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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
マーセナリーズ
レビュアー
スピードジャンキー井上R

西暦20XX年の某国で大暴れ!
任務遂行のためならなんでもアリのミリタリー傭兵ACT!!(5,663文字)

 舞台はなんとクーデターが勃発した西暦20XX年の北朝鮮! さらにその反乱軍が核弾頭を保有していることが発覚!! とまあ、この時期になんともビミョーなストーリー設定のもと、1人の傭兵の戦いが繰り広げられていく『マーセナリーズ』。そんな世界観設定なもんだから、ネタ系のACTなのかなぁ~といぶかしげ(!?)な雰囲気でプレイを始めてみたんだけど……いざ遊んでみると、コレが面白い!! イロモノなストーリー設定がかすむほど、ACTとしての完成度が高いのです。ではさっそく、その魅力の数々を紹介していこう。

●プレイヤーそれぞれの戦い方で遊べる自由度の高さに注目!
 ゲームを始めると、まずプレーヤーは“クリス”、“ジェニファー”、“マティス”という3人の傭兵のなかから、使用するキャラを選択する。女性キャラ萌えの自分は、迷わず“ジェニファー”をチョイス(「萌え」とはほど遠いたくましい女性だが)。でもこの選択によって、のちに苦労することに……。実は各キャラにはそれぞれ特性があって、“ジェニファー”の場合は敵に見つかりにくいものの体力が低く撃たれ弱い、つまり戦闘になると死にやすいキャラだったりするんだな。ちなみに“クリス”は体力が高くてタフ、“マティス”は体力はそこそこに動きがすばやい、という特性を持っている。ゲーム序盤はそれほど気にならなかったけど、終盤になるとけっこうこのキャラ特性の差が大きくなってきて、四苦八苦しながら戦うことに(汗)。というわけで、ACTが苦手な人は、無難に“クリス”を選んでおくことをオススメしたい。
 んで、キャラを決めたらいよいよゲームスタート。上空を飛んでいる飛行機から、ジープに乗ったまま飛び降りて着地! まずは国連軍の司令部に向かうことになる。着地地点から司令部までは、どんなルートで向ってもOK。とにかくたどり着きさえすればいいのだ。道中には反乱軍が道をふさいでたりするんだけど、そこを突っ切るのか、ジープから降りてマシンガンで応戦するのかはプレイヤーの自由。この、目的さえ達成すればそのプロセスはプレイヤーしだいという自由度の高さが、魅力の1つになっている。ゲームが進むと国連軍、中国軍、韓国軍、ロシアンマフィアという4つの勢力から任務を受けられるようになるんだけど、どの任務も、とにかく依頼された目的を果たしさえすれば、報酬がもらえるというわけ。
 ではここで、自由度の高さを物語る各要素を見ていこう。まず1つは、任務遂行の自由度。例えば「反乱軍の基地内に隠れている要人を暗殺せよ」という任務を受けたら、まずロケットランチャー片手に正面から突入して力押しで基地を制圧し、それからゆっくり目的に人物を倒してもいい。あるいは、基地の裏側の丘にぐるりと回り込んで、高い場所からターゲットの人物だけをスナイパーライフルで狙撃するのもスマートな方法だ。それも面倒だったら、費用はかかるものの爆撃要請を出して、基地をじゅうたん爆撃してもらうという手段もアリ。受けた任務をどうクリアしてやろうか、とアレコレ試行錯誤したり、作戦を考えたりするシミュレーション的な面白さが生まれてくるのだ。
 2つめは、武器選択の自由度だ。反乱軍にたった1人で戦うためには、いくら弾薬があっても足りなくなるのは当たり前。そこで、敵兵を倒して武器を奪ったり、乗り物をハイジャックするといったことが可能になっている。ちょっと遠出したいときは、そのへんを走っている一般市民の乗用車を奪って乗り込めばいいし、強力な重火器が必要だったら、敵軍の戦車や装甲車を強奪すればいいわけ。なかでも一番アツイ乗り物がヘリコプター! 空を飛んでるので、なかなか奪えるチャンスは少ないけれど、低空飛行で近づいてきたところをうまく狙えば、ヘリのコックピットに飛び移って、自分のモノにすることが可能だ。奪ったヘリはもちろん、自由に乗り回すことができる。歩きやクルマでは進めない山岳地帯や、守りが厳重な反乱軍の基地にだって、上空から進入できるようになる。そのため、とても重宝する乗り物なんだけど、対空ミサイルが配備されている場所に近づくと、ミサイルをロックオンされて、すぐに撃ち落されてしまうのがツライところ。ゲームが進めば、ショップで手軽に購入できるようにはなるんだけど、それまでは貴重な戦力となる。手に入れたら壊さないよう、大事に大事に使いましょう(笑)。ちなみに主人公は、つねに2種類の武器を携帯して、いつでも持ちかえることが可能。武器の種類は大きく分けて、連射速度の速いマシンガン系、遠くから狙撃が可能なスナイパーライフル、装甲車やヘリを破壊するロケットランチャー(RPG-7、AT-4など)、接近戦に強いショットガンといった4系統がある。自分の戦闘スタイルに合わせて、武器を持ちかえる楽しさもあるのだ。ほかにも手榴弾や閃光弾、C4爆弾などの補助武器も持てる。また、各軍に依頼できる援護射撃には、指定した広い範囲をじゅうたん爆撃してもらうカーペットボムや、精密な爆撃が可能なピンポイントレーザーなど、こちらも豊富な種類が用意されている。こうした援護射撃には多額の費用がかかるが、コンスタントに任務をこなして報酬を受け取っていれば、それほど資金不足に悩むことはないのでご心配なく。それでも所持金が心細くなってきたら、クルマに乗ってタイムアタックをしたり、ちょっとした依頼をこなすことで、おこづかい稼ぎができるし、マップ内に散りばめられた国宝などを拾い集めることで各軍からボーナスがもらえたりするので、地道にコツコツとお金を貯めることも可能だ。
 そして3つめは、マップ移動の自由度。戦場となっているマップが広大で、しかもあらゆる場所に行けるようになっているから面白い。任務中でもちょっと気になる細道を見つけ進んでみたら、反乱軍のヘリポートがあって、ヘリが奪い放題だったりして、意外な掘り出し物があるからたまらない。極端な話、任務そのものをまったく受けずに自由気ままに北朝鮮のマップ内を探索してても遊べるくらい作り込まれているのだ。


