SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『スペースチャンネル5 part2』 レビュアー 4ギラ


やっぱり『スペチャン』は世界一"ハッピー"なゲームだった!
(3,947文字)

●ホントは文章では伝わらない『スペチャン』の魅力
 自分はゲーム誌で仕事をしている関係上、これまで数々のゲームを「こんな作品ですよー」と誌面で紹介してきたわけですが、そんななかで、どうしても「文章や画面写真だけでは作品の魅力を十分に伝えきれない」という作品に出会ってしまうことがあります。とくに「コントローラの操作と画面がばっちりシンクロする快感」や「なんだか説明できないけど映像と音楽が醸し出す雰囲気がスゴイ」といった"感覚的"なゲームほど、文章で「こんなシステムで〜」「こんなストーリーで〜」と解説しても、その作品の魅力を1ミリ程度しか伝えることができなかったりします。しかも、そういうゲームに限って、スゴくおもしろかったり、斬新な作品だったりするのが困りもの。で、この『スペースチャンネル5』シリーズが、まさにそんなゲームの1つだったりするわけです。
 なので、本当はこんな文章を読むより、「とにかくプレイしてくれ! 話はそれからだ!」と言いたいわけですが、さすがにそれではレビューにならないので、なんとか自分の拙い言葉で、この作品を解説していきましょう。

●前作=シリーズ共通の楽しさ
 まず今回の『part2』について説明する前に、2年前に発売された前作『スペースチャンネル5』との出会いから。最初にこの作品に触れたのは、発売の約半年前のこと。ゲーム雑誌のスタッフは通常、発売前のサンプルROMをメーカーさんに見せてもらう機会が多いのですが、この作品についても、まだまだ開発途中の段階のものを見ることができました。そのときの『スペチャン』は、まだ背景グラフィックすらなく、「敵の踊りを記憶し、同じ操作をマネして踊り返す」というゲームの基本のみがわかるもの。ですがそんな画面ですら、パッと見たときに「なんだかスゴく楽しそうだぞこりゃ」という期待がムクムクと沸き上がってきたのを覚えてます。そしてその後、完成したゲームをプレイした感想は……
「こりゃ、とてつもなくバカなゲームだ! そして凄まじくおもしろい!」
 ……という言葉に尽きました。とにかく「主人公のうららが踊ると、なぜか敵を倒して人々を救出、そして助けた人々がバックダンサーとして踊りまくる」というシュールな設定、レトロなんだけど新しさを感じさせる音楽、そして敵であるモロ星人をはじめとするポップなキャラクターたちなど、あらゆる意味で"突き抜けた"感覚が衝撃的でした。さらに自分が一番好感を持ったのは、音楽をモチーフにした他のゲームに比べ、最も「ノリ」を重視していること。『スペチャン』では、「ここでこのボタンを押せ」というタイミングを表示するバーなどは、画面に一切登場しません。よって頼りになるのは、相手の踊りを覚える記憶力と、自らのリズム感のみ。ですが操作が簡単(使用するのは方向キーと2つのボタンだけ)なこともあり、慣れるとキャラの踊りや音楽にぴったりシンクロしてプレイすることができます。このゲーム性&世界観がマッチして、個人的にはその後、「オレ的音楽ゲームNo.1」の座はこの『スペースチャンネル5』がずっと占めることとなりました。今回の『part2』が登場するまでは。

●そして『part2』は極上のミュージカルに!!
 ということで今回の『part2』ですが、ゲームシステムの基本は前作と変わりません。前作の続きとなる(ただし『part2』が初プレイでも問題なし)ストーリーも、敵がモロ星人から「踊り団」に変わっていますが、「踊らされた人々を救出し、最後に黒幕を倒す」という基本は同じです。では何が違うかというと、最大のポイントは「ミュージカルになっちゃってる!」ということでしょう。今回の『part2』はゲームの随所に「歌」が採用され、これが『スペチャン』ならではのノリを数倍もアップさせています。映画好きの人ならば、『SFの世界観で女の子が主人公の「ムトゥ 踊るマハラジャ」』または『よりポップでキュートになった「ロッキー・ホラー・ショー」』とでもいえば、その雰囲気が少しはわかってもらえるでしょうか? しかも歌だけでなくギターやドラムなどの楽器を演奏する要素も入っていたり、踊りのモーションも前作より遙かにグレードアップしていたりと、そのゴージャスさと至福感はただ事じゃありません。また、ゲーム全体のボリュームも、前作の4ステージから6ステージにアップ。ちなみに途中のステージの展開がスゴク盛り上がり、「ここでラストかな?」と思ったら、その後スゴイ展開になってビックリしました。まあ、それでもプレイヤーのなかには、RPGやA・AVGと比較して「プレイ時間が短い」と感じる人もいるでしょう。ですがこのゲーム、慣れれば慣れるほど何回も遊びたくなる作品です。踊りに成功するたびにアップするシチョーリツを100%にしたり(今回は前作と違い、隠されたポイントでボタンを押さないと、100%にはなりません)、登場キャラの異なる再放送(2周目)をプレイしたりと、ぜひ繰り返しプレイしてほしいですね。


