|
タイトル
|
プロ野球チームをつくろう!3
|
レビュアー
|
ショウスケ |
プロ野球のファンが求めていた
理想の“プロ野球”がココにある!!(6,117文字)
昨年、近鉄バッファローズとオリックスブルーウェーブの合併を発端に、突如巻き起こった“球界編成”問題。結局、1つの球団が消滅して、東北に新チームが誕生……というカタチで事態は収まったわけだけど、プロ野球の存続がかかったこの一大事に肝を冷やしたのはプロ野球関係者と、野球ゲームを開発している人たちだったんじゃないかな。今回レビューする『プロ野球チームをつくろう!3(以下、やきゅつく3)』も、そんな球界再編問題の影響を受けた作品の1つ。正直、プレイするまでは「プロ野球界のゴタゴタもあったことだし、前作の『プロ野球チームをつくろう!2003』と同じように、データ系とかを変えただけなんじゃない?」と思っていたんだけど、実際に触ってみたら衝撃が走った。「ヤバい! 仕事じゃなくて趣味でやりたい」とゲームEDのオイラが本気で思ったほど。球界再編っていう逆境をうまい具合に昇華させてゲーム内へ盛り込んでいたり、プレイヤーをゲームに介入させる工夫がいたるところに用意されている点もGOOD! オイラ的には、『つくろう』シリーズNo.1のデキと思えるこのゲーム。その魅力を、さっそく下で紹介していきましょ。
●前作から大幅にパワーアップした「経営」
〜出張依頼&経営企画編〜
「経営」と一口にいっても、施設の設置から資金の獲得まで複数の要素が詰め込まれているんだけど、今回の経営で1番目をひいたのが、経営コンサルタントに経営のアイデアを出してもらう「出張依頼」と「経営企画」。簡単に説明すると、出張依頼でアイデアメモなるカードを集め、経営企画で集めたアイデアメモを使用して球団の利益を上げていく、という感じ。
アイデアメモの種類は全部で68種類。「意外に少ないから、楽にコンプリートできそう」と楽観視していたけど、獲得できるアイデアメモはランダムで出現するうえ、日本国内にアメリカ、中国、南アフリカといった出張先に応じて、ある程度出現するモノが決まっているらしい。現在、12年目までプレイし終えたところで、集めたアイデアメモの枚数は49枚。……コンプリートするには、まだまだ時間がかかりそうです(泣)。だけど、このなんともいえないヤキモキ感がやっていて楽しいんだよね。やっぱり、簡単にコンプリートできたら興味も薄まると思うし。「ほかにも持ってこれるアイデアメモがあるだろ!?」とか、思いながらプレイするのも一興かと。それにしても、オイラの経営コンサルタント、本当に会員カードが好きなんだな(笑)。
アイデアメモを集めたら、お次は経営企画の出番。使用するアイデアメモやアイデアメモの組み合わせに応じて、「ソーラー発電機設置」や「ゴルフデー開催」などの企画が発生する。このアイデアメモの組み合わせってところがミソで、特定のアイデアメモの組み合わせでしか発生しない企画があるんですよ。実際にプレイしている最中も、経営コンサルタントの彼のコメントが変わるから、「あっコレ重要なんだな」とひと目でわかる。こういう、攻略本とかを持っていない人にもわかりやすく伝える工夫が、プレイヤーにとってはうれしいんだよね。だけど、海外アカデミーとの提携まで経営企画に組み込まれているなんてねえ。しかも、あんなアイデアメモで発生するなんて想像できないよ(笑)。そうそう、このゲームをプレイしている人に組み合わせのコツというか、ヒントをひとつ。ダジャレ的な組み合わせも用意されているみたい。この情報は信憑性が高いんです。なんたって、開発プロデューサーの瀬川隆哉さんとディレクターの馬場保仁さんから聞いた情報だから(笑)。
●前作から大幅にパワーアップした「経営」
〜ホームタウン編〜
