SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『サクラ大戦〜熱き血潮に〜』 レビュアー サクラ覇王 アニアキ

初代『サクラ大戦』を"スーパーリメイク"
シリーズのファンも再度楽しめます。(4,494文字)


 このPS2版『サクラ大戦 〜熱き血潮に〜』はシリーズ最新作となりますが、物語はシリーズ原点となる初代『サクラ大戦』のものです。スタッフが「初めて『サクラ大戦』に触れるPS2ユーザーを意識し……」と言っていた通り、まだシリーズ作品をプレイしたことがないPS2版ユーザーのための『サクラ大戦』であり、そしてこれまでシリーズをプレイしてきたユーザーにとっては、……なんだろう? 次回作品『サクラ大戦5』へのつなぎとしてとりあえずプレイしとけ? PS2版で生まれ変わった『サクラ』を見ろ!? ……と、物語の結末を知っているファンには、やっぱりこんな感じになるんでしょうか。大筋の物語はやはり同じですからね。でも今回は新規PS2版ユーザーだけでなく、シリーズのファンも楽しめるように趣向が凝らされており、ゲームシステムが大幅に改良されています。(総合プロデューサーの)広井王子氏曰く「スーパーリメイク」です。では、ここからはどこがどう変わったのかを、各要素に注目してレビューしていきます。

 ちなみに『サクラ大戦』をプレイしたことがないというユーザーのため、まずは簡単な作品紹介&レビューから始めます。全シリーズプレイ済みというファンは、飛ばし読みしてください。


●『サクラ大戦』はアニメ好きの喜ぶツボを押さえた王道的作品
  (※未経験者向け)
『サクラ大戦』は、蒸気科学が発展し、一部で魔術を信仰する架空の時代"太正"が舞台。物語は、帝都を守るために結成された"帝国華撃団・花組"の日常や魔との戦いが描かれます。そしてゲームは、主題歌のあるオープニングにはじまり、「第〜話」のタイトル表示、"花組"の日常を描くAVGパート、アイキャッチ、敵と戦闘するSLGパート、次回予告という流れで、TVアニメを意識した作りとなっているのが特徴です。このアニメというのがひとつのキーワード。綿密に描かれた舞台背景に、魅力的なヒロイン、そしてアニメ好きには外せない要素であろう"戦隊もの"という要素も相まって、人気のあるアニメ番組(←とりあえずジャンルは無視)に負けず劣らずの内容です。主人公が二足のわらじをはいているという設定の物語って、基本的に人気ありますよね。『サクラ大戦』もそのひとつで、普段は大帝国劇場で舞台公演を行い、帝都の人々に夢を与える"歌劇団"、そして帝都を脅かす存在が現れた時は、帝都を守るために戦う"華撃団"として活躍するわけです。しかも主人公(プレイヤー)以外の隊員は、すべて10代の乙女たち。この設定が気にいった人や興味のある人なら、まず楽しめる作品です。ゲームシステムはAVGとSLGの2パートありますが、AVGパートでは選択肢の成否に関わらず話が進みますし、SLGパートは敷居が低く設定されているので、誰でも簡単に物語を楽しめます。もちろんゲームとしても。ちなみに自分は、細かいゲームシステム云々ではなく、これらが理由でこのゲームに心奪われました。つまりはこの世界観に惹かれたわけですよ。未経験者なら知る由もないところですが、PS2版は当時(SS版&DC版)の作品から改良に改良を重ねているだけに、より遊びやすくなっています。マルチストーリー&マルチエンディングですが、深いことを考えずに、ただプレイしてクリアするだけでも十分楽しむことができます。『サクラ大戦』未経験者で、これらの設定に興味を持った人は、ぜひ1度プレイしてみてください。ちなみにこれで『サクラ大戦』が気に入った人は、TVアニメやOVA、劇場版、歌謡ショウなどを見れば、よりこの世界のことが理解できるようになると思います。

