美少女ゲームの音楽事情:第4回
キュンキュンの発信源を北の大地に探れ! 人気音楽集団・I've
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| 担当:電撃オンライン モンキー |
美少女ゲームの歌をマメにチェックしている者なら、必ず一度は耳にする名があります。I'veというその音楽集団は、『Kanon』(Key)のエンディングテーマ「風の辿り着く場所」編曲をはじめ、数多くの美少女ゲームに楽曲を提供し、不動の人気を築いてきました。近年は「おねがい☆ティーチャー」や「おねがい☆ツインズ」などのアニメ作品にも参加し、「Second
Flight」(「おねがい☆ツインズ」OP)はオリコンで堂々の総合15位。幅広い層のファンから支持を集めています。しかしこのI've、活動拠点は北海道。東京から飛行機で1時間半で行けるとはいえ、直接取材やインタビューにうかがうのはちょっぴり難しい。そのせいか、ファンの注目度は高いにもかかわらず、インタビューや主題歌の収録レポートなどはあまり行われていない状況となっています。折りしもこのモンキー、11月下旬は「キャラクターパーティ札幌(※1)」の取材で北海道へ行くことが決定しておりました。この機会を逃す手はない! ということで、「キャラパーティ札幌」取材のかたわらI'veさんへうかがってきました。I've代表・高瀬一矢氏の素顔は? 来年にメジャーデビューを控えた、I've歌姫・KOTOKOさんの心境は? ファンの間にキュンキュンの嵐(※2)を巻き起こした、作曲のC.G
mix氏とは? そんなわけで美少女ゲームの音楽事情、第4回はI'veさんにお話を聞いてみようと思います。
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【高瀬一矢】
数多くの美少女ゲームに楽曲を提供した、I'veを代表するコンポーザー。渋い曲からキャピキャピ系まで手広くこなす芸達者だが、その素顔は朴訥としたナイスガイ。包み込むような優しさと、温かなまなざしが印象的だ。高瀬氏と会って、嫌いになれる人はそういないんじゃないかな。なお、口ぐせは「うーん。なァんだろな」。 |
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【KOTOKO】
歌唱だけでなく、作詞や作曲も手がけるI'veのボーカリスト。来年にはジェネオン
エンタテイメントよりメジャーデビューも決定している。歌で見せるパワーボーカルと、普段のキュートさがかもし出すギャップが魅力的。とてもよく笑う、快活なアーティストさんだ。 |
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【C.G mix】
I'veコンポーザー。『カラフルキッス』から『バルドフォース』まで、180度毛色の違う曲も器用に作り上げる実力の持ち主。インディーズ時代にCDのジャケットを何度も飾っているだけあって、本気を出したときのビジュアルはとんでもなくイイ男。 |
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【I've広報氏】
超イケメン(死語)のくせして、意地でも顔出し・名前出しを拒むシャイな広報さん。素早い校正戻しと、鋭いツッコミが得意技。歓楽街の情報にも詳しく、北海道のメーカーさんの間では「夜の帝王」の二つ名で呼ばれているとかいないとか。サンバイザーやニット帽など、頭周りのオシャレがチャームポイント。 |
●ユーロビートからキュンキュンまで!