施設や球場といった項目は今までのシリーズにもあったけど、『やきゅつく3』には新たに「ホームタウン」という項目が追加されている。これがまた、いい味を出しているんですわ。『サカつく』にもホームタウンというか、スタジアム周辺の環境が発展していく様を見ることができたけど。あれの超豪華版といった感じ。5×5マスの箱庭が用意されていて、このマスのなかに建物とかが建っていく。上で紹介した経営企画がこれに深〜くかかわっていて、経営企画の実行→街のパラメータ(経済、環境、スポーツなどの5項目)に影響→パラメータに関係する建物の建設、といった感じになってます。建物にはレベルがあって、それが上昇していくことで新しい建物に成長したり、隣接した建物同士の条件が整うと合併してさらにレベルの高い1つの建物になったり。ちょっとした『シムシティ』気分が味わえるというか、「街を大きくしてやるゼ!」というやる気が満ち満ちていくわけですよ。でも、建設される建物はランダムで置かれるんですわ(苦笑)。上でいっていた「ヤキモキ感」再び!です。ムダな行動を少なくしたいやり込み派の人は「えー」と思うかもしれないけど、試しに作ってみなさいって。自然と作りこんだ街に愛着が湧いてくるから。そうそう、経営企画で「飛行場建設署名運動」や「駅誘致署名運動」を発生させると、街のなかに飛行場や駅ができるよ。とくに電車の愛くるしい動きっぷりに注目デス。
●前作から大幅にパワーアップした「経営」
〜そのほか編〜
「そのほか」というまとめ方をしているけど、今までのシリーズにあった練習場や球場の施設建設とか、イベントのことについて。練習場については、項目が多く増えたなぁと。それだけ、選手の能力に影響を与える育成効果の項目が限定されてきたのかな、と感じます。球場のほうはというと、球場内に設置できる施設(設置するためのスペースも設定されてます)に「球場満足度」や「球場清潔度」なる効果が設定されていて、これが観客の集客率に多少なりとも影響を与えているんですよ。ウチの球場はまだドームにはなっていない(た、高すぎだよ、ママン……。っていうぐらい高いです)んだけど、観客満足度に関係するであろう施設をたんまり導入してます。それでも、ウチの球場にやってくる観客は満足度に不満があるらしいんですよ。これは、グッズショップと売店のスペースを削って、託児所を作りやがれ! というメッセージなんでしょうか(血涙)。少しでもグッズ収入とかくれてもいいじゃないか! ウチの客め〜。イベントのほうは、めぐり合う回数が少なくてあまり深くは突っ込めないんだけど、入るのかな〜と思っていたイベントに遭遇。ネーミングライツ、やっぱりあったー! 球場名をほかのスポンサーに貸し出して資金を得るという、アレ(西武のインボイス球場とか東北楽天のフルキャストスタジアムとか)ですよ。5年間で20億円の資金はオイシー!!
●今回の「人事」、なんかスゴイことになってます
「人事」、つまりは選手の獲得とか放出、年俸などのお話ですね。人事で1番最初に気になったのは、新人選手やFA選手などを獲得する際のプロセスを再現したシステム。日程進行時に表示されるマス内に描かれた絵を見ていると、「携帯電話で選手の情報を収集するのかな? これは学校訪問かな?」とイロイロ想像できて楽しいですよ。また、マス内に止まると選手から逆に質問を受ける立場になるのも、非常にイイ。今までのシリーズでは、シーズン終了後はドラフト会議が行われるまでの期間は、ただ単にプレイ(極端にいうと、日程進行をポチポチと押すだけ)していたんだけど、このシステムによってその期間も選手の情報を確認したり、新しい選手を発見したりとやることがいっぱい。やっぱり、どんな状況になってもゲームに介入できるという、この感じはプレイヤーにとってはうれしいな。あと、選手を捜してくるスカウトにも「スキル」なる新要素が追加されていて、これがすんごく気になるわけですよ。「あ、このスカウトは交渉力と調査力は低いけど、北信越東海地区は得意なんだ。確か、狙っているOB選手の出身地は……」とか。ちなみに、このスキルは全部で40種類。「光学ズーム」や「張り込み」、「大学生の友達」などなど、おもしろいネーミングのスキルが多くて「これどんな効果があるんだろう」と、手を出したくなる。でもね、スタッフを交代できるのが年末の時だけになっちゃったから、1度いいスカウトを獲得しちゃうとなかなか他のスカウトに切り替える勇気がなくなっちゃうんだよねぇ。