●自由度の高さをキュッと引き締める要素の数々が
  絶妙なゲームバランスを実現!

 ここまで書くと、なんでもやりたい放題の大味なゲームに思われてしまうかもしれないが、なかなかどうして。きちんと一定のルールを持ち込むことで、自由度の高さを損なわずに、ゲームとしての完成度をアップさせているのだ。
 その最たるものがゲームをプレイする「目的」だ。最終目標としては、クーデターの張本人であるソン将軍を捕らえることなんだけど、その居場所を突き止めるには反乱軍の幹部たちを捕まえていく必要がある。その数はソン将軍を含めてざっと52人!! 幹部たちは国連軍により「Deck of 52」と名付けられ、国際的な指名手配者として、総額1億ドルという多額の賞金をかけられている。52人というのは、ちょうどトランプの枚数と同じなので、ゲーム中では例えばソン将軍だったら「スペードのエース」というように呼ばれているのだ。で、ゲームは「ジャック編(チャプター1)」「ダイヤ編(チャプター2)」「ハート編(チャプター3)」「スペード編(チャプター4)」という4部構成になっていて、各チャプターのエースを捕まえると、次のチャプターに進めるようになる仕組み。ちなみにトランプの種類が指名手配者のランクを表わしていて、字札(2~10)のカードがザコクラスで、絵札(11~13)が中ボス、そしてエース(1)がそのチャプターのボスというわけ。そして、彼らの捕まえ方も、ランクによって異なっている。ザコクラスの手配者はマップのどこかに潜んでいるだけなので、例えば移動中にたまたま見つけることも多々ある。実際、マップ探索が楽しくてウロウロしてただけなのに偶然にも手配者を見つけて捕らえたことが何度もあったほど。また、いろいろな任務をクリアしていく過程で、どの手配者がどのあたりに潜んでいる、という情報がもらえるので、それを手がかりに探しにいくのも楽しみの1つであり、ついついハマってしまうポイントだ。だが、絵札クラスの指名手配者となると、さすがに中ボスだけあって普通に探すのはムリ。韓国軍、中国軍、ロシアンマフィアの各勢力から、捕縛任務として依頼を受ける必要がある。逆にいうと、わざわざマップ内を探しにいかなくても、任務さえこなしていたらいつかは捕まえられるというわけだ。こうして、そのチャプター内にいる一定数の指名手配者を捕まえると、やがて国連軍からエース捕縛任務を受けられるようになる。その任務をクリアして、無事にエースを捕まえられたら、次のチャプターに進めるようになるのだ。
 こういった仕組みになっているので、プレイヤーによってはすべての指名手配者を捕まえることに燃えたり、とにかく早く先のチャプターに進むために最小限の手配者だけ捕まえてエース捕縛任務を発生させたりと遊び方はさまざま。これがまたステキなゲームバランスになっているのだ。ちなみに指名手配者を捕まえる方法は2種類あって、生け捕りに成功すると賞金がまるまるもらえるんだけど、誤って殺してしまった場合でも、賞金の半額はもらえるようになっている。やっぱり多額の賞金が欲しいからなるべく生け捕りにしようと頑張るんだけど、乱戦になったときに誤って撃ってしまったり、爆風に巻き込んでしまったりして、死なせてしまうこともけっこうアリ(汗)。生け捕りにこだわるなら、よほど慎重に行動しないと難しいかも。ACTが得意な人だったら、ぜひオール生け捕りで手配者52人のコンプリートすることに挑戦してみるべし!