みなさんのプロフィールと、「I've」をはじめたきっかけ
I'veを代表するコンポーザーである高瀬氏、ボーカルだけでなく作詞・作曲も務めるKOTOKOさん、「さくらんぼキッス」や「Face
of Fact」などで知られるC.G mix氏。それぞれが音楽を志すようになったきっかけや、これまでの活動などを聞いてみます。
高瀬氏「親が音楽の教師をしていましたので、2〜3才の頃から半ば強制的に習わされてましたね。アップライトのピアノが部屋にあって、もうほとんどムリヤリって感じで。そのせいか、小〜中学校時代は音楽の成績がトップでした。バンドは組んでましたけど、活動していた、というほどのものでもなくて。それよりも、ピアノで好きな曲を耳コピーしたりとか、部屋でラジカセを使った多重録音をして音をハモらせたりとか……打ち込みに興味を持ったのは、その頃からでしょうか。でも、高校の後半からどんどんアホになりはじめまして(笑)。本格的にバンドを組んで、ジューダス・プリーストから高中正義まで、もういろいろやりました。そのバンドは一度解散して、普通に就職して働いてたりもしたんですが、お金ができて機材や打ち込みにのめり込みはじめまして、「んじゃやってみっか!」と会社を立ち上げたんですよ。それがI'veの母体ですね。最初の頃は、ユーロビートの仕事やカラオケ用の曲を作ってたりしました。もう、それこそ月に50曲とか。会社の宣伝も兼ねて、クラブでも流せるようにとアナログレコードを全国へバラまいたんですが、それを聴いた東京のあるメーカーさんが「やってみないか?」と声をかけてくださいまして。その後、流通さんを経てビジュアルアーツさんを紹介してもらったりしながら、現在へ至る感じです」
KOTOKOさん「小さい頃から歌が好きで、中〜高校生の頃はオーディションを受けまくっていた記憶があります(笑)。その後バンドを組んでジュディ&マリーや椎名林檎さんのコピーをやっていましたね。パートはボーカルだったんですけど、自分でも歌唱力に難があるなと思いまして、ボーカルトレーニングの学校に入りました。その学校へ、I'veの先輩にあたる島宮えい子さん(※3)が特別講師としていらしたときに、デモテープを提出したんですね。詞を見ていただこうと思っていたんですが、せっかくだからとボーカルをつけて、歌という形で提出しました。それで「I'veの仕事に声が合ってるんじゃないか」と声をかけていただいて、オーディションを受けて、I'veさんとお仕事をさせてもらえるようになったんです」
C.G mix氏「3歳からピアノを習い始めまして、小学校高学年の頃には作曲をしていました。中学校卒業後、高校でバンド活動を始めまして、レベッカやTMネットワークのコピーをしてましたね。ええ、キーボード担当で。コンテストへ出たりしつつアルバイトをしながら、20代前半から音楽業界でCMの曲やTV番組のとかを作るようになって……500曲くらい書いたのかな。その頃に、人を介してI'veスタッフさんに紹介していただいてんです。最初はインディーズで活動してまして、自分で唄ってCD出したりしてたんですよ。その後、I'veの仕事に集中してみないか、ということで『毎日好きして』で初めて美少女ゲームの曲を作り、『バルドフォース』あたりから本腰を入れるようになりました」
DOL「なるほど。その後、『カラフルキッス』などに行くわけですか」
C.G mix氏「そうですね。でも、正直キャピキャピ系は苦手で(笑)。どう作ったものやら、といつも頭を悩ませています」
DOL「では、「スキスキスキ」とか「キュンキュン!」といった合の手のアイデアは、どなたから出たんですか?」
KOTOKOさん「……」(無言ではにかみながら挙手)
DOL「KOTOKOさんですか!」
KOTOKOさん「あははっ、私はそういうの大好きなんでー。合の手はほとんど私ですね」
高瀬氏「なァんちゅうんだろな。もう、全部お任せ状態に近いですよ」
KOTOKOさん「合の手とかに凝りだしたのは、『恋愛CHU!』(※4)からですね。間奏のセリフとかも、作詞の延長で考えてます」
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| インタビュー中の様子。右から高瀬氏、KOTOKOさん、C.G
mix氏。 |
I'veスタジオはとっても家庭的な雰囲気。 |
●「チュッチュを初めて見たときはどうしようかと思った」
DOL「『恋愛CHU!』といえば、I'veさんの最新アルバム「SHORT
CIRCUIT」(※5)にも収録されていますよね。このアルバムへの思い入れなどがありましたら、お聞かせください」
