですね
DOL「うわたたたっ」(慌てる)
bamboo氏「あれけっこうデカいすからね。仮にそーゆーことができる状態でも、買ってくれた人を“お客さん”として、メーカーがなんらかのサービスをしていかなきゃいけない。買ってくれたうまみとでも言うんですか、買ったあとのサポートとか盛り上げ方とか。メーカーとして考えなきゃいけないのかなぁと」


音楽や業界について、熱く語るbamboo氏。パッと見はコワモテだが、自身のことに話が及ぶと照れるなどのカワイ気も見せる。 「ばんど屋」のカウンターにて。バーテンさんがなぜヤカンを振っているかは永遠の謎だ。bamboo氏専用のスペシャルカクテルか何かだろうか。

 


●美少女ゲームってプレイします?

bamboo氏「最近やった中で印象に残ってるのは、ザウスさんの『永遠のアセリア』(※10)でしょうか」
DOL「うーん、渋いですねぇ」
bamboo氏「あと『Fate』(※11)とか、ちまちまやってます(笑)。主張したい部分とかエンターテイメントとしての部分とかがしっかりしてるゲームっていうのは、やってておもしろいですね。俺の中のベストオブ美少女ゲームって、ニトロプラスさんの『鬼哭街』(※12)なんですよ。あれはおもしろかった。選択肢とかってよりも、主張がハッキリしてますしね。戦闘シーンもいいですし」
DOL「あれだけ中国拳法にこだわっているのも珍しいですよ」
bamboo氏「つうかですね、ぶっちゃけAVGってタルいじゃないですか」
DOL「またそーいう……(冷汗)」
bamboo氏「アージュさんの作品とかは、長くてもモリモリ動いて飽きさせないですよね。その「飽きさせない」が重要でして、ボクが自分でゲーム作るときの座右の銘っていうのが「プレイ時間3時間とか4時間で終わる」っていうものなんです。映画を見てて我慢できる時間って、長くても3時間でしょう。それを2日に分けて分岐してとか、夜サクッとやっておもしろいなとか、ちょっとハマって「終わったー! って、夜中の3時かよ!!」というのが理想ですね」



●最新作『ガッデーム&ジュテーム』について

bamboo氏「シナリオを上げたあとで絵描きさんに好きに書かせたら、もうとんでもなくなっちゃって。あんまりおもしろいからシナリオ書き直したり。いいですよ、シナリオ。おもしろいですよ。いい意味で勢いだけで作ってますし。ゲーム自体も2時間くらいで終わるから、ちょっと遊んで「なァんだよコレ」みたいに軽い気持ちで受け止めてほしいですね」
DOL「いや、さすがに『ガッデーム&ジュテーム』を前にして「さぁ『ドラ●エ』やろう! みたいな気分でかかってくる人はいないと思いますけども(笑)」
bamboo氏「他のゲームの合間にやってほしいですね(笑)。サーカスさんでいえば『終の館』に一区切りついたら『ガッデーム&ジュテーム』やってもらうみたいな。うっかり気を抜いたらエッチCG率が100%になっちゃいましたし」
DOL「はぁ、あれですか、「イヤーン!」なパンチラとかポワワ〜ンとしたキスシーンとかはないと」
bamboo氏「なので、ヘビーなゲームが多い中でサクッと遊んでサクッと終わる、PC98のころのようなアホなゲームのノリを体験してほしいです。値段も安いし」
DOL「ほう、おいくらですかな?(わざとらしく)」
bamboo氏「3,000円(税込価格3,150円)です!」
DOL「3,000円(税込価格3,150円)!! そいつぁビックリだ!」
bamboo氏「こういう機会をくれた、サーカスさんには感謝してるんですよ。他社さんと組むっていうのもなかったし、他社さんの開発の人と一緒にやるっていうのもなかったし。わがまま聞いてくれてるんで感謝してるんですよ」
DOL「では、『ガッデーム&ジュテーム』をひと言でまとめると?」
bamboo氏「良くも悪くも、おもしろくてひどいゲームです(笑)」



