| タイトル |
『Jリーグ ウイニングイレブン
タクティクス』 |
レビュアー |
HAL |
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SLG版『ウイイレ』シリーズを徹底検証!(4,216文字)
『ウイイレ(WE)』といえば、『Jリーグ』版より『ワールド』版をイメージする人が多いでしょう。これは「ワールドサッカー(クラブや代表も含めて)」と「Jリーグ」に対する一般的な人気の差もありますが、『Jリーグ』版って作品ごとにクオリティが違っていたことも起因していると思われます。
で、この『ウイイレ タクティクス(WET)』は、Jリーグが舞台です。編集部には、ワールドサッカーの造詣は深いが、Jリーグには特別に思い入れのあるクラブがないという人もいます。しかし、そんな人でも『WET』に熱中していることを考えると、題材が何であれ、サッカーが楽しめることがサッカーゲームとしての基本ですね。しかし、『WET』の楽しみ方は、他のサッカーゲームとはちょっと違います。タイトルに「タクティクス」とあるように、戦術シミュレーター的な楽しみ方です。それをふまえて『WET』という「サッカーシミュレーター」を紹介していきましょう。
●『WET』の目標とは?
プレイヤーが監督として就任できるのは、J2も含めたすべてのJリーグのクラブです。J1の場合、コツさえわかればどのクラブでも初年度に優勝(完全優勝はムリでもステージ優勝ぐらいは)できる可能性を秘めています。逆に、J2の場合は3年程度(初年度も可)でJ1に昇格し、それから数年後(補強しだい)にJ1優勝というパターンになるでしょう。J1とJ2の各カテゴリー内では、各クラブの戦力差はそれほど大きなものではないので、自分の好きなクラブを選んでプレイ(というかそれが当たり前)してかまいません。
『WET』では、J1優勝は「過程」にしかすぎません。その先にある世界レベルの大会が目標となります。
●『WET』のシステム
プレイヤーが監督としてやらなければならないのは何かというと、各選手が機能するクラブを作り上げることです。
練習メニューは、大きくわけてフォーメーションの熟練度や連携を重点的に高めるものと、選手のコンディションを重点的に高めるものの2種類あり、選手の能力を伸ばすものはありません。選手の「成長」はあるが、「育成」はないのです。
『WET』のおもしろさとは何なのでしょう。それはさまざまな戦術設定により、自分の嗜好するスタイルでサッカーを楽しむことができることです。それでは、その戦術設定の内容を紹介してみます。
・フォーメーション
現実ではなかなかやりにくいフォーメーションも作ることができます。ただし、FWは1人以上4人まで。MFは2人以上6人まで。DFは2人以上5人までなので、 極端なフォーメーションを作ると、超攻撃的な2-4-4、中盤を無視した5-2-3と4-2-4、超守備的な5-4-1が作成可能です。各ポジションの位置も設定できるので、フォーメーションをイジるだけでも楽しいものがあります。超攻撃的な2-4-4というフォーメーションで果たして戦えるのか、興味があれば試してみてください。私は試しました。無謀でしたね。
・チーム指示
ゾーンプレス、ワンタッチパスなど、各項目が「なし」も含めた1〜10の11段階、攻守レベルや攻撃の展開方向は3段階で設定できます。たとえばバックライン10、ゾーンプレス10、カウンターなしという設定をすると、中盤が非常にコンパクトになり、支配を意識した戦術となります。各項目の設定値の組み合せによって、「プレスアタック型」や「ラッシュ支配型」など戦術名が変わるので、設定をいろいろ試して戦術型を探してみるといいでしょう。ちなみに、私が現在使っているのは「06ジャパン型」。「03ジャパン型」ってのもあります。
・個人指示
各ポジションの攻撃・守備意識やプレイスタイルなどを設定できます。FWのプレイスタイルにはポストプレイ、飛びだし、チェイシング、シュート、ヘディングなどがあり、選手ごとに各プレイスタイルの能力が違います。ガンバ大阪のマグロンには当然ヘディングを指示するわけですね。ポストタイプのFWより、飛び出しタイプのFWが活躍する傾向にありますが…。ワールドユースで活躍している横浜Fの坂田大輔は、オススメです。横浜Fサポならぜひ。
・コンビネーション
練習していくと、さまざまなコンビネーションを覚えていき、これを設定していれば試合で自動的に発動します。各コンビネーションには熟練度があり、これを高めればコンビネーションの成功率が上がる……わけではなさそうです。コンビネーションに参加する選手(選べません。発動ごとに変わります)の能力(パス精度や連携とか)も関係するので、あまりあてにはできません。
これらの設定により試合展開がどうなるか、ということを思考錯誤するのが『WET』の楽しみ方です。最初はいろいろとイジってみたくなると思いますが、実はイジりたおすと逆効果だったりします。でも、このイジりが楽しいことは確かです。
●ドリームチームは可能なのか?