もう1つ気になったのが、トレードを選択するときに表示される他球団との球団友好度なるパラメータ。球団再編問題のときにスポーツニュースを見ていた人ならわかると思うけど、「堤オーナーと渡辺オーナー(ともに当時)が仲良く話をしている。清原も巨人に行ったし、両球団の関係もいいのかな〜」とか想像しませんでした? 少なくともオイラは思った。だから、このパラメータを見た時に、選手獲得時の交渉がしやすくなったり、レギュレーション会議の時に密約を結びやすくなったりするんじゃないの? とかイロイロな妄想がブワァーっと広がったんですよ。まぁ、実際には選手獲得の交渉がしやすくなるだけのようですが、ね……(あくまでもプレイ中に感じたことなんで、実際はスゴイ仕掛けが用意されているかも)。そうそう、友好度は年数を重ねると、徐々に上昇するみたい。だけどオイラ、このパラメータの本当の上げ方って知らないんだよね(←オイッ!)。誰か教えてくれないかな〜。
●選手「育成」では、キャンプの要素が大幅にパワーアップ!
キャンプでのグラフィックが一新されたことも、スゴク目をひいたけど、練習メニューの充実さには非常に驚いた。「SAQトレーニング」とか「高負荷筋トレ」とかって、『やきゅつく2003』にはなかったんじゃない? あと、投手と野手それぞれの選手をA、B、C組と分けたり、キャンプの期間が第1クールから第6クールまでに区切られたのも実際のプロ野球っぽくていい感じ。今までのシリーズだと、同じ練習メニューをコピーする手間があったけど、これなら練習先を決定するだけでいいから、ズボラなオイラにとってはありがたいことです。キャンプ場の施設は野手1組、投手1組まで同時に使用することができて、この時に選択した練習方法によっては「コンボ」が発生することも。コンボが成立すると、画面内がピキューンと光るからすぐにわかるところがいいですね。そうそう、今作には蓄積疲労というものがあって、試合に出場させ続けたりすると増えていく。これが増えると選手が怪我しやすくなり、その結果として選手生命が短くなっちゃうこともあるらしい。オイラのチームは毎週こまめに臨時休養を与えているから、ケガ人はほとんどでてないよ。
●今回の「試合」、シリーズ最高のデキなんじゃないかな
瀬川さんと馬場さんが「外角低めのストレートを、TV中継で見る時と同じように再現したい」と言っていた。4歳ぐらいからプロ野球中継を見て(初めて球場に行ったのは、幼稚園のとき。確か対戦カードは日本ハム対ロッテオリオンズ(当時)。日ハムの高橋直樹が投げていたのを覚えているよ)、小、中、高校と野球に携わってきたオイラの目から見ても、遜色なしと思えるデキ。今までのシリーズだと、試合を飛ばす機会が多かったけど(失礼)、今回の試合は本当に見ていて楽しく、思わず手に汗握っちゃうんだよね。この場面、打たれるとマズイとか。
試合に出場する選手には、その選手の個性を表わした「スキル」というものが設定されている。今の10代の子にはわからないだろうけど、屋敷要には「スピードスター」とか江夏豊には「守護神」とか、20代後半から30代、40代の人たちが思わず「うん、うん」とうなずいちゃうほど、しっかりと特徴を捉えているんだよね。でもね、自分が応援している球団の選手に対しては「えー、スキルこれだけ? もっと評価してよ」と思ったり。オイラの場合は、今中慎二に対する評価が低いんじゃないかなーと。球速は154km/hぐらい、スキルは「エースの自覚」が欲しかったな〜。ホント、ケガさえなかったらまだまだ活躍できたと思える選手だったのよ。まあ、ケガ関係でいったら巨人の吉村とかもいるからね……。