高瀬氏「いやー、思い入れはありますよ。いろいろ苦労もしましたし。今でこそ、ファンの皆さまからご好評いただいているI'veの「ソレ系」ソングですが、『恋愛CHU!』が最初の電波系なんですよね。クライアントであるサガプラネッツさんから、『恋愛CHU!』のサンプルとしていただいたのが実はミニ●ニでして(笑)。中沢(※6)と一緒に聴いたんですが、こりゃ俺にはできないわ! って中沢に振っちゃったんです。それで、曲が上がってきて、KOTOKOちゃんが詞をつけてみたら……なんかチュッチュチュッチュとか間奏にセリフとか。呆然としました」
KOTOKOさん「チュッチュのときはちょっとケンカしそうになっちゃいましたね(笑)。高瀬さんが少し怒っちゃって。やりすぎだ、お前ら! みたいな」
高瀬氏「だってこっちは真剣に仕事してるのに、振り付けまで考えてて跳びはねたりしながら唄うんですよ!? どうしようかと思いましたよ」
KOTOKOさん「えへへ、ごめんなさい……私はこういうの大好きなんですよ。他の曲の作詞よりも、どんどん言葉があふれてくる感じで、ノリノリでやってるんです。でも、I'veでアルバム出しても、そういう曲って入れてもらえないんですよ。いつかはアルバムに入れて、みんなに聴いてほしいな、って思っていたので、今回の「SHORT
CIRCUIT」の発売が決定したときは嬉しかったです」
高瀬氏「いや……なァんつんだろ、たとえば1stアルバムの「regret」にしても、渋い曲が連続しているところでいきなり「チュッチュ」とか来たらまとまりないっちゅうか。なら、電波系なら電波系だけでまとめた方が聴きやすくなりますし。『恋愛CHU!』もそうですけど、アチチ(※7)とか、僕なんかはものすごく悩むんですよ。その分思い入れも増すんですね。それで中沢と、こういう曲がある程度集まったらコミケで出そうか、って話してたんです。今年の冬のコミケで売るつもりだったんですが、曲を並べてアレンジしてみたら、自分で言うのもなんですがいいんですよやっぱり。だから、コミケで出して変に希少感を煽るよりは、一般の流通に乗せてみんなに聴いてほしいな……と思って、「SHORT
CIRCUIT」が生まれたというわけです」
DOL「C.G mixさんはいかがですか?」
C.G mix氏「毎回手こずって作っていますので、ストライクゾーンにハマったときの「あ、来たな!」という感覚はうれしいですね。もう、作っている最中は試行錯誤の繰り返しで。テレビを見ていて、たとえばモ●ニング娘。のクリップなんかが流れているときに閃いたりもします」
高瀬氏「あ、ビジュアルからひらめくって手か……いいな。俺もマネしようかな(笑)」
●アニメとゲームで、曲作りのスタンスは変わる? 変わらない?
DOL「作業工程のお話が出ましたが……最近、「おねがい☆ツインズ」などでアニメの曲も手がけていらっしゃいますよね。アニメの曲とゲームの曲で、心構えや工程に違いはありますか?」
高瀬氏「ないですよ。うん。曲を作る心構えにおいて、こっちはこう、あっちはこうって決まりはありませんし。常に全力でやってるので、違いとかそういうのはないですね。クライアントさんに喜んでもらえると、こっちもうれしいですからね」
KOTOKOさん「そうですね。そのゲームなりアニメなりに合っていて、引き立てることができる曲になるのが大切だと思っています」
●ゲームそのものへの接し方
DOL「美少女ゲームってプレイされますか? もし最近遊んだタイトルがあれば、その中でお気に入りのものなどを」
高瀬氏「美少女ゲームはあまりプレイしないんですが……最近遊んだ中でおもしろかったのは、コンシューマの『●國●双』とかですか」
DOL「ああ、あの、“中国を舞台にヒゲのおじさんがヤリを振り回しつつ千人を倒してドガーッ”なゲームですね」
I've広報氏「モロバレですがな(笑)」
高瀬氏「RPGが好きなので、『ドラ●エ』の新しいのとかが出たら、買ってきて家にこもっちゃいそうですね」
I've広報氏「あ、もう高瀬は本当に出てこなくなるんですよ! 業務に影響が出るほど!!(笑)」
KOTOKOさん「私は……パソコンがMACなのであんまり遊べないんです」
DOL「メーカーさん、もっとMAC対応のゲームを出してくださいという感じですか」
KOTOKOさん「そうですね(笑)。でも、曲を作るときにメーカーさんからシナリオやあらすじをもらって、それを読んだだけで泣いちゃったりすることもありますね」
DOL「例えば、どんなタイトルで?」
KOTOKOさん「『水素』や『ぎりぎりLOVE』などで……切なかったり、悲しかったりする場面がありまして」
高瀬氏「あ、そういえば中沢はなんかねぇ、『ツグナヒ』をクリアして泣いたらしいですよ。「いやぁ来ましたよ!」とか言ってましたし。あ、バラしちゃった。まぁいいや(笑)」