●細かいこともいろいろと

DOL「今の仕事以外でやってみたいことはありますか?」
bamboo氏「うーん、これだ! っていうのは特にないんですが……割と海外であのー」
DOL「海外?」
bamboo氏「童貞は世界中にいるし(笑)、人を好きになるっていう気持ちもいろいろあるんでしょうし、他の国の人に受けるゲームっていうのはどんなんなんだろう? というのは気になりますね」
DOL「趣味や特技はありますか?」
bamboo氏「ゲームや音楽以外で?」
DOL「そうですね」
bamboo氏「みんなでキャバクラ」
DOL「あぁあ〜(困惑)」
※この後、明記がはばかられる業界関係者数名の話題でひとしきり盛り上がったため割愛
DOL「ええと、一週間休みがあったら何をしますか?」
bamboo氏「スパリゾートハワイアン(※13)に行きます」
DOL「なんで海外の本場でなく(笑)」
bamboo氏「大好きなんですよ!」
DOL「……(勢いに押される)」
bamboo氏「なんたってですね、ハワイが都内から1時間くらいで行けるんですよ?」
DOL「は、はあ」
bamboo氏「今年の正月にですね。Blasterhead(※14)とかfengの上様(※15)とかhosplugの細井さん(※16)とか、あとデンカレ(電気式華憐音楽集団)の電気くん(※17)と行ってきたんですよ。「ボクらミュージシャンだしハワイ行くか!」とか言い出して。男5人でラブホテル泊まって、録音機材持ち込んで夜な夜な録音して」
DOL「そこで録音した曲は発表したんですか?」
bamboo氏「えー、発表する機会があれば(笑)。みなさん、聴きたかったらmilktubまでメールください」
DOL「どんな曲なんでしょう」
bamboo氏「嗚咽です」
DOL「嗚咽!?」
bamboo氏「楽器がないから全員がアカペラと嗚咽で、「ツッツーツクツー」とか「ドンツクドンツク」とか「ホァアー!!」とか」
DOL「き、聴きてーっ!!」
bamboo氏「いやもう、細井さんの絶叫は絶品。あの人、『Quartett!』とかであんな(シンフォニックな)曲作るくせに本人はスゲーおもしれーですよ(笑)」
DOL「個人的に聴きたいので、読者の皆さんもmilktubにメールを送りましょう。宛先は「嗚咽プリーズ」係で」
bamboo氏「勝手に仕切んな(笑)」
DOL「それでは次に、この仕事をしていて楽しかったことはありますか?」
bamboo氏「テレビアニメになったりとか、自分たちの作ったものに対する反応があることでしょうか。「この曲よかったです」とか。カタルシスがありますね。あとはもう、オリコン入ったことかなー。絶対縁がないと思ってましたから(笑)。それと、自分がボーカルをした曲がカラオケに入ったことでしょうか。男性ボーカルはこの業界はダメかなって思ってたんですけどね」
DOL「反対に、辛かったことはありますか?」
bamboo氏「たくさんありますけど、辛い中でも得したり勉強になったりすることがあったりするんで。一概に「辛い!」とは言えないです。特に今回は会社を興しましたんで、スタッフの面倒見なきゃいけないのがもう。毎日が戦争みたいなもんですよ。それと、会社設立にあたって多額の借金を背負ったことですかなー」
DOL「いくらくらいなんですか?」
bamboo氏「ゴニョゴニョ……」
DOL「うわぁ……。押しつぶされちゃいそうな気がします、自分だったら。えー、人生最大のピンチは?」
bamboo氏「そーですねぇ、怖い人のベンツにぶつけて、怖い事務所に連れ込まれたことでしょうか」
DOL「なんとまぁ……」
bamboo氏「最終的には、土下座で許していただけましたけども。あとは、初回出荷で青くなったとか。締め切り前日とか。キリないですな。最新だと、前にいた会社が倒産し……」
DOL「つ、次の質問に参りましょう!」



●そして、bamboo氏のこれから

bamboo氏「ライブハウスでのイベントが好きなんで、これからもどんどん企画していきたいですね。トークショーとかもそうなんですけど、お客さんが参加できるものをやって、お客さんの意見を取り入れてやっていきたいなと思います」
DOL「ゲーム製作に関してはいかがでしょう」
bamboo氏「片倉(※18)や桑島(※19)とゲームの仕事したんですけど、また1本作りたくなったねーとか話が盛り上がりましてね。そんなわけでゲームを1本、企画中でございます。正式な発表はまだ先ですけども」
DOL「ホウ……『アレ』の続きとかですかな?」
bamboo氏「な、なんだアンタ、予知能力者か!?」
DOL「“居なくなっちゃった”扱いの娘さんとかどうなるのかなァ〜」
bamboo氏「ぬおおっ、黙れ! その首を貸せ! もう1秒も歳をとれないようにしてやる!!」
DOL「ギョホギョホ!! へ、へやで!!」(※20
bamboo氏「???」
DOL「さて、では今後についてお願いします」
bamboo氏「ゲーム屋をやりつつですね、音楽もやってくんですけども、イベントとかトークショーのあり方を変えたいなっていう願望はあります。ユーザーが参加できて、直接アピールできるような。それとイベントやるにしてもですね、ボク無料配布とかウザいんでやりたくないんですよ」
DOL「あいたたた……」
bamboo氏「組む相手にもよるんですが、ボク個人としてはやりたくないですね」
DOL「それはどうしてですか?」
bamboo氏「あんまり建設的じゃないと思うんですよ。人が並んでて、本当に並んでるだけ。配るにしても並ばなくて済むシステムとか、あげるだけじゃなくてアンケートもらうとか、小さくてもいいからギブアンドテイクがあるべきじゃないかな、っていうね」
DOL「では最後に、座右の銘をお願いします」
bamboo氏「汚い金でも蔵は立つ。不安になっても1円にもならない」
DOL「また金に固執するフリをするぅ」
bamboo氏「げへげへ、金には汚いですよ?」
DOL「ウソばっかり、ホントは誰よりピュアなくせして。恋とキスの答えは?」
bamboo氏「ここにあるのー!!」※21


