SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『スターフォックスアドベンチャー』 レビュアー KK@

名作STG『スターフォックス』がA・AVGになって登場!
予想を上回るボリュームでやり込み要素も満載!!(3,746文字)


●ジャンル変更でシリーズの新たな可能性を示した
ファンも驚きの『スターフォックス』シリーズ最新作!!


 スーパーファミコンで衝撃のデビューを果たし、ニンテンドウ64でより完成度を高めた名作『スターフォックス』シリーズの最新作が、いよいよゲームキューブに登場しました。当時としては画期的だった3Dポリゴン(←今でこそ当たり前の技術ですが)STGとしてスタートしたシリーズですが、今回は『ゼルダの伝説』風のアクションAVGとなっており、やや意外に感じているファンの方も多いのではないでしょうか? もっとも、大まかな見た目や雰囲気こそ『ゼルダの伝説』に似ていますが、その内容は大きく異なっており、新なシステムの採用や丁寧に作りこまれた世界観によって、アクションAVGに新境地を切り開いたといっても過言ではないでしょう。また、数あるミニゲーム(特殊イベント)の1つですが、愛機アーウィン号を操縦しての本格的なシューティングシーンも用意されており、シリーズのファンには嬉しいサービスとなっています。

『スーパーマリオ』シリーズや『ゼルダの伝説』シリーズと比べると、地味な印象は否定できない本作ですが、これらの作品に劣らない"大作"と言って恥ずかしくない完成度に仕上がっていると思います。また、これまでのシリーズとはジャンルが大きく変わったこともあり、なかには敬遠している従来のファンもいるかもしれませんが、ぜひ1度コントローラーを手にとって、プレイしてみることをオススメします。  では、新たに生まれ変わった『スターフォックスアドベンチャー』の魅力を紹介していきたいと思います。

●コンビネーションアタックで敵を一掃!
新要素「棒術アクション」を使いこなせ!


 本作は、宇宙をまたにかけて活躍する遊撃隊「フォックスチーム」のリーダー・フォックスとなって冒険するアクションAVG。凶暴なシャープクロウ軍に制圧された恐竜たちの惑星・ダイナソープラネットを舞台に、惑星の平和を取り戻すために戦うことになります。冒険の拠点となるソンテイルの里をはじめ、ダークアイス鉱山やクラウド城、クラゾア宮殿などのフィールドは3Dで構成されている。プレイヤーはフォックスを操作して、多彩なアクションやアイテムを使い、さまざまな謎や仕掛けををクリアしていきます。

 今回のウリは、なんといっても「クリスタルスタッフ」を使ったフォックスの棒術アクションでしょう。本作の戦闘は1対1で敵と戦うアクションバトルとなっており、フィールド上でスタッフを構えた状態で敵に接近すると、戦闘シーンに移行します。アクションバトルといっても、Aボタンを連打するだけで簡単にコンボ(連続攻撃)が成立するので、タイミングにさえ注意すればアクションゲームの初心者でも簡単に勝つことができます。といっても底が浅いわけではなく、攻撃中に方向スティックや回避ボタン(Xボタン)を操作することで、特殊なコンビネーションアタックを発動させることが可能です。

 このコンビネーションアタックの種類は豊富で、でたらめにボタンを押すだけでも、さまざまな攻撃を発動させることができます。慣れれば華麗な連続攻撃で、敵の反撃を受けずに撃破することも可能に! 単に攻撃ボタンを連打するだけでもある程度はゲームを進めることが可能なので、本作の戦闘を単調なものと誤解している人も多いと思いますが、このコンビネーションアタックを使いこなすことで、戦闘はかなり奥深いものになります。いろいろ試して、どんな攻撃が発動するか探してみるのも楽しみの1つといえるでしょう。本作には撃破スコアなどは存在しませんが、コンビネーションアタックで敵を倒せばHPを回復できる「エナジーナッツ」などを落とすので、いかにこのコンビネーションアタックを使いこなすかが攻略のカギとなります。

●フィールド上には手ごわいトラップや仕掛けが満載!
シューティングステージも登場するので前作のファンは要チェック!!