C.G mix氏「僕は申し訳ないことに、ゲーム自体をほとんどやらないんですよ。音楽一筋だったものですから……。でも、僕の場合変にゲームを“分かりすぎる”と曲を作る上でウエイトがかかることがあるんです。だから資料にはあえて深く目を通さずに、インスピレーションを重視するようにしています。クライアントさんが求めているものを直感でつかんで、それを大切にしています」
●美少女ゲームを取りまく音楽事情のこれまでと、そしてこれから
DOL「このところ、美少女ゲームの業界で音楽を専門に扱う集団が注目を集めています。そんな現状を、老舗のI'veさんから見てどう感じますか?」
高瀬氏「“老舗”……なんですかね、I've? もう?」
DOL「ああいや、ちょっと言葉が不適切だったかもしれませんが」
高瀬氏「ちょっとガックリです。歳取ったなぁって」
DOL「ア、アウ、アウオエ」
高瀬氏「いまでも全力でやり続けているので、老舗とかベテランとか、そういう偉い人みたいな気持ちはまったくないですよ」
DOL「ごめんなさい」
高瀬氏「いえいえ(笑)。あ、でも他の音楽集団の方たちがお作りになった曲とかって、あんまり聴かないんですよ。申し訳ない話なんですが、逆に聴かないようにしている部分もありますし。変に他の音楽集団の曲を聴いて「あ、こんな風にやればいいんだ」という具合に感化されたくないと思っています。だから、I'veの作る曲はどことも違う感じになるのかもしれないですね。ユーザーの方が聴いて、I'veはちょっと違うなって思ってくれるなら、いい方に働いているのかもしれません」
DOL「なるほど」
高瀬氏「でも、音楽を手がける人が増えてくるのはすごくいいことだと思いますよ。どこまで増えるかはわかりませんが、これも“美少女ゲームの音楽”というものに注目が集まってるからじゃないでしょうか。最終的に、それぞれが独自路線を出して、「こういう曲ならここ、こっち方面ならここ」という個性が出てくればいいんじゃないでしょうか。それが、美少女ゲームという業界に留まらず、さまざまな方面へ伸びていく結果を生むと思いますし」
DOL「最近は、作曲家が注目されることも多くなっています。“この作曲家が手がけた曲はみんな聴く”というファンも増えてきていますし。そんな状況を、作曲家の1人でもあるC.G
mixさんはどう思いますか?」
C.G mix氏「僕が書いた曲を喜んでくれたり、興味を持ってくれたりするのがうれしいですね。皆さんの期待に応えていけるよう、がんばりたいです」
高瀬氏「……」
C.G mix氏「……」
DOL「……」
KOTOKOさん「終わっちゃった、はははっ」
DOL「ええと(笑)KOTOKOさんはいかがです? ボーカルさん個人にもブランドイメージというか、“その人が唄っているゲームは全部買う!”っていうユーザーもかなりの数になっていますが」
KOTOKOさん「心からうれしいです。ボーカルとして注目していただくことで、仕事の幅が広がることもありますし。そうそう、地元サッカークラブの「コンサドーレ札幌」サポーターイメージソングを唄わせていただいたこともあるんですよ。いろいろなお仕事をさせてもらえるのは、本当にうれしいですし、ありがたいですね」
DOL「では次に、美少女ゲームをとりまく音楽事情の“これから”は、どうなっていくと思いますか?」
高瀬氏「このところ、美少女ゲームが元になっているアニメが、キッズステーションで放映されたりしているじゃないですか」
DOL「そうですね、『君が望む永遠』とか」
高瀬氏「みんなすごくいいお話だと思うんです。それはやっぱり元となるゲームが、作品がいいからですよね。アニメやゲームっていうのは、日本が世界に通用する要素の1つじゃないでしょうか。なァんていうんだろう、日本のオタクは世界に羽ばたいていますよね」
(一同爆笑)
高瀬氏「美少女ゲームにしても、唄っているボーカリストが活躍して、世界販売にまで昇りつめるものがあってもいいじゃないですか。ねぇ。他の音楽集団さんにしても、feelさんなら例えば佐藤裕美さんとか、うちならKOTOKOちゃんとか。いい唄い手を出していって、いい曲を作っていけば結果がついてくると思いますし。“美少女ゲーム”ということが足かせになっているなら、うちからでも吹き飛ばしたいですね」
KOTOKOさん「私も、盛り上がりの一端を手伝えていると思うと、やりがいを感じます。唄っていて楽しいですし、もっともっと盛り上がればいいなって思います」
C.G mix氏「僕は……そうですね、いい曲を書いていければいいなぁ、としか(笑)。ボーイズラブものの曲とかにも、積極的に挑戦したいですし」
高瀬氏「それも1つの可能性ですよね。C.G
mixにしても、最近では『学園ヘヴン』の曲を書いたりしていますし。女の子の層にも広がっていくなら、うれしい限りです」
●マイフェイバリットソングはこれだ!