 
 よく暴れん坊と言われる表ヅラとは裏腹に、いつもユーザーと業界の盛り上がりを考えてばかりいるbamboo氏。氏が最後にもらした、「化かす方も、化かされる方も、分かった上で知らんふりして一緒になって盛り上がりたい」というセリフがそれを象徴している気がしました。彼が広げた大風呂敷には、どんな絵が描きだされるのでしょう? 2004年のbamboo氏と、そしてその活躍を楽しみにしたいと思います。

                  ・ ・ ・ ・ ・

 今後もこんな具合に、「美少女ゲーム」と「音楽」をキーワードとして、さまざまな方からお話をうかがおうと思っています。読者の皆さんで、「あの人に話を聞いてほしい!」「この質問を、アイツにぶつけてこい!」なんて要望がありましたら、こちらまでメールをくださいませ。実現できないかもしれないけど、実現できるかもしれません。


『ガッデーム&ジュテーム』
■メーカー:サーカス
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/ME/2000/XP)
■ジャンル:AVG
■発売日:2004年4月1日
■価格:3,150円(税込)


 
(C)2004 CIRCUS/KGF


★用語解説
※1【グリーングリーン】

2001年10月5日に、GROOVERより発売されたPCソフト。山奥の全寮制男子高校「鐘ノ音学園」を舞台に、恋やキスやその他もろもろの行方が描かれる。コンシューマー移植やアニメ化もされ、人気ボーカリストの佐藤裕美さんが唄ったアニメ主題歌「GuriGuri」はオリコンに食い込む健闘を見せた。


※2【milktub】
bamboo氏が主宰する音楽集団。数々のゲームに楽曲を提供し、ライブも積極的に開催。パンクやロックなど、グイグイ押してくるタイプの曲を得意とする。


※3【一番星☆光】
学生時代よりbamboo氏と活動を共にするミュージシャン。milktubでは、打ち込みや作詞・作曲などを担当。意地でも顔出しをしないそうで、bamboo氏いわく「そろそろあきらめて顔出せや」とのことらしい。


※4【C-C-B】
中山美穂初主演のドラマ、「毎度おさわがせします」(1985年) の主題歌「ロマンティックがとまらない」で一世を風靡したグループ。ドラムとボーカルを担当する笠浩二氏の存在がセンセーショナルで、bamboo氏も強く影響を受けたのだとか。ちなみにC-C-Bは「ココナッツボーイズ」の略だったりする。1989年解散。


※5【ザウス【淡麗】】
『フローラリア』『永遠のアセリア』などを発表したブランド・ザウスが擁する、ボーカルを中心としたライブイベントの総称。これまでにもザウスは、製作するソフトのテイストに合わせて【本醸造】(S・RPGなどの骨太タイトル)や、【吟醸】(エッチに特化したタイトル)、【純米】(恋愛を描くことに注力した作品)、【発泡】(お求めやすい価格帯のソフト)、といったお酒にまつわるブランド名を発表してきた。


※6【アルゴスの戦士】
1986年にテクモがアーケードで発表した、真横視点のACT。武器としてだけでなく、移動手段や防御にも使える「ディスカーマー」の存在が際立っていた。いくら似てるからって、ヨーヨーとか言ってはいけない。2002年12月には、3Dアクションに生まれ変わってPS2へ移植された。


※7【ニンジャウォリアーズ】
1988年にタイトーがアーケードで発表した、真横視点のACT。同社の『ダライアス』でデビューした3画面筐体(ディスプレイ3つ分の迫力と、尻にビリビリ来るボディソニックが特徴)を使用したゲーム。コアなファンを獲得した音楽集団「ZUNTATA」によるBGMが秀逸で、生の三味線を導入して評判になったライブなども開催されている。そういえばこのゲームは1993年を舞台にしていたが、直立二足歩行(&手裏剣投げ)ロボ忍者はついぞ実現しませんでしたねぇ。せいぜいア●モか。いや……もしかして、世界のどこかでは……。そんな、夢見がちの2004年。あれから10年経ちました。


