SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『ルーマニア#203』 レビュアー いぐどん

告「オフ会はダンボールをかぶってするモノって、このゲームではじめて知りました。」(3,887文字)

 つくづく自分の才能のなさに嫌気がさすことがあります。それはどんな時かと言うと、ゲームに関わらず、小説や映画、演劇、音楽など、素晴らしい作品に出逢った時です。「世の中には、こんな素晴らしい物を考えられる、生み出せる、作れる人がいるんだなぁ。それに引き換え、オイラにはメガドライブ以外に取り得が……シクシク(涙)」ってな具合に。それで、この『ルーマニア#203』(以下、国の名前っぽくなるけど『ルーマニア』とします)もその1本だったりするわけなんですが、正直、最初は「変なゲームが出たなぁ」程度にしか思っていませんでした。ですが、プレイ後の感想は「最高、言うことなしです! 感動した。新作早く遊びたい!!」のひとこと。はっきり言って、このひとことでレビューはおしまいです。ぜひ「最高!」の言葉にだまされたと思って遊んで下さい…といきたいところなんですが、「それじゃ、どこがイイだかわかんねぇよー」と言われちゃいますし、それ以前に電撃オンライン編集部員の○○○さんに○○○されてしまいます。○○○されるのはイヤなので、『ルーマニア』の魅力について、つらつらと語っていきたいと思います。ただ実際、何の予備知識もなく遊ぶ方が新鮮に楽しめ、断然オススメです。興味のある人は読まない方がいいかも。

●レビュー#01「内容は語れませんが、シナリオについて」
『ルーマニア』は、神様になってネジ・タイヘイという大学生の生活をのぞくという変なゲーム。ただし、ジーっとのぞいているのではなく、いろいろなイタズラをすることができ、そのイタズラによって、ネジの平々凡々な人生は、ドラマチックな人生へと昇華していきます……。それで、このドラマチックにネジの人生を昇華させていく過程というか…お話(ゲームの中ではシナリオと呼びます)が、ズバリ『ルーマニア』の魅力!! 全部で4つのシナリオが収録されていますが、笑いあり、涙あり、SFあり、ファンタジーありお色気…これはありませんが、とにかくどれも面白いです。ただ、ここでは内容については一切語りません。これに関しては体験してのお楽しみということで。シナリオを語ってしまったら、ある意味『ルーマニア』は、特殊な思い入れがないと、それでおしまいにもなってしまうので……。感動必至!! ぜひ体験あれ。下手な映画より絶対に面白いから!! このオイラのわかりやすいプッシュだけで、ご理解のほどを。ちなみに4本中、2本が非現実的な話で、もう2本は比較的現実的で、実際に起こりそうな話です。そう考えると、普段何気なく送っている日常も、実はドラマチックだったりするのかなぁなんて考えっちゃったりします。まさに「現実は小説より奇なり」といったところ。あぁ、オイラの『ルーマニア』には、隣に彼女はいるのだろうか……。

●レビュー#02「演出に関する、話だったりしちゃいます。」
 オイラはお笑いが大好きなんですが、お笑いがわかってこればくるほど、"間"の大切さを痛感させられます。極端な話、同じギャグでも1秒"間"をおいてツッコむか、2秒"間"をおいてツッコむかで笑いの量に差が出てきたりします。当然、笑いという感情だけでなく、悲しいとか、楽しいといった感情にも当てはまり、感情の揺れは"間"で随分と変わってきます。それでこの『ルーマニア』なんですが、この"間"が絶妙!! 1つ1つの登場人物のやりとりが絶妙の"間"の上になりたっていて、ネジをはじめとした登場人物の一挙手一投足が感情を刺激しまくり。シナリオをより芳醇な物にしています。日常の細かいしぐさを含め、動作の1つ1つが自然で、よくここまで調節したなぁと頭が下がります。そして、ここでもう1つ見逃せないのが、3Dでキャラを表現しているという点。これがもしテキストタイプのAVGだったら、キャラの表情はグラフィックの切り替え、しかもテキストはプレイヤーの任意で読み進めるため、間もへったくれもない。いくら微妙な間を「三点リーダー(…←これね)」で表現したところで限界がある。正直、『ルーマニア』をテキストAVGにしたら、それなりには面白いとは思うんですけど、ここまで心動かされる作品にはならなかったかと。あと、これはシステムをうまく利用しているなぁとうなったのが、行間の読ませ方。プレイ中、登場人物同士が話している途中でも「終」と表示されると、のぞきは強制的に終わり、話は先に進みます。当然。その間の話は(ネジの日記をのぞくことである程度はわかりますが)語られません。通常のAVGだと、行間を読ませたいのはよくわかるんですけどが、話が急に終わると不自然さや違和感を感じることが多かったのに対し、『ルーマニア』の場合は「終」でのぞき終了というゲームシステムを逆手にとって、その辺りを非常にうまく(言い方が悪いですけど)ごまかしていて、話に純粋かつ自然に楽しめる。これらの演出は比較的細かいことで、どうでもいいことと言えばいいんですけど、シナリオの完成度やプレイヤーの感情移入をグッと高めていることは確かだと思います。