DOL「膨大な数の曲を手がけたI'veさんですが、その中でもお気に入りのものはありますか?」
高瀬氏「うーん……なァんだろな。全ての曲を全力で作っているので、「これが一番!」というのはないですね。でも、印象に残っているのは『とらいあんぐるハート3』の「涙の誓い」でしょうか。KOTOKOちゃんが来たときに、ゴッパーで録ってハイをガーッと上げたらパコーンと抜けたというか」
DOL「???」
高瀬氏「KOTOKOちゃんの声って、録音したあとハイをグーッと上げるとコーンって抜けるんですよね」
DOL「あ、あー、そうですよねー抜けますよねー」
I've広報氏「(ひそひそ声で)ゴッパーっていうのはマイクの一種です。ハイをグーッととかってのはまぁ、あんまり気にしないでください」
DOL「や、ヤダナァ! わかってますって! ハハハハ(インタビュアー は ついていけない!)」
高瀬氏「あとは『奴隷市場』の曲とか、『DEEP/ZERO』の「Belvedia」なんかも、悩んだ分印象深いですね」
DOL「KOTOKOさんはいかがです?」
KOTOKOさん「全部好きなので、挙げたらキリがないんですけど……そうですね、「涙の誓い」は私もかなり好きです。あと、『Heart
of Hearts』というゲームの「Feel in tears」は、曲を聴いたときに「絶対唄いたい!」って思ったくらいお気に入りです。「I
pray to stop my cry」や「LOVE A RIDDLE」も好きですし、「Wing my
Way」は自分でも“歌”がとても満足の行く結果が出せまして……それから「Change my Style
〜あなた好みの私に〜」は初めて詞と曲を両方やらせてもらえた曲なので、思い入れも強いです。ああ、本当にキリがなくてごめんなさい」
DOL「最近の曲でお気に入りはありますか?」
KOTOKOさん「そうですね、F&Cさんの新作『こなたよりかなたまで』OP曲「Imaginary
affair」は、高瀬さんが私のいいところを引き出してくれた感じで、今の一番のお気に入りです」
高瀬氏「ん? そーかい?」
(DOL以外爆笑)
DOL「???」
I've広報氏「いや、今のコメントはいいですよ! すごく高瀬らしいです!」
DOL「はぁ、そうなんですか(笑)。えーと、C.G mixさんのフェイバリットソングはなんでしょう」
C.G mix氏「そうですね、「diRTY
GiFT」というアルバムに収録されている「砂漠の雪」でしょうか。ゲームとは絡んでいないんですが、その当時の僕がやりたかったことが出ていて、ある意味一番僕らしい曲と言えますので」
高瀬氏「うん。ていうかあれ、カッコいいよ」
C.G mix氏「そうですか(笑)。フェイバリットを挙げるなら、「砂漠の雪」の1点勝負ですね」
●I'veの今後についてお聞かせ下さい。
高瀬氏「うーん。美少女ゲームの曲は作り続けるんじゃないですかね。こう、ずーっと」
KOTOKOさん「………」
C.G mix氏「………」
DOL「………」
I've広報氏「終わってるじゃないですか!」
(一同爆笑)
高瀬氏「いやあの、例えばKOTOKOちゃんがメジャーで走っていくとしますよね。そんな状況でも、美少女ゲームの歌は唄ってるという。いいじゃないですか。なんかね、美少女ゲームの歌を作るってロマンがあるんですよ」
KOTOKOさん「あ、それは私もあります。シナリオを読んだりすることでゲームの持っているものに感化されて、世界が広がるっていうのかな。作詞していても、映像が瞼の裏に浮かぶんですよね。そういうのも楽しんでやってるので、お仕事させてもらえる限りはがんばっていきたいと思います」
I've広報氏「うんまぁ、今後もスタンスは変わらないですよね」
高瀬氏「そうですね、熱意が伝わってくれば大きな会社とか小さな会社とか関係ないですしね。美少女ゲームって2人とか3人とかで作っているところも多いですから」
KOTOKOさん「私の場合、まずはアルバムでいいものを作るのが今の第一目標ですね。でも、やってて楽しいお仕事ですし、お話をいただける限りはゲームやアニメも続けていきたいです。メジャーデビューでスタンスが変わるというのではなく、形にとらわれないで活動していきたいですね。いままで通りプラス、もっとがんばる! でやっていきたいなと思っています」
C.G mix氏「今後……ですよね……」
DOL「はい」
C.G mix「今後は……社長が決めますから(淡々と)」