特定のスキルを持った選手で1軍を構成し、試合を行うと「チームカラー」なる効果が発生する。これ、攻略資料とかない状態で捜すの本当に苦労した。12年間プレイしていて獲得したチームカラーが「投手王国」1つとは……。だけど苦労して探した成果か、失点率が軒並み下がったような気がする。接戦をものにするのが現・中日ドラゴンズのスタイルだからね。ある意味、イメージどおりに育ってきたのよ、我がチームは。チームカラー1つだけで、これだけハッピーになれるんだから、複数のチームカラーを獲得できたらもっと楽しくなるはず。これからガンバって探しにいってきます。
●そのほかも、イロイロとすんごいよ
シーズン終了後には、ドラフト会議や契約更改などのお約束の要素が用意されています。しかーし、今作には昨年話題になったアレがあるんですよ。そうです、「レギュレーション会議」のことです。当時、球団の消滅だの新球団の設立だので、近年まれにみる驚きを提供してくれたプロ野球。きっと開発陣も球界の動きに右往左往していたと思っていたんですが、何という適応能力! 実際のプロ野球界では具体的な答えが発表されなかったドラフト会議のことや、チーム入れ替えなる驚きの提案が用意されているところは、さすがの一言です! あと、オープニングテーマ曲にも注目! この曲を聴いた瞬間、プロ野球中継が始まる時とか、スポーツニュースのオープニングが頭の中に浮かんだ。しかも、声を良く聴くとどこかで聴いたことがあるような……。よくよく調べてみたら元MR.BIGのヴォーカリスト、エリック・マーティンじゃないか! TMGだけじゃなくてソロとしても活躍しているんだ〜、と思わぬ場所での遭遇に思わず感動! しかも、この曲が本当にカッコイイんですわ。タイトルの「Mr.Baseball」ってところも、ニクイ演出だよねぇ。これCD化とかはされないのかな?
このゲームに携わる際に、開発者の瀬川さんと馬場さんにインタビューすることができたのは、上の文中でもいったけど、この方々本当に野球への嗜好が深いというか、野球が好きという熱意を言葉の端々から感じ取ることができたんですよ。「この人たちが作っているんなら、大丈夫だ」と心底思いましたね。実際にプレイしていたら本当に期待通りのデキ映えで、ゲームしていて久々に心が躍りました。ちなみに、オイラが感動した馬場さんの、いや『やきゅつく』開発陣のアツイ魂の叫び(大げさ)がココに載っているんで、プレイする前に1度読んでおけば、より一層このゲームを楽しむことができると思いますよ。というか、このゲームを作ってくれた『やきゅつく』開発陣に本当に感謝です。あとは、昨年のゴタゴタで離れていってしまったプロ野球ファンの人が、このゲームに触れてくれることを祈るばかり。ホント、このゲームおもしろいからやってみて! って声を大にして言いたい。
|
|

|
レビュアー紹介
|
|
ショウスケ
「スポーツ大好きー。格闘技大好きー。音楽大好きー。ゲームは…、う、うん、好きかもね……」という、ゲームライターとしてはかなりビミョーな存在。
●好きなもの
・オランダ代表【サッカー】
(20年応援してます)
・中日ドラゴンズ【野球】
(17年応援してます)
・globe【音楽】
(小室さんサイコーです)
・Ferry・Corsten【音楽】
(I love dutch trance)
・菅山かおる姫【バレー】
(オイラにとっての癒し系)
●好きなゲーム
『WE』シリーズ
コーエーのSLG
|
|
|
プロ野球チームをつくろう!3
|
|
|
●機種:PS2
●メーカー:セガ
●ジャンル:SLG
●価格:7,140円(税込)
●発売日:2005年7月28日
(C)SEGA, 2005
(社)日本野球機構承認 フランチャイズ13球場公認 NPB BIS プロ野球公式記録使用
※ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2004年シーズン中のデータを基に制作しています。
■ソフト紹介ページ
|
|
|