●レビュー#03「耳にうれしい、サウンドがいっぱい。」
『ルーマニア』の制作は、"ウェーブマスター"という会社。これは元セガのサウンドチームの人々が集まって作った会社で、当然サウンドが大の得意。ということで、サウンド面に関しては、かなりこだわってます。効果音なんかは、ラジオのスイッチ(…と言えば、ウェーブマスター制作のPS2ソフト『SWITCH(スイッチ)』が8月29日に発売されます。こちらも要プレイ!!)を入れる音、パソコンのマウスをクリックする音、さらにネジがタバコの灰を灰皿に落とす音、そして一番驚いたのが、玄関のドアを開けると外のザワザワという喧騒がうっすらと聞こえてくるという点。何もここまで作らんでも…といったところに効果音があるので、意外な音に驚くと思います。あとBGM以外に、いくつかヴォーカルの付いた曲が入ってまして、ネジが大好きという設定の"セラニポージ"という女性アーティスト。彼女の曲をネジがCDを聴くという形で、ゲーム中聴くことができます。音楽のことはからっきしなので、ポップでナウな(←これは違うか)とかわかりませんが、どの曲もとにかく聴いていて気持ちいい、必聴です。これはCD(1STアルバム「manamoon」)にもなっているので、そちらも要チェック!! また、聴き逃せないのがラジオ。ここからも曲が流れてくるのだが、これがインディーズで実際に活躍されているという方々の曲というから驚き。しかも一部の曲は、この『ルーマニア』のために書き下ろされたモノもあるとか。普段なかなか聴くことのできない曲なので、ぜひ耳を傾けてみては? かなりの曲が入っているので、きっと気に入る曲があるはず。個人的には、日本では発売中止になったドリームキャスト用ソフト『MSR(メトロポリスレーサー)』の曲が入っているのに感激しました。この曲をバックに新宿の街を走ったのをついつい思い出しました……(遠い目)。ちなみに余談。"セラニポージ"のヴォーカルは「CECIL(セシル)」というユニットの"ゆきち"さんという方が担当されています。先日「CECIL Meets ROOMMANIA#203」と題して、そのCECILのインストアライブが行われ、電撃オンラインでもニュース(8月8日)として紹介されています。興味のある人は、ぜひご覧下さい…って、4枚目の写真にオイラが写ってるよ!

●レビュー#04「まとめ、最後にいろいろと。」
 天才小学生ハッカーや謎の祈祷師、かくれんぼ大好きお嬢様といった個性的な登場人物。シナリオごとに部屋の小物が変わるという細部のこだわり。実際に楽しめるテレビやラジオのCMや番組。ちょっとへんてこな3つのミニゲーム…などなど語りだしたら、その魅力はキリがありません。正直、オイラのチープな言葉で語るよりもプレイしてもらった方が、その魅力を十二分に実感できると思います。ただ、1つだけ言いたいのが、物語を3Dのキャラに演じさせ、楽しませる。そして、ただ物語を見せるだけでなく、その中にゲーム性(既存のテキストAVGのゲームオーバーにならないように分岐を進むといったモノではなく)もきっちり持たせている。ある意味、物語を楽しませる=テキストAVGという常識を打ち破った歴史的な作品だと思います。ただ実は不満が1つあって、青年男子としては、野郎じゃなくて女の子の部屋がのぞけたらなぁ……。看護婦寮とか、学生の女子寮とかを胸躍るような秘密の花園を舞台に、そこに住む女子たちの人生をドラマチックに昇天…もとい昇華させまくる。題して『乳(にゅうと読ませて、新しいのニューにかけてます)ルーマニア ポロリ性(中略というか自粛)…といったように、21世紀のゲーム業界をリードするような作品になると思います。話は少し脱線してしまいましたが、最後に。『ルーマニア』はPS2版だけでなく、DCでも出ています。ミニゲームなどがありませんが、シナリオの内容的には変わりませんので、ただ遊ぶだけであればDC版でもいいと思います。ただ、新作はPS2だけでしか発売されません。なんか、データの互換がどーとかこーとかいうウワサを耳にしていますので、新作を隅々まで遊んでみたいという人は、PS2版を買った方がいいと思います。あとDCで遊びつくして、「オレは『ルーマニア』マニアだ!!」という人で、PS2版を買ってない人は買った方がいいかも。


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レビュアー紹介
いぐどん
 メガドライブのソフト全タイトルを所有している、かなり偏ったゲームライター。そんなワケなので、トレジャーとかが大好き。なんか、見た目にも人とはちょっと違った変な人。


●好きなソフト
『セヴンスクロス』
『ジェットセットラジオ』
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