◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
サモンナイト エクステーゼ 〜夜明けの翼〜
レビュアー
ただ坊

S・RPGからA・RPGへ!
だけど、『サモン』はやっぱり『サモン』なわけで!(3,728文字)

 ども。おかげさまで、召喚獣の手も借りたいくらい忙しいただ坊です。あの人気S・RPG『サモンナイト』シリーズの最新作が、なんとA・RPGとして登場しました。それが、今からココで紹介する『エクステーゼ』なわけですけど、みなさんはもうプレイされましたか? 歴代シリーズをプレイしていればいるほど、アクション要素が強い『エクステーゼ』に戸惑っている人も多いのかなぁ、というのが僕の考えなのですが、いかがでしょう?
 これから書くことは、正直電撃PlayStationなどでも何度も口にしていることなのですが、ここでもやっぱり言っちゃいますね。ということで、まずは一言。シリーズのファンの方、安心してください。『エクステーゼ』もやっぱり、めちゃくちゃ『サモンナイト』してますよ。そして、続けてもう一言。S・RPGは苦手、といった理由で、これまでシリーズをプレイしていない方。今回は爽快感バツグンのアクションです。この『エクステーゼ』から、『サモンナイト』シリーズに入っていくのもアリですよ。なぁ〜んて、ちょっとほめすぎた? いや、そんなことは全然ない! ということで、ここからは『エクステーゼ』の魅力について、バンバン語っていきましょう。


●不思議な物語を盛り上げる、ステキなキャラがいっぱい!
これが『サモンナイト』の魅力ですから!

 シリーズではもはやおなじみとも言えますが、今回もやっぱり物語がいいです。ハードボイルドあり、シリアスあり、コメディあり、ミステリアスあり。そして、なんといっても感動ありと、まさにいたれりつくせりの内容。そしてもちろん、根底にあるものはやっぱり王道ファンタジーだから安心です。そりゃもう、これでもかってくらいに幻想的なわけでして。
 まず、主人公は名前以外の一切の記憶を失っています。そんなのありがちだ、と思う人もいると思いますが、それが王道というものなのです。そして、もちろんそれだけでは終わらないから『エクステーゼ』はおもしろい。なんとこの記憶喪失の主人公は、自分の身体にもうひとつの魂を宿していたりするのですよ。想像してみると、すごい不思議な感覚だと思いますよ、コレは。だって、自分はいったい何者なのか、どうして自分はここにいるのかすらわからないのに、いきなり自分の身体にもう1人の魂が宿っているわけですから。これはファンタスティックでミステリアスな展開だなぁ、などとパニックに陥っている主人公を見ながら思うわけです。ちなみに、『サモンナイト』シリーズの伝統として、主人公は男女好きなほうを選択して遊ぶことができます。
 男主人公の名前はレオン。ぶっきらぼうで不器用で、なおかつ口調もキツかったりするものですから、他人に冷たい男だと誤解されがちですが、じつはハートは温かい、という青年。対する女主人公の名前はエイナ。とってもアクティブな性格で、うじうじと考えているよりもとにかく行動に出る、という前向きさが魅力のオンナのコです。従来の『サモンナイト』ですと、どちらか一方の主人公を選んだら、もう1人の主人公(つまり、男性を選んだら女性の主人公)は登場しませんでした。でも、『エクステーゼ』は違います。もう1人の主人公の魂も同じ身体に宿っているのです。そう、先述した主人公に宿るもう1つの魂とは、プレイヤーが選ばなかった異性の主人公だったりするわけです。これがとっても新鮮! アクション要素のある戦闘シーンでは、この2人の主人公をうまく交代させながら戦うことになるわけで、それが本作の楽しい部分であったりするのですが、こんがらがりそうなので、戦闘の魅力についてはここでは割愛します。
 とにかく、そんな性格から考え方まで、何もかもがまったく異なる2人の主人公が自分たちの記憶を求めて繰り広げる、壮大な冒険が描かれていくわけでして。それはもう、心躍る旅ですよ。最初はコトあるごとにいがみ合っているレオンとエイナですが、苦難を一緒に乗り越えるたびにその絆を深めていき、徐々にお互いに魅かれていく……。そんな彼らの心の交流は、プレイしていてとっても微笑ましいものなんです。いかにも恋愛に奥手そうなレオンと、自分の気持ちを前面に出して相手にぶつかっていくエイナが繰り広げる、ラブストーリー的なドキドキ感。そして、何もかもが未知の世界で展開する、壮大な冒険のワクワク感。このドキドキとワクワクこそが、『エクステーゼ』の魅力だと思います。シリーズおなじみの「夜会話」も、従来のようにたくさんの仲間たちのなかから会話相手を選ぶわけではなく、2人の主人公が心の中で会話する、といったものに変化しました。仲間との夜会話がなくなったことには賛否両論あると思いますが、焦点をレオンとエイナの2人に合わせたぶん、物語がより深く描かれているので、個人的には主人公2人の夜会話というのも悪くないと思っています。実際、『エクステーゼ』のストーリーは、いつにも増して濃密なストーリーが展開していくので、主人公たちへの愛着が沸きやすいとさえ思っています。みなさんはどうでしょうか? もちろん、レオンとエイナの冒険にさまざまなカタチで関わってくるサブキャラたちも、非常にキャラが立っていて魅力的です。敵も味方もどこかミステリアスで、ちょっと謎めいているキャラが多いのがまたいいんですよね。よりシナリオにのめり込めます。
 ちなみに、僕のお気に入りは悪魔族の商人であるルチル嬢。彼女、行く先々で主人公たちをだましてくれたりする小悪魔的な存在なのですが、どこか憎めないというか、逆にそこが魅力的だったりするんですよね。これはルチルに限ったことではありませんが、キャラクターデザイナーのいるも晴章氏が描くほんわかとしたキャラたちは、すごく世界観に合っています。どのキャラも個性的なので、みなさんもきっとお気に入りのキャラが見つかるはずですよ。