KOTOKOさん「あはっ、あははっ、あははははっ!」
I've広報氏「いや決めるからってそんな(笑)」
高瀬氏「そうですねぇ、例えばKOTOKOちゃんと同じようにメジャー路線を目指すとか……」
KOTOKOさん「あはははっ……うくくくっ……」
DOL「なんか激ウケしてらっしゃる方が約一名」
KOTOKOさん「だって……あは……すごいC.G
mixさんらしいなぁと……あははっ、いつも通りだからおかしくて」
高瀬さん「いや、いいんじゃないですかね、C.G
mixで単独デビューとかも」
DOL「そうですね、ビジュアル的にも相当イケてますし。例えば広報さんと組むとか」
I've広報氏「なんでっ!?」
DOL「広報さんもビジュアル的にかなーりイケてますので、今後の展開にご期待ください」
I've広報氏「誰に説明してるんですか!」
●作詞作曲もこなすKOTOKOさんに、
来年のメジャーデビューも含めていろいろと
DOL「KOTOKOさんはご自分でも作詞作曲をされますが、そのことについて思い入れなどはありますか?」
KOTOKOさん「作詞は信念みたいなものをずっと持っているんですが、作曲に関してはまだ自信がないですね。ヨチヨチ歩きって感じで(笑)」
DOL「最近の作品ですと、『プリンセスブライド』はOPもEDも、作曲だけをKOTOKOさんが担当という形でしたね」
KOTOKOさん「詞はシナリオの方がお書きになってましたね。EDはもう、とても壮大な詞なので唄う方も負けないようにとがんばったんです」
DOL「EDというとあの、王子様が城から逃げたり王座を取り戻せとたきつけられたりという」
KOTOKOさん「そうですね(笑)」
DOL「得意な曲調や、唄い方などはありますか?」
KOTOKOさん「よく「最初からトップギアで行く」と言われます。逆にしっとり系は苦手かもしれないですね。勢いのある歌の方が得意かな? もう、トップに行ったまま行きっぱなしって感じで(笑)」
DOL「来年にメジャーデビューを控えていますが、意気込みなどがありましたら」
KOTOKOさん「一般のCDショップに置かせてもらうのが念願だったので、とてもうれしいです。皆さんの手元に届きやすくなったので、これからは手軽なぶん「何気なく一緒に置いていただけるような生活のBGM」を目指したいですね。もっと身近な存在として……なんていうんでしょう、これまではゲームやアニメなどの“作品を盛り上げるBGM”でしたけど、これからは“ささやかな時間のBGM”として存在できるような……そういう曲を生み出せる作り手になりたいですね。1人1人のささやかなBGMになれればうれしいです」
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| スタジオに置いてあった、某セーバーのレプリカ。スイッチを入れるとSE付きで光り、振ると「ヴォン」という例の音も鳴る! 正直、かなりほしくなった。 |
クリスマスも近いせいか、I'veスタジオの入り口にはクリスマスツリーが。ちゃんとチカチカ光ってて、とてもきれいでした。 |
●細かいことも聞いてみます
DOL「いま現在のお仕事以外に、何かやってみたいことはありますか?」
高瀬氏「やっぱり、映画業界でしょうかね」
DOL「監督とかですか?」
高瀬氏「いや、もっと裏方の……模型作ったりキャラクターをデザインしたりって方ですね。「スターウォーズ」に見る、ILMの作品群などには本当に心ひかれます」
DOL「最近はCG全盛で、模型やダイナメーションは死滅しつつありますけれど、それだけに魅力も感じるものですよね」
高瀬氏「ダイナメーションもいいですねぇー。レイ・ハリーハウゼンが大好きなんですよ」
DOL「あ、「アルゴ探検隊の大冒険」とかですか?」
高瀬氏「そうですそうです! DVD持ってますよ!」
DOL「骸骨剣士のカクカクした動きとかたまんないですよねぇー」
(この後、あまり関係ない映画話なので割愛)
DOL「オホン、ごめんなさい。C.G mixさんはいかがです?」
C.G mix氏「大自然の中でひっそりと暮らしてみるのもいいかなーとか……。アウトドア派なので(笑)。それか、サラリーマンとかにもちょっとひかれます。思い切りゆっくりか、仕事に追われるか。両極端なところに魅力を感じますね」
KOTOKOさん「私は……似た業界なのかもしれないんですけど……じょ、女優……」
I've広報氏、高瀬氏「でかく出たねっ!」
高瀬氏「初めて聞いたよ!」