●メリハリの効いた戦闘がプレイヤーを惹きつける!
 52人もの指名手配者を捕まえていく、といった流れだと、フツーなら同じ作業を繰り返していくおつかいプレイになりがちだけど、そこにも本作ならではのひと工夫が盛り込まれている。それが、各チャプターのボス戦的要素となる、エース捕縛任務の存在だ。この任務を受けると、国連軍によって今までのマップとは別の場所にある孤島に連れていかれて、反乱軍だらけのエリアに放り出れてしまうのだ。ジャック編で初めてエース任務を受けたときは、マジでビビったね。右を向いても左を向いても敵だらけの戦場で、どう戦えと! ええ、もう必死で敵を倒しては武器を奪い弾薬を補充して、の繰り返しで、なんとか生き長らえたけど……(涙)。敵地に単身乗り込むエース任務では、基本的に手に汗握る激しい戦闘が展開していくので、ACT好きも納得のかなりアツイ戦いが満喫できるってわけだ。
 もっとも激しかったのは、やはり最終任務となるスペードのエースの捕縛。国連軍の戦車隊と協力して進むんだけど、この国連軍がまた頼りなくて、結局1人で戦うことになって。エースのいる場所に近づけたと思ったら、島にかかっている大きな橋を爆破されて先に進めなくなってガッカリ。まあその場所は、ダメもとでジープに乗って大ジャンプしたら、なんとか飛び越えてられたんだけど……。そんな感じで、トライ&エラーによる激しくもアツイ戦闘が繰り広げられていくのだ。そうそう、その後、スペードのエース戦を何度もやり込んで発見した攻略テクを1つ。ラクにクリアしたいなら、途中にある反乱軍のヘリポートでヘリコプターを奪って、一気にエースのいる場所に向かうパターンがオススメ。ただし各所に対空ミサイルが配備されているので、ミサイルを見つけたら、安全な場所に戻り、1度ヘリを降りてミサイルを破壊しておくことをお忘れなく。
 また、チャプター2のダイヤ編をクリアすると、通常の戦場が北側に移るため、新しいマップでの戦いになる。1つでもかなり広くで探索し尽くすのが大変なのに、それが2つも用意されているから、かなりのボリューム。舞台そのものの移動や孤島に移動するエース戦の導入によって、メリハリのあるゲーム展開が楽しめるので、ワクワクドキドキしながら各任務をこなしていくことができる。ほかにも、反乱軍以外の軍人を撃ってしまうとその軍との友好度が下がって敵対するようになってしまったり、民間人を撃つと多額の罰金を払う必要があったりと、適度なルールが盛り込まれているのも、このゲームを面白くしているスパイスになっていると思う。また、所持金がちょっとだけ減ってしまうものの、任務に失敗してもキャラが死んでしまっても何度でもやり直せるし、ACTが得意ではない人でも、お金を払ってアイテムを購入したり、援護射撃を要請したりすれば、なんだかんだで先に進めるはず。回復アイテムや武器は、マフィアのショップに注文するんだけど、注文すると空から落としてくれるあたり、なんかいかにも戦場にいるんだな~という雰囲気が味わえて、けっこうお気に入り。収録されている武器や乗り物も、どこかで見たことあるようなものばかりなので、ミリタリー系ACTが好きな人にもオススメだ。
 とにかくやれることがいっぱいだったので、クリアするまでにはざっと80時間オーバーという、それこそ大作RPG並みに時間がかかっちゃったけど、激しい戦いの合い間にはのんびりとヘリコプターやスポーツカーに乗ってマップ内を探索したり、衣装をチェンジしてジェニファーをヘソだしルック(!!)にしてみたり、メリハリのあるゲーム展開が楽しめるので、プレイヤーそれぞれのペースで遊べるのもうれしいポイント。ローディング時間がちょっと長めだったり、いろいろな乗り物に乗れるために操作方法がちょっと複雑になっていたりと、人によってはちょっと気になる部分があるかもしれないけど、ハッキリいってそんな不満は微々たるもの。1度プレイしてしまえば、まったく気にならないほど面白いゲームに仕上がっているので、迷っている人は今すぐ遊んでみるべし! 時間(と仕事!?)を忘れてのめり込めむほど楽しめるACTですゼ!!

 

 
画面写真

レビュアー紹介

スピードジャンキー井上R
 電撃FF班「電撃の旅団」に所属する走り屋ライター。キャラの名前は「Fairlady」だ。「30歳になるまでにGT-Rを手に入れる!」という目標を、三十路を迎える4カ月前に無事に達成。せっかくなのでペンネームにもRの文字を冠して、ちょっぴり気分をリフレッシュしてみたようだ。

●好きなゲーム
『峠MAX』シリーズ
『首都高バトル』シリーズ
『グランツーリスモ』シリーズ


シャイニング・フォース ネオ
パッケージ
●機種:PS2
●メーカー:エレクトロニック・アーツ
●ジャンル:ACT
●価格:7,140円(税込)
●発売日:2005年4月28日

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