スカウトリストに登場する選手は、年ごとにある程度決められているような感じがします。それにJリーグに所属している選手は、「獲得するのは不可能に近い」というコメントが出るとまず獲得できません。海外クラブの選手は、リストアップされない限りどうしようもないので、自分の好きな選手を集めたドリームチームを作るのは難しいといえます。また、年始の新人リストには、日本を代表するかつての名プレイヤーがモデルとなっている選手が登場するので、そちらを獲得していけば確実に戦力の底上げをすることができます。そして、自クラブの選手が引退すると、ユースに若返って登場します。
つまり、戦力の補強は簡単に行えますが、他クラブ(海外含む)に所属している目当ての選手を確実に獲得できる方法はないということです。「戦術のif」は十分楽しめるが、「チーム構成のif」を楽しむ要素は少ないと思います。
ただこれは、あの有名なサッカーSLGに比べれば…という話です。私の場合、積極的に補強はしないで、ガンバ生えぬき(ユース出身とか)の選手を優先して
使ったりしているので、楽しみ方は人それぞれでしょう。『WET』は、あのサッカーSLGで得られる欲求とは、別のベクトルに向かっていると思ってください。
●サッカーというものを感じさせる試合シーン
さすがに『WE』のエンジンを使っているだけあって、試合シーンはまともなサッカーをします。ゲームスピードは短縮モードから5倍速モード、カメラアングルはTV、真上など、いくつかのアングルで観戦することができます。プレイヤーは試合中に選手に指示することはできません。タイムをとれば、選手交代やあらかじめ設定していたチーム・選手指示を修正することができますが、試合中は見ることしかできないのです。で、これが結構楽しいととともに、スペースやポジショニングの大切さを教えてくれます。そしてもうひとつ。足の遅い選手は、使いにくい…。元々『WE』はスピード能力が高い選手が重宝されたりするので、その点も受け継がれているのです。さて、短縮モードや5倍速モードで、さっさと試合をすっとばしてもいいのですが、それでは試合状況がわかりにくいので、誰が機能して誰が機能していないのか、どこにスペースができているのかという詳細がわかりません。試合を見ることにより、ポジションの修正やプレイスタイルの変更を行うことが監督としての役目なのです。
それにしても、明らかに格下のチームに苦戦することがやたら多いと思います。圧倒的に支配率で上回って楽勝と思えたのに、突然逆襲を受けて防戦一方…。そんな時間帯があるので、格下相手だと思ってナメてかからないように。
●監督としての偉業を求めて
『WET』のやりこみ要素は、全30個もの偉業リストを達成することです。その偉業の内容は、同一年にリーグ戦、ナビスコ杯、ジャパン杯を制する「三冠王者」、1試合に両チームともに得点が3点以上で、かつ勝利する「ノーガード戦法」、リーグ戦で負けなしの「不敗神話」などがあります。スタメン全員の年齢が22歳以下の「U22」なんてのもあり、これってU22の代表監督になってもOKです。結局、7年ほどプレイして19個ほど達成しましたが、これをすべて達成するとどうなるかは不明です。偉業の条件もよくわからないし…。
まぁ、とにかく、これも楽しみのひとつであるといえるでしょう。
●『WET』は、あくまでもシミュレーターである
そんなわけで総論なのですが、おそらく、プレイしはじめて十数時間はめちゃくちゃ楽しいと思います。でも、年数がたてばたつほど、自分のプレイがマンネリ化してくることがあります。ある程度フォーメーションやスタメンが固定してしまうと、ゲーム開始当初のイジる楽しみがなくなり、試合を見るだけに陥ってしまうことがあるのです。そうなると、自分から『WET』の楽しみ方を見つけていかないとヤバイです。
『WET』は、サッカーのシミュレーターです。
このポジションにこういう選手を配置して、戦術をこんな設定にしたらどうなるのか? そうした問題提起ができれば、長く楽しめると思います。私の場合、マンネリ化が始まった頃に、ドイツの某闘将を獲得し、DFに配置しました。するとこの選手は、DFでありながら、常に前線に攻め上がっていくため、ディフェンスラインが崩壊してしまいました。ある時なんて、カウンターで左サイドを突破してクロスを上げると、ゴール前に飛び込んでいたのがFWではなくこの闘将。DFがFWを追い越してどうする!? で、この闘将をチームバランスが破綻しないように機能させるにはどうしたらいいかと思考錯誤する毎日。使えない(使いにくい)選手を切って捨てることは簡単です。いくら能力が高くてもチームとして機能しないことがあるため、それを解消するにはどうしたらいいのか? 『WET』は、こんなことを考えながらプレイすると、より一層楽しめると思います。
……で、結局、例の闘将をどうしたかというと、OMFで使ってます。それまで使っていた某有名選手よりも司令塔しまくって、いい感じですね。でも逆に試合はつまらなくなりました。一心不乱に後方からオーバーラップしてゴールを演出し、相手が攻め込んでくると他の誰よりも早くゴール前から猛然と戻ってくる彼はとても輝いていました。おかげですぐヘバってたけど…。
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(C)2003 KONAMI & Konami Computer Entertainment Tokyo
| レビュアー紹介 |
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HAL
『サカつく2002』編集部対抗戦、『それ監』メディア対抗戦というサッカーSLGの2つの大会を制した育成マニア。「実験」から導き出された独自の育成理論を持っているらしいが、誰に聞かれても「ゲルマン魂注入」とか「システムは505で中盤を省略」「簡単だから適当にやれば勝てる」などと言い放ち、その理論をまったく公表していない。「最終的には、運ですよ」「全国レベルでは私なんてゴミみたいなもんです」というコメントも多く、実は理論なんて持っていないというウワサもチラホラ。
●好きなゲーム
『サカつく』シリーズ
『それなら君が代表監督』
『ゴールFH』 |
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