I've広報氏「ではオバケ役で、「呪怨3」とか」
KOTOKOさん「うわーん!」
DOL「ほ、ほかには?」
KOTOKOさん「家にこもってやる仕事でしょうか」
I've広報氏「内職みたいなの?」
KOTOKOさん「そーじゃなくて(笑)。作家とか、絵描きさんとか。これも芸術畑方面なんですけど」
DOL「では次に、特技などがあればお聞かせください」
高瀬氏「KOTOKOちゃんの絵って話がチラッと出ましたけど、似顔絵がすごく上手ですよ、彼女」
DOL「I'veスタッフの皆さんを描いたりするんでしょうか?」
I've広報氏「似てますよ、すごく。特徴をよくつかんでいて」
DOL「機会があれば、ぜひ見たいですね」
高瀬氏「うーん特技……なァんだろな。釣り。ボーリング。プラモデル作り。うん釣り、釣りかな」
DOL「I'veさんの裏手の川は、鮭が上がってきたりするそうですね?」
I've広報氏「ええ、そうですね」
DOL「じゃあ高瀬さんがガーッと釣り竿担いで出て行って、「タハーッ!」とか三平っぽく釣り上げたりしているわけですか」
高瀬氏「いや「タハーッ!」は言わないですけど(笑)」
KOTOKOさん「私は他に……ショッピングとか、映画鑑賞とか、ソフトボールとか」
DOL「ソフトボールですか?」
KOTOKOさん「実はチームにも入っているくらいでして。ポジションはショートです」
DOL「大変なポジションですね。鉄壁のショートとか呼ばれてたりして」
I've広報氏「いやきっと失策率80%とか」
KOTOKOさん「鉄壁どころかザルのショートですね……。むしろソフトボールよりボーリングの方が得意です。アベレージ140くらい、マックス200くらいですね。あ、それから! どこででも眠れます!」
DOL「フフン……どこででも寝れるってことなら、媒体関係者だって負けてないですよ。椅子1個で眠れますか?」
KOTOKOさん「多分余裕ですー♪」
DOL「ううっ!?(ちょっと悔しいらしい)」
KOTOKOさん「地下鉄に乗ってるときに、立ったまま寝てたりとか」
DOL「普通、膝がカクッてなりませんか?」
KOTOKOさん「いえ、あまり(笑)」
DOL「器用ですね」
I've広報氏「器用ですな」
DOL「膝を固定する特殊な呼吸法とかあるんでしょうか」
I've広報氏「いやそんなバカな(笑)」
DOL「えー、一週間休みをもらったら何をしますか?」
高瀬氏「ラスベガス行きます!」
DOL「この業界、ラスベガス好きな人多いですね」
高瀬氏「ギャンブルはあんまりやらないんですけど、街全体がたまらなく好きですね。あの、楽しくてロマンチックな雰囲気が」
KOTOKOさん「私は南の島とか、暖かいところでボーっとしたいですねー」
C.G mix氏「うむ、僕は温泉ですね」
(一同笑)
●この仕事をして得したこと、楽しかったことは?
高瀬氏「メーカーさんがサンプルをくれることでしょうか。セブンエイトさんとか、すっごくたくさんくれますよ」
KOTOKOさん「あははははっ」
高瀬氏「OVAの「夜勤病棟」なんて、全部送られてきます」
KOTOKOさん「お気に入りですもんね(笑)」
高瀬氏「いいからそういうのは(笑)。あと、声優さんとか、有名な方に会えたのがうれしいですね」
DOL「妙に庶民的ですね(笑)。高瀬さんご自身がかなりの有名人だっていうのに」
高瀬氏「あ、あとコミケ! 楽しいんですよこれが。大好きですね」
I've広報氏「ユーザーと触れ合える機会があるからじゃないですかね。あと、会社に一体感ができる」
KOTOKOさん「私は……ちょっと硬い答えになっちゃうんですけど、音楽という夢を持って、目標を持ってるがんばってる人に会えたのが嬉しかったです。私自身も刺激になりましたし。それと、有名な女性の声優さんに会えたのも嬉しかったですね。『とらいあんぐるハート』の声優さんに会えましたので。日向裕羅さんとか、面白くて楽しくて。それから、応援してくれるファンの方々の声がネットを開くと見れるのが励みになりますね。掲示板やチャットに私も参加して、触れ合えるのが楽しいです」
C.G mix氏「小さい頃から音楽の仕事がしたいと思っていたので、それで食べていけるだけで得している気分ですね」
DOL「なんてストイックな人なんだろう……それも淡々と……」
C.G mix氏「ドライだとか感情がないとか、けっこう言われるんですよ(笑)。あとは、仕事がらみですけどいろんな土地にいけることが楽しいですね」
●反対に、損したこと、つらかったことは?