●良くも悪くも元祖『サクラ大戦』。
 やっぱり物語の展開&結末は同じです。

 ここからは、シリーズのファンが気になる各要素を簡単にレビューしていきます。SS版&DC版をプレイした人も、やっぱりこのPS2版はプレイしてしまうはず。『5』の発売が決定しているだけに、PS2版の『サクラ大戦』はどう進化したのか? と今後の『サクラ』シリーズをプレイするのであれば気になる部分が多数ありますからね。要はシステム面のチェックみたいな。すでに物語の内容がわかっているファンは、そういう気持ちでプレイすることになると思います。やはり全体的な物語の構成に変わりはないし、物語の結末はもちろん同じです。とは言え、グラフィックがフルスクリーンになったことや、戦闘服へ着替えるシーン、光武出撃のシーンといったムービーが新たに作り直されているなど、見所は実にたくさんあります。特にこれから下で説明するAVGのシステムが今回の魅力。ファンには嬉しい仕様へと変わっていますよ。

<アドベンチャーパート>
●いい意味で期待を裏切ってくれたAVGパート。
 これなら再度楽しめます。

 今回PS2版のAVGパートは、大帝国劇場を移動する際にどこでイベントが発生するのかを表示してくれます。ここで発生させるイベントは継続するものも多く、1人のヒロインを追いかけるという意味では、非常に遊びやすいものになっています。例えば前話で発生させたイベントと同じ場所に"イベント発生マーク"が表示されていたら、内容が次のステップに進むというような感じ。
 また、これ以外にも『3』の時のように移動中にイベントが発生(イベントキャッチ)する場合もあります。もちろん、これらのイベントは時間帯によって変化するので、いろいろな楽しみ方ができるのではないかと。特に今回はかすみ、由里、椿の三人娘にも信頼度があり、これまでのシリーズにはない大小さまざまなイベントが豊富に用意されているので、ファンはこれだけでも遊ぶ価値アリです。


●とにかく多かった「アクションLIPS」。
 かなり奥が深いLIPSでした。
 今回もイベント中には、普通の時限式選択肢「通常LIPS」をはじめ、「タイミングLIPS」「アナログLIPS」「アクションLIPS」「ダブルLIPS」「クリックLIPS」が用意されています。
「アクションLIPS」はPS2版で初登場となるLIPSですが、これが非常に楽しめました。内容は中央に表示されたコマンドを制限時間内に入力するというものですが、これはミニゲーム的感覚で遊べました。というか今回のPS2版には、単体でミニゲームが一種類しか用意されていないので、この「アクションLIPS」がミニゲームを補うような感じになっているのかな、と思います。「LIPS」の半分くらいが「アクションLIPS」だった気がするほど多かったし……。で、「アクションLIPS」は成功させればOK、というわけではないのがポイント。アイリスのとあるイベントで発生した「アクションLIPS」にはまんまとだまされましたよ。とにかく「アクションLIPS」はお楽しみ要素満載です。
 ちなみに今回は選択肢や「LIPS」のそれぞれの項目に、大神の表情が表示されるようになっています。選択肢を選ぶ際の大神の気持ちが顕著に現れているので、注目してみてください。


●ミニゲームは「サクラ大戦ケイタイクラブ」で!
 先にPS2版ではミニゲームが一種類しか用意されていないと言いましたが、初代『サクラ大戦』に収録されていた他のミニゲームは、「サクラ大戦ケイタイクラブ」で遊ぶことができます。これは、物語をサクサクと進ませたい人にとってはうれしい仕様だと思います。すでに遊んだことがある人には無理にプレイさせない作り。
 ミニゲームはあるにこしたことはなかったですが、個人的には「アクションLIPS」で十分でした。ちなみに自分は物語を純粋に楽しみたい派です。サクサクと進められるゲーム性に、ほんのり感動いたしました。


