SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『SEGA AGES2500 Vol.1
ファンタシースター generetion:1』
レビュアー HAL

15年以上の歳月を経て復活した名作RPG『ファンタシースター』
オリジナル版と比較して徹底検証!(3,995文字)


 かつて"PS"と言えば『PHANTASY STAR』だった……と言う人がいるかもしれない。でも、私の周りでは『FF』のように『PS』と略さず、いつしか『ファンタ』と呼んでいました。『ファンタ』が登場したのは、『ドラクエII』が発売された1987年の年末。当時のことについては、すでに数々の記事で書き古されたことなので、あまり深くは書きませんが、私にとっては『ドラクエ』や『FF』以上にさまざまな「トラウマ」を生み出したRPGだったりします。プラットフォームがセガのハードということで、タイトルを知っていてもプレイしていない人も多く、最近では『PSO(ファンタシースター オンライン)』によって、世間的にも多くのユーザーにその名を知られるようになりましたが、アレは別物ですからね。
 そんなわけで、『PSO』から入ったユーザーが、シリーズ第1作となるこの作品も楽しめるかと言うとちょっと疑問だったりします。当時の雰囲気をあえて残しているだけに、その古臭さはどうしようもありません。ただし、『ファンタ』シリーズをある程度プレイしていて、移植されたMD版やSS版に手を出したものの、そのあまりの難易度に投げ出してしまった人にはオススメかもしれません。また、ストーリーはほぼそのままですが数々のアレンジが施されているので、コアなファンもプレイしてみるといろいろな発見があると思います。それでは、どんなアレンジがされているのか、ということをメインに進めていきましょう。
 なお、当時のMARK-III・マスターシステム版をここでは「オリジナル」と表記しています。


●シリーズ原点としてのキャラ&ストーリー 
『ファンタ』シリーズは、アルゴル太陽系を舞台にしたストーリーで、4作目の『千年紀の終わりに』で完結します。ストーリーとしては『I』→『II』→『千年紀』と続き、『III』は外伝的なものとして位置付けられています。なお、「セガエイジス2500シリーズ」では、『II』と『千年紀』は今後のラインナップとして発表されていますが、『III』は予定されていません。やはり、セガにとっても(ファンにとっても)『III』はトラウマなんでしょうか?
 さて、本作の主人公は、15歳の少女アリサ。アルゴル太陽系第一惑星パルマの国王であるラ・シークに兄を殺され、その復讐のために立ち上がるといった話で、別に神に選ばれた勇者ではありません。確かに「実はアリサって○○だった」というありがちな秘密も明かされますが、兄の敵討ちが結果的に世界を救ってしまうというストーリーです。そして、アリサの仲間になるのは、戦士のタイロン、ジャコウネコのミャウ、エスパーのルツで、この4人パーティで進むことになります。
 以降の作品でも、タイロンの子孫や、ルツ自身が登場したり、ミャウに関してはネコミミのヒロインとして受け継がれたり、『I』のキャラクターがシリーズに与えた影響ははかりしれません。敵キャラクターにしても、ボスのダークファルス(「闇を生み出す者」。一説には「男根」という意味もあるらしい)はシリーズ皆勤賞で『PSO』にも登場したし、ラ・シークは『千年紀』で……。それに、モタビア星に住むモタビアン、デゾリス星に住むデゾリアンなど、アルゴル太陽系という「箱庭」の中で彼らが生き、しっかりと歴史が作られていくことで、シリーズとして各作品との密接なリンクが行われていることも『ファンタ』の魅力の1つでしょう。


●あの壮絶な難易度は過去のこと
「オリジナル」では、難易度のバランスが破綻しておりまして、スタート直後のアリサはモンスターフライ(最も弱い敵)一匹にも苦戦するほどでした。モンスターフライを一匹倒したら街に戻ってHPを回復してセーブ…。モンスターフライが2匹出現したら、ヘタすりゃ死ぬのでリセット…。こんなことを当時は繰り返してレベルを上げていたわけです。ところが、今回はアリサが1人でいる間は、モンスターも1匹しか登場しないし、かなり弱いのでサクサク進みます。
 また、「オリジナル」では、街の近くの海辺に行くと悪名高いシャーキンが出現。戦おうものならあっさり殺されて、「序盤に海辺には近寄るな」という鉄則があったものでしたが、今回のシャーキンはもっと先のエリアで出現します。戦闘の難易度は「ヌルめ」になっているので、これは夢のバランスといえるでしょう。しかし、モタビア星に行く頃になると、徐々に難易度が上がりはじめ、デゾリス星では序盤の難易度がウソのように凶悪になります。凶悪といっても、最初に比べて…という意味で、ましてや「オリジナル」ほどではありません。
 そして、今回はレベルがゴリゴリと上がりやすく、デゾリス星のダンジョンをさまよっているだけでレベルが5つも上昇したりします。「オリジナル」はレベルの上限が30でしたが、今回はそれ以上にレベル(ちなみに私のクリアレベルは73)が上がるため、戦闘では逃げないできっちり戦っていれば、それだけ確実にパーティが強くなっていくわけです。
 というのも、「オリジナル」では「戦闘から逃げる」ということが攻略法の1つで、ルツの最強武器であるサイコウォンドは戦うための武器ではなく、戦闘で確実に(一部例外あり)逃げるための道具であり、これを使うことで極悪な敵から逃げまくっていたものでした。でも、今回は状況が違います。サイコウォンドは終盤にならないと入手できないし、しかも道具効果も異なるため、戦闘で確実に逃げるためには、アリサのマジックを使うしかないのです。ある意味「逃げなくてもなんとかなるバランス」と言えるかもしれません。
 と、いいつつ私は当時のクセ(エンカウント率も高いし)で逃げまくってしまいましたけどね。