KOTOKOさん「私は特にないかな? 楽しいことがあったから、辛くても気にならないというか。そのとき辛くても、あとから考えるとそうでもないんです」
高瀬氏「好きなことやってるから、辛くても辛いと感じないのかもしれないですね。あ、でも! 中沢が散らかすのが辛かったりします!」
I've広報氏「掃除すんの俺なんですよね……」
DOL「いないのをいいことに、好き放題言わないでくださいっ」
高瀬氏「ホントに中沢って、散らかすんですよね。A型なのに。ポテトチップが落ちてたり、なんか魚臭いなって思ったら煮干食ってたり。そのへんに置きっぱなしで」
DOL「あの、もういいですから」
高瀬氏「だって煮干食ってるんだよ?」
DOL「やめてーっ!!」
●座右の銘はありますか?
DOL「では最後に、座右の銘がありましたらお聞かせください」
高瀬氏「偶然と1フレ目のストライクは信用できない」
KOTOKO氏「明日は明日の風が吹く! 直球勝負!」
C.G mix氏「なせばなる。まずは何事も、やってみないと」
そんなこんなでお話をうかがったI'veの皆さんは、とてもまっすぐな人たちでした。音楽が好きで、ただひたすらにいいものを作ろうと、そのことに全ての力を注ぎ込んでいる。そんな印象を持ちました。2004年もI'veは活動を続け、素敵な音楽を私たちに届けてくれることでしょう。少しでも長く、I'veの作る音楽に触れていけたらいいな。1人の聴き手として、そう思うのでした。
・ ・ ・ ・ ・
今後もこんな具合に、「美少女ゲーム」と「音楽」をキーワードとして、さまざまな方からお話をうかがおうと思っています。読者の皆さんで、「あの人に話を聞いてほしい!」「この質問を、アイツにぶつけてこい!」なんて要望がありましたら、こちらまでメールをくださいませ。実現できないかもしれないけど、実現できるかもしれません。
★用語解説
※1【キャラクターパーティ札幌】
11月24日に、北海道は札幌のアクセスサッポロで開催された展示即売会(当日のイベントレポートは関連記事を参照)。地元北海道のメーカーだけでなく、関東近県のメーカーも多数参加。来年2月にも開催されることが決定しており、イベントとしてすっかり定着した趣がある。
※2【キュンキュンの嵐】
2003年3月14日に戯画より発売されたPCソフト『カラフルキッス 〜12コの胸キュン〜』主題歌「さくらんぼキッス
〜12コの胸キュン!〜」の合の手より。この歌は「スキスキスキ」や「キュンキュン!」などの合の手が効果的に使用されており、公開直後から中毒性の高さで話題になった。ある音楽集団の広報氏をして「2003年のI'veが生んだ奇跡」と言わしめた、掛け値なしの名曲である。
※3【島宮えい子】
多数のI've楽曲で歌唱を務めたボーカリスト。「Around the mind」などの重厚な曲を発表するかたわら、I've以外の活動にも積極的に参加。メロンブックスのテーマ曲「あたしはめろん」や「滝野の森」テーマ曲などのポップなものまで、幅広く唄いこなす実力派だ。
※4【恋愛CHU!】
2001年3月23日に発売されたPCソフト。その後のI'veに大きな影響を与える名曲「恋愛CHU!」をテーマ曲としている。発表から2年以上が経過した今でも、なんら色あせないノリを有す。
※5【SHORT CIRCUIT】
2003年11月27日に発売された、I'veのコンセプトアルバム。「恋愛CHU!」をはじめ、ポップでアチチでキュンキュンなテイストの曲を中心に収録している。
※6【中沢伴行】
I'veコンポーザーの1人。ゲームへの楽曲提供だけでなく、アニメ「おねがい☆ツインズ」のエンディングテーマ「明日への涙」などでも知られる。「恋愛CHU!」では作・編曲を担当。
※7【アチチ】
2002年4月5日に戯画より発売されたPCソフト『Ripple 〜ブルーシールへようこそっ〜』主題歌「あちちな夏の物語り」より。「アチチ」「フワフワ」などの合の手が使用されており、公開後は「I'veが壊れた(誉め言葉)」などの戸惑いをともなった好評を博した。
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