<シミュレーション(戦闘)パート>
●シリーズ最新作をベースにしたSLGパート。
 細かいながら嬉しい改良です。

 シリーズプレイ済みのファンには説明不要のARMSを採用したシミュレーションパートです。移動する際と視点の見づらさに若干の煩わしさを感じますが、それ以外は至って良好。1戦闘が30分〜1時間くらいの適度なボリュームなので、サクサクと戦闘を進められます。戦闘を早く終わらせたい自分(←くどいですが、純粋に物語を楽しみたい派です)にとっては、程よい長さでした。短すぎても中途半端ですからね。難易度が低めなため、多少行動にミスがあっても光武が破壊されるという致命的な結果には陥りにくく、SLGをもっと楽しみたいという人には少々物足りないかとも思われます。

●AVGパートの行動が大きく影響するシステム"大神隊長度"
 SLGパートが始まる前のアイキャッチ画面で、大神隊長の称号が表示されます。この称号は3種類用意されていて、大神隊長は称号にあわせた必殺攻撃が使えます。今まで1つの敵に対しての必殺攻撃しかなかったので、このシステムはありがたかったです。AVGパートの行動がどう影響されるかはプレイしてからのお楽しみですが、広範囲に攻撃できる必殺攻撃など、状況によっては大神隊長機の使い勝手が非常によかったなぁ。元々使える機体でしたが、このシステムにより、かなり戦闘が楽になったように感じられます。

●違和感なく挿入された2つの新エピソード。
 この要素がファンには大きな魅力
 PS2版は、全10話だった前『サクラ大戦』に2話分のエピソードが新たに追加されています。この2つのエピソードは物語の途中に挿入されていますが、物語の進行に違和感を感じさせませんでした。「物言わぬ友よ」では紅蘭と光武、「神は舞い降りた」ではサブキャラたちを中心に物語が展開します。
 「物言わぬ友よ」は、紅蘭がこれまで見せなかった一面を見られるということで、紅蘭ファンは必見の物語です。
 ちなみに薔薇組と加山は残念ながら登場しませんでしたよ。加山と大神の馴れ合いは結構好きだったんですが、今回は見られませんでした(涙)。とりあえず、両エピソードともまったく新しい要素なので、ファンはこれだけでも楽しめます。ええ、物語を楽しみたい派である自分の率直な指摘ですけどね。

<総評>
●やっぱり『サクラ大戦』は楽しい!

 アドベンチャーゲームのリメイクとは言え、システム面に手を加えたことで新鮮な気持ちでプレイできました。作品自体の完成度が非常に高い『サクラ大戦』ですので、まだプレイしていない人はもちろん、上記に書いたようにシリーズのファンも通じて楽しめるはずです。
 新鮮な驚きこそなかったですが、やっぱり『サクラ大戦』は楽しいなぁということを、PS2版をプレイして改めて認識しました。これから『サクラ大戦』のプラットフォームとなる記念すべき第1作目ということで、気持ちを新たにプレイしてみるのもいいんじゃないでしょうか。っていうかプレイすべき?
 今回は7年前のゲームのリメイク作品ですが、これからの『サクラ大戦』はすべて新作。どんどん遊びやすく進化しているだけに、『サクラ大戦5』も非常に楽しみなところです。ちなみに同梱されるDVDには『サクラ大戦5』の情報もあるとか。これもファンには見逃せない要素ですね。



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Original Game (C)SEGA (C)RED
(C)OVERWORKS/SEGA, 2003


レビュアー紹介
サクラ覇王 アニアキ
「まず初めに言っておきたいことがひとつ。私のPNである"サクラ覇王"はサクラのすべてを知り尽くしているからではありません。ただ『サクラ』が好きということで某編集者さんに付けられただけなのです。つまり『サクラ』ファンの1人。そのことだけは覚えておいてください。」
 そんな自他共に認める『サクラ』ファンのアニアキ氏は、ソフト発売に合わせて催される数々のイベントにウハウハ。喜々として取材に出かける様に、公私混同疑惑が持ち上がっている。(疑惑じゃなくて真実だし。)

好きなソフト
『サクラ大戦』シリーズ
『バーチャファイター』シリーズ

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