●追加要素でこんなにラクに! 
 フレエリクリスタルやヒールクリスタルなど、マジックの効果を持つクリスタルをアクセサリーとして2つまで装備できます。これにより、マジックが使えないタイロンも装備すればヒールなどが使えるようになります。また、クリスタルは装備するだけでも効果があり、フレエリクリスタルは武器にフレエリ(炎)の属性がつき、またヒールクリスタルは戦闘時に毎ターン(装備者の攻撃後)、自動的にHPが少し回復するというスグレモノです。ただし、クリスタルによるマジックを使うとクリスタルが壊れることがあるので注意が必要です。そして、クリスタルと武器の組み合わせによっては、とてつもない威力のマジックが使えるのですが、使うとほぼ確実にクリスタルが壊れるため、これはボス戦のみ使った方がいいでしょうね。各クリスタルはわりと高価なのですが、中盤以降はメセタ(『ファンタ』の通貨)が余り、お金には困らなくなるので、資金的にはなんの問題もなく購入できると思います。
 とにかく、クリスタルの装備は、お忘れなく。また、オートマッピングの効果があるアトラスというアイテムは、ダンジョン内を100歩進むまで有効です。各キャラは16個までアイテムが持てるので、ダンジョン探索の前にはいくつか購入しておくことをオススメします。隠し通路も表示されますから、便利ですよ。


●攻略に不可欠な相談コマンド
 パーティ内で会話して次になすべきことを教えてくれる「相談コマンド」。実はこれ、今回かなり重要なものとなっています。というのも、ストーリーは「オリジナル」とほぼ同じとはいえ、アイテムの入手経路が異なるため、攻略手順は「オリジナル」と少し違います。
 私の場合、ストーリーがわかっていたために、序盤はまったく「相談コマンド」を使わなかったのですが、あるときまったく先に進めなくなってしまいました。実は「相談コマンド」がストーリーを進めるためのフラグになっているのです。なので、「オリジナル」をプレイした人ほど、忘れずに「相談コマンド」を使ってください。


●2,500円でサクッと遊ぶにはちょうどイイ
「オリジナル」をプレイした人には、その違いが楽しめると思います。では、ここで「オリジナル」との違いをまとめてみましょう。
・キャラデザインや性格が多少異なる…相談コマンドのせいか、各キャラともしゃべりすぎ。
・難易度がやさしい…戦闘バランスはヌルヌル。ストーリー進行も相談コマンドでサクサク。メセタ(お金)もガッポリ。レベルはゴリゴリとアップ。
・モンスターと話せない…ちょっと不満です。
・モンスターが弱い…「オリジナル」をプレイした人にとってのトラウマといえるキングオブモンスター「マンモス」がそれほど強くない。
・モンスターのアクションが違う…グールの「ゲロ」とか…。
・装備品やアイテムが増加…ルツがスライサーを使えたり、ミャウの装備品も増えた。クリスタル系のアクセサリーで、戦闘がラク。
・アイテムの効果が違う…なんといってもサイコウォンドの効果が違ってるし。
・アイテムの入手経路が違う…各ダンジョン専用のカギを集めなければならなくなった。ミャウの武器であるシルバータスクも意外な場所で入手。
・オートマッピング可能…アイテムのアトラスを使えばOK。
・BGMがう〜ん…アレンジのせいか迫力不足。ちなみにあるアイテムでサウンドテスト可。
 まぁ、こんなところでしょうか。目新しさはありませんが、経験値稼ぎも必要なくサクサク進めるところはなんともいい感じです。
「オリジナル」を知らない人には、『ファンタ』の歴史の第1章としてプレイしてみるといいでしょう。確かに古臭いものがあるのでオススメはしませんが、これに続く『II』と『千年紀』に興味があればどうぞ…。ちなみに私のクリアタイムは約30時間です。「オリジナル」を知らなければ、もっと時間がかかると思うので、少なくとも2,500円分は遊べると思うし、『PSO』とは違う『ファンタ』の世界に触れてみてください。



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Original Game (C)SEGA
(C)SEGA / 3D-AGES 2003

レビュアー紹介
HAL
 なぜか編集部内で誰もあまりやっていないようなゲームをコツコツと一心不乱に盛んに寝ないで1日中延々とプレイしている姿をよく見かける。「洋ゲーは酔うのが多いから…」と、洋ゲーマニアではないと言っているが、「好きなメーカーは、ミッドウェイとEA」ってどういうことよ。他にも独自の育成理論を持つ育成マニアだったりする謎な人。

好きなゲーム
『つくろう』シリーズ
『峠MAX』シリーズ
『プリンセスクラウン』

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