 もう一つの特長として、アイテムや魔法などのコマンドを1つにまとめた「Cスティックメニュー」があります。これは、「アイテム」・「魔法」・「トリッキーコマンド」の3つのコマンド群をまとめたもので、戦闘中や怪しい場所を調べるときに威力を発揮します。コマンドを使えるポイントでは目印となるアイコンが表示されるので、すかさずCスティックメニューで最適なコマンドを選択してみましょう。

 少し変わった要素として「トリッキーコマンド」の存在が挙げられます。トリッキーとはフォックスに助けられて行動を共にするようになったアソーカ族の王子で、彼を仲間にすれば、地面を掘ったり壁を崩したりして冒険を助けてくれます。これらのトリッキーコマンドを使うためには、トリッキーの好物である青キノコが必要なので、青キノコのストックは欠かせません。また、イタズラ好きで好奇心旺盛なトリッキーのキャラクターもポイントが高く、イベントなどでその迷活躍ぶり(?)が楽しめると思います。

 一部にどうすればいいかわかりにくい場面も見受けられましたが、それほど難しい謎はなく、しかも状況に応じて「コミュニケーター」で仲間たちから適切なアドバイスを受けることができるため、ゲームを進めるうえで迷うことはまずないと思います。あまり簡単だと不満を感じてしまう上級プレイヤーの人は、隠された仕掛けを発動させてすべてのアイテムなどを集めるのは至難の技なので、コンプリートを目指してプレイするのがオススメ。「魔人のメダル」や「メイズ」といったやり込み要素も充実しているので、これらも含めてクリアしようとすると、かなり手ごわいゲームに早変わりすると思います。

 エリアからエリアへ移動するときは、アーウィン号を使ったシューティングシーンに移行します。これは敵機の攻撃を回避しつつ、既定数のリングをくぐるという内容で、これだけでもSTGだった前作に負けない充実度を誇っています。これをクリアしなければ先のステージには進めないので、気合を入れて挑戦したいところ。もちろんパワーアップアイテムやボムといった要素も健在なので、シリーズのファンは昔鍛えたテクニックの見せどころですね。

 これ以外にもホバーバイクでのチェイスや、翼竜に乗ってのシューティングステージ、お金(スカラベ)を賭けたミニゲームなど、お楽しみ要素が充実しているのも嬉しいポイント。総プレイ時間は30〜40時間という大ボリュームで、より深く極めようとすれば、さらに時間をかけて楽しむことができます。

●なんとフォックスの毛並みの1本1本まで表現!
既存のゲームとは一線を画する美しいグラフィック


 また、グラフィックの美しさも特筆すべき項目の1つでしょう。スーパーファミコン、ニンテンドウ64で発売されていた前作はもちろん、その他のゲームキューブソフトと比べても段違いのクオリティを誇るので、他人のプレイを横で見ているだけでも楽しめるほどです。とくに注目したいのが、主人公・フォックスの毛並みの"フサフサ感"。これはぜひゲームをプレイして、自分の目で確かめてみてください。また、ダイナソープラネットの自然をリアルに再現した背景グラフィックも必見! 靄がかった洞窟内の風景や、色とりどりの植物や花、波打って流れる水の表現など、ゲームキューブの性能を惜しみなく発揮した美しい映像を楽しめると思います。

 また、主要なイベントや会話にはムービーが挿入され、物語を盛り上げてくれます。短いものを含めれば、ムービーの総数は400本を越えるので、ハリウッド映画顔負けのドラマティックな演出や展開が楽しめます。

●任天堂ハードでは最後(?)のレア社作品となる
『スターフォックスアドベンチャー』をぜひ体験してみよう!!


 本作には『ゼルダの伝説』ほどの自由度はありませんが、そのぶん練りこまれたシナリオや演出、仕掛けなどを楽しむことができます。また、フォックスや新キャラのクリスタル、トリッキーといった登場人物たちも魅力的で、彼らの繰り広げるユニークな会話やイベントシーンも必見といえるでしょう。

 ボリュームが満点であるだけでなく、とにかく作り込みが丁寧で、『スターフォックス』シリーズはもちろん、アクションAVG初心者でも安心して楽しめる作品に仕上がっています。従来のファンやゲームキューブユーザーだけでなく、ゲームキューブを持っていない人も、この機会にあわせて購入してみてはいかがでしょうか?

 余談ですが、この『スターフォックスアドベンチャー』や『スーパードンキーコング(SFC)』を任天堂と共同開発したイギリスのレア社の株式が、任天堂から米マイクロソフトに売却されました(9月24日のニュース記事を参照)。これによって任天堂とレア社の資本関係が解消されました。丁寧でクオリティの高い作品作りに定評があった同社だけに、任天堂ファンにとっては残念なニュースですが、今後はXboxで発売されるであろうレア社の作品に期待したいと思います。とはいえ、これらのタイトルはもともと任天堂が作っていたタイトルなので、今後もシリーズとして続いていくと思われます。こちらの動きからも決して目が離せませんね!



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レビュアー紹介
KK@
 電撃プレイステーションで活躍するクレイジーライター。趣味は大作RPGラスボス前での放置プレイ。「ピエトロ王子とにゃんこのためなら死ねる!」と言い放つ男らしさを持つ。

●好きなゲーム
『ロックマンエグゼ』
『ポポロクロイス物語』シリーズ
『どこでもいっしょ』
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