※8【I've】
北海道に居を構える音楽集団。数々の美少女ゲームへ楽曲を提供し、近年はアニメ主題歌なども担当。I'veのインタビューは、前回の音楽事情を参照のこと。


※9【折戸伸治】
『AIR』『Kanon』(ともにKey)などで独自の世界を築き上げたコンポーザー。I'veとのコンビで、アニメ「おねがい☆ティーチャー」主題歌にも携わっている。


※10【永遠のアセリア】
ザウス【本醸造】より、2003年11月28日に発売されたPCソフト。異世界に召還された主人公の戦いを描くS・RPGで、遊びがいのある内容が好評を博した。いまだに売り上げランキングへ顔を出すこともある、息の長いタイトルだ。主題歌「永遠のアセリア -The Spirit of Eternity Sword-」は、2003年の美少女ゲーム音楽シーンにさん然と輝く名曲である。


※11【Fate/stay night】
同人ソフトでありながら驚異のセールスを記録した『月姫』で知られるTYPE-MOONが、2004年1月30日に商業ベースで発表したAVG。手にした者の願いを叶えるといわれる、聖杯を巡っての戦いを描く。閉塞が囁かれる美少女ゲーム業界にあって驚異の売り上げを記録し、発売日当日は深夜販売なども実施された。当日の様子は関連記事を参照のこと。


※12【『鬼哭街】
2002年3月29日に、ニトロプラスより発売されたノベルゲーム。近未来の上海を舞台としており、主人公・孔濤羅(コン・タオロー) の生き様やスピード感あふれる戦闘シーンが話題に。2004年には、井上和彦氏を始めとする豪華な声優陣が参加したドラマCDも発売されている。


※13【スパリゾートハワイアンズ】
福島県いわき市にある、……えーとなんだ、要するに風呂とか全天候型プールとかが一気に楽しめる複合リゾート。ホテルや会議室なんかも完備してあり、施設の充実っぷりはなかなかのもの。旧名は常磐ハワイアンセンター。


※14【Blasterhead】
ケロQの『モエかん』などを代表作とするコンポーザー。テクノテイストを美しくマッチングさせた、ポップなメロディには定評がある。


※15【上様】
美少女ゲームブランド・fengを代表する、若き社長。一緒になっておでんを食ってくれたりと、いつも何かと協力してくれる。本当は感謝しています(私信)。


※16【細井聡司】
音楽集団hosplugを代表するコンポーザー。かつてはEnergy fieldという名のユニットで活動しており、生バイオリンを導入するといった革新的な曲作りで知られる。最新作はLittlewitchの『Quartett!』。こちらの主題歌「ランピン」でも、美少女ゲームにしては珍しく、男性コーラスを効果的に採り入れているなど目新しいアプローチが楽しめる。


※17【電気式華憐音楽集団】
コンポーザーの電気氏と、ボーカル担当の華憐さんによるユニット。通称「デンカレ」。TEATIMEの『セイクリッド・プルーム』主題歌「聖 〜ひじり〜」を始め、精力的に美少女ゲームへ作品を提供している。サーカスの『終の館〜恋文〜』にも、BGMとして参加。


※18【片倉真二】
bamboo氏がプロデューサーを務めた『グリーングリーン』(※1参照)で、原画を担当。現在は「月刊少年エース」で「忘却の旋律」(原作:GJK)を連載中。多忙な日々を過ごしているとか。


※19【桑島由一】
『グリーングリーン』で、ヤマグチノボル氏とともにシナリオを担当したモノ書きさん。各社の美少女ゲームでシナリオライターとして活躍し、小説の単行本も数多く発表している。『ガッデーム&ジュテーム』主題歌では作詞を任され、ブッチギリにイカレた詞(誉め言葉)をたった2時間で書き上げた。曲の最後で入る「yozuca*〜、後ろ後ろー」も、収録当日の現場で桑島氏がピキーンと閃いたものである。


※20【ギョホギョホ→へやで】
モンキーは、つげ義春が大好きである。


※21【恋とキスの答えは】
PC版『グリーングリーン』主題歌の歌詞、「恋とキスの答えは どこにあるの」より。いい歳になってから聴いてみると、ちょっぴり切なくなるから不思議だ。



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■前回までの記事
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このコーナーは電撃オンラインのスタッフが、毎日の更新の際に感じたことや体験したことをつれづれなるままに書いていく、編集後記とコラムを融合させたコーナーです。
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