●戦闘システムや召喚獣については、大きな変化が加えられた!
 さて、それでは気になる戦闘システムについてですが、これはS・RPGからA・RPGへと生まれ変わっただけあって、大幅に変化しています。操作するのは基本的に主人公2人のみ。レオンとエイナを、戦況に応じてチェンジさせながら戦っていくわけです。2人のキャラ性能はすごく明確に分かれているので、これを使い分けるのが楽しいんですね。レオンは巨大な剣を振り下ろして戦う戦闘スタイルで、攻撃力が高くてリーチも広いのですが、そのぶんこまかい動きは苦手、といったキャラです。エイナの戦闘スタイルは細い剣を振り回すというもので、攻撃のすばやさが持ち味。そのぶん攻撃力は低く、リーチも短めとなっている、といった感じです。この特徴を理解し、うまく使い分けることが、戦闘に勝利する秘けつとなります。基本的にザコ戦はボタンを連打するだけでも勝てたりしますが、ボス戦ともなるとなかなか簡単にはいきません。すばやいボスと戦うときはエイナをメインに、HPや防御力が高い敵と戦うときはレオンをメインに、といった戦い方が大切。なかには、レオンでしかダメージを与えられない敵、逆にエイナでしかダメージを与えられない敵もいたりするので、2人をまんべんなく育てていくことが大事ですね。
 また、シリーズおなじみの召喚獣が、主人公と一緒に戦ってくれるようになったことも大きな変更点。従来のシリーズでは、召喚獣はその場で効果を発揮する魔法的な効果のものが多かったのですが、『エクステーゼ』ではなんと、主人公たちと一緒に戦ってくれる召喚獣もいるんです。召喚獣は、敵を倒したり宝箱の中から入手したり、はたまたイベントなどで手に入れることができる「名前のかけら」を集めることで召喚できます。宝箱を開けるために必要だったり、ステージに仕掛けられたギミックを解くために必要な召喚獣もいたりするので、彼らなしでの冒険など考えられませんよ。


●とりあえず、たくさんの人にプレイしてもらいたい!
 ここまでは、従来の『サモンナイト』シリーズと比較して、『エクステーゼ』はどんなゲームになったのか、という点を中心に書き込んでまいりましたが、イチA・RPGとして考えても、『エクステーゼ』の完成度はかなり高めです。とくに、個性的なキャラクターたちが織り成す感動の物語は、ぜひ多くの人に体験してもらいたいですね。ちなみに気になった点は、謎解き要素がやや難しいこと。というよりも、村人たちに手当たり次第話しかけていかなければ、次に何をすればいいのかわからなくなることが多かったことでしょうか。これは、もう少しヒントを多くしてもらいたかったなぁ、と思ったりもしたのですが、気になったのはそれくらいのものです。とにかく、夢中になってプレイしてましたからね。『サモンナイト』シリーズのファンだけではなく、A・RPGゲームファンにも遊んでもらいたいと思います。そして願わくば、S・RPGの『サモンナイト』シリーズとはまた別に、この『エクステーゼ』もシリーズ化してくれないかなぁ、とさえ思っていたりして。とにかく、たくさんの人にプレイしてもらいたい作品です。興味がある人は、ぜひ遊んでみてくださいね!


 

 


レビュアー紹介

ただ坊
 島本和彦先生のマンガに激しく同調し、映画「ロッキー」を見ては涙するという熱血な部分と、ベストプレイスが「ディズニーランド」という癒し部分を併せ持つ、自称永遠のピーターパン。仕事中に聞くBGMがB’zの時は絶好調なとき、GARNET CROWの時は最高潮のときだと豪語する、へっぽこ三文ライターでもある。

●習得済み精神コマンド
「不屈」「ひらめき」「根性」「熱血」「気合」「魂」(「集中」が欲しい、と本人談)(ついでに「加速」も覚えやがれ、と担当編集談)

●好きなゲーム
『スパロボ』シリーズ
『キングダムハーツ』シリーズ
『KOF』シリーズ


サモンナイト エクステーゼ
〜夜明けの翼〜
●機種:PS2
●メーカー:バンプレスト
●ジャンル:A・RPG
●価格:7,140円(税込)
●発売日:2005年8月4日

(C)FLIGHT-PLAN (C)BANPRESTO 2005

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