●おまけ要素も前作に比べて超充実!
 ちなみにやり込み要素はゲーム本編だけじゃなく、さまざまなところに盛り込まれています。その最たるものが、「うららダンスモード」でしょう。これは連続100問の踊りを間違えずにクリアするというものですが、とにかく緊張感ありまくりです。具体的な内容は伏せますが、途中から爆笑の展開になるのもポイント。また今回は、本編やこの「うららダンスモード」をやり込んでいくと、数十種類にも及ぶうららの新たな衣装やアイテム(マイクの代わりに持つもの)をゲットできます。場合によっては、おばあさんの姿になって長ネギを持って踊りまくることも可能です。また前作にもあった「ナカマズカン(救出したキャラなどのプロフィールを見るモード)」もあるので、全キャラのコンプリートを目指すのもいいでしょう。またこの「ナカマズカン」をこまめに見ると、隠し要素のヒントが現れたりするので見逃さないように(ちなみにこのモードで、ゲーム全般に関わる究極の隠しコマンドを発見できることがありますが、クリアする前に試すのはオススメしません。ゲームを存分に楽しみたいなら、必ず2周目までクリアした後に試してみてください)。

●ゲームの中の「記号」を超越した、うららの魅力
 と、ここまでゲームの内容についてイロイロと書いてきましたが、ほかに『スペチャン』シリーズを語るうえで欠かせないのが、主人公・うららの魅力でしょう。
 ぶっちゃけた話、ゲームのキャラクターというのは、突き詰めると「記号」であるといえます。そしてプレイヤーはストーリーに沿って、その「記号」にさまざまな想いを付加していくことになります。ですからたとえ同じゲームの同じキャラクターでも、プレイヤーごとに違ったキャラクター像があるといえるでしょう。もちろんそれはゲームキャラの持つ魅力の1つだと思いますが、ちょっとゲームに対してスレた見方をしてしまう自分などは、特定のプレイヤー層を過剰に意識した「記号」の場合、ちょっと食傷気味に感じてしまうのも確かです。一方、『スペチャン』の場合はというと、"うらら"というキャラクターの個性、生き生きとした存在感は、「記号」というにはあまりにも際立ちすぎています。リポーターにしては素人っぽいけど(失礼!)どこかヘンでカワイイしゃべり方、そしてあの躍動感にあふれた踊りは、いわゆるゲームのキャラを超えたインパクトを持っているといえるでしょう。多くのプレイヤーが、ほかのゲームキャラとは色合いの違う好感を彼女に対して持つのは、そんな「記号性を意識させない存在感」ゆえのことではないでしょうか?
 あ、ちなみに本作のキャラクターでうららと共に忘れちゃならないのが、スペースマイケル(マイケル・ジャクソン本人が声を担当!)。ちょっとしか登場しなかった前作とは違い、今回は「チャンネル5」の局長となって、特有のシャウトも踊りもたっぷり堪能できます。彼の存在感については言わずもがな、といったところでしょうか(笑)。

●プレイヤーへのアドバイス、そして次回作への要望
 そんなわけで個人的には、できるだけ多くの人にプレイしてほしい作品なわけですが、とにかくノリとリズム感が重要なゲームだけに、プレイヤーのなかには「どうしても特定の部分でミスをしてしまう……」という人もいるはず。そんな人は、ぜひ「音のボリュームを上げる」「入力のアタマが遅くならないように注意する」「セリフのリズムだけでなく、BGMのリズムを体で感じる」という3つのポイントを心がけてみてください。実際、自分も最初に「クリアする!」と気負っていたときは何回もゲームオーバーになりましたが、リラックスしてBGMのリズムを感じるようになったら、とたんにカンタンにクリアできるようになりました。
 さて、最後に次回作への要望を1つ。『part2』では前作に比べてグラフィック面での変化がさほどありませんでしたが、ぜひ次はさらにポップでゴージャスな進化を遂げてほしいですね。もちろん単にリアルにするのではなく、『スペチャン』ならではのイメージを「やりすぎ」になるまでぎゅんぎゅん突き詰めてほしいです。
 とはいえ、この『part2』が、現在楽しめる究極の『スペチャン』であることは確か。これほどプレイ後にハッピーになれるゲームはそうありません。「ストイックなゲームしか認めない」「音楽にまったく興味ない」という人以外なら、絶対にプレイしてみてほしい作品です。もちろん前作を気に入っているのにまだプレイしていないという人は、とっとと買ってしまいましょう。



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Original Game (C)SEGA, 1999
(C)UGA/SEGA, 2001


レビュアー紹介
4ギラ
 電撃PS編集部員。会社が大好きなのかどうか定かではないが、いつも会社にいる。攻略記事を作らせたら右に出る者はいないということ以外、何も知られていない。”彼は大喰いだ”との情報もあるが、それは見たまんまだから信憑性に欠ける。人を見かけで判断してはいけない。なんのこっちゃ。

●好きなゲーム
『デスピリア』
『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』
『バーチャファイター4』
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