舞台を日本の戦国時代に移して、
一騎当千の強者たちが無数の敵をなぎ払う!(3,133文字)
●大ヒットシリーズ『真・三國無双』の戦国版
無類の爽快感で多くのファンを魅了してきた『真・三國無双』シリーズ。『3』までは三国志の世界を舞台としていましたが、ついにこの『戦国無双』で戦国時代の日本が描かれることになりました。ゲームシステムの骨子はほぼ『無双』シリーズを踏襲していますが、新たなアクションの追加や、武将の成長システムのリニューアル、城内マップの追加など、各種の新要素が盛り込まれています。しかし、これらの新要素のすべてが、ユーザーを満足させるものであったか、というと必ずしもそうとは言い切れません……。本作が『無双』ファンの中でも賛否両論が出た理由はなんなのか、解説していこうと思います。
●名だたる武将たちが勢ぞろい……?
登場キャラクターは15人。『真・三國無双』シリーズに比べると数が少なく感じるかもしれませんが、真田幸村、服部半蔵、織田信長などなど、戦国時代のファンでなくとも名前を聞いたことがあるであろう、豪華な面々です。『無双』シリーズに欠かせない存在となった女性キャラも、お市、阿国、濃姫、くのいちと4人も登場……。ってくのいちって誰ですか!? そう、ファンの間で最初の物議をかもしたのが、このくのいちでした。固有名詞もないようなキャラ入れるくらいなら、無理して女性キャラ増やそうとしなくてもいいのでは、というのが個人的な感想です。
●成長システムが大幅に変化!
『無双』で武将を成長させる方法は、シナリオ中に敵武将が落とす成長アイテムを拾うことが必要でした。本作では、シナリオクリア時の成績(武将の撃破人数や、クリア時間)に応じて、その項目に対応した能力が上がるようになりました。また、能力アップにともない、技能を修得するためのポイントが入手できます。このポイントを消費することで、各種の技能を会得することが可能となります。どの能力、技能を伸ばしていくか、ある程度プレイヤーが方向を決定できるので、武将の育成にプレイヤーそれぞれの個性が出るようになりました。
これだけみるといいことづくめですが、問題点が1つありました。武将の階級を上げる勲功が上限に達すると、それ以上技能ポイントが獲得できなくなってしまうのです。普通にプレイしていると、技能をすべて会得する前に勲功ポイントがたまってしまうので、最強武将を育成しようと思ったら、かなり特殊な育成をしなければなりません。幸い、ゲームの難易度自体はさほど高くなく、これまでのようにフリーモードで武将を育成しないとクリアできない、ということはないのですが、全武将を鍛え上げるようなやり込み派の人にとってはツライかもしれません。
●敵の本拠地に乗り込む、城内戦が登場!
いままでの戦いはすべて野外戦でしたが、本作では城内(屋内)を戦場とした城内戦マップが追加されました。城のほとんどは5階建てとなっており、プレイヤーはそれぞれの階で敵と戦いながら、先の階に進む階段を見つけていくことになります。これまでにない、新しい趣向の戦いが味わえる、という触れ込みだったのですが……。無限に敵がわいてくるうえに、トラップ満載の迷路のようなマップを、1人きりで延々と歩き回されるのです。敵と戦闘してもメリットがあまりないので、ひたすら敵から逃げ回りつつ階段を探すことになります。
●爽快感はどこへ? バランス調整に難あり
このシリーズの魅力は、群がる敵をなぎ払っていく爽快感と、味方の部隊と協力して敵の大軍を打ち破ったときの達成感にあると思っています。しかし、本作は戦闘のバランスが練り切れていないという印象が強いです。まず最初に、敵の強さの上昇。最初のうちはまさにザコなのですが、プレイヤーの武将が強くなるにつれてパワーアップ。能力がマックスに達した武将で、高い難易度を選択すると、あまりの敵の硬さに驚くことでしょう。
次に、いやらしい攻撃をしてくる敵の増加。代表的なのは突忍をはじめとした各種の忍者軍団です。これらの敵の攻撃は、食らってしまうと大きく吹き飛ばされてしまうことが特徴。さらに起き上がりに攻撃を重ねられ、1度ダウンさせられると、なすすべなくそのまま削り殺されることも珍しくありません(その間操作不能)。注意すれば避けられる攻撃であるなら、食らってしまう自分が悪いとあきらめもつきますが、視界の外から突っ込んでくるので始末に終えない。城内戦でも、突然天井から落下してくる忍者に、何度吹き飛ばされたことか……。歯ごたえがあると、と言いたいところですが、正直難しすぎると思いました。
そして、個人的に最も悲しかったのが、味方部隊の弱さ。前作までは、敵を倒すことはできないまでも、劣勢を強いられつつもなんとか戦線を維持するだけの強さがありました。各地の部隊を救援して自軍の士気を高め、味方部隊と歩調をあわせて敵本陣へ総攻撃をかける、というのがシナリオの基本的な流れ。「合戦に参加している」という感覚が濃厚に味わえたものです。本作では、味方部隊は実にあっさりと撃破されていきます。救おうとしてもほとんどムダかつ意味もないので、敗北条件にいたらない程度に、適度に味方部隊を援護しながらお使いミッションをこなし、最後には単騎で敵本陣に突入、総大将を撃破してクリア、という攻略がメインとなります。前述した城内戦に至っては、味方は自分1人だけで、しかも敵とは戦わないほうがスムーズにクリアできますし。
最後に、武将の体力回復について。敵武将は、プレイヤーが倒れているときなどのスキをみはからって、体力を回復することがあります。よって、回復のスキを与えず、一気に倒しきってしまうことが基本となるのですが、忍者軍団をはじめとした、周囲の雑兵がこれを妨害します。そして、もっとも厄介なのは敵の無双奥義。以前は無双奥義に対してこちらも無双奥義を発動すればつばぜり合いに持ち込めたのですが、本作ではそれができなくなりました。よって、敵武将を追い詰める→敵武将の無双奥義発動→プレイヤー大きく吹き飛ぶ→そのスキに敵武将の体力が全快、というループが発生することに。多くの敵、味方が密集すると、敵武将が表示されなくなり、いつのまにか体力が回復していることがあったり……。
●次回作に対する要望
2Pプレイ時の無双ゲージの扱いなど、言いたいことはほかにもありますが、自分が疑問に思った主な点は以上のとおりです。マイナス点ばかり挙げてしまったため、なんだかつまらないゲームのように見えてしまうかもしれませんが、このゲームが面白いかどうか、と聞かれれば、間違いなく面白いと断言できます。とくに、軽い気分で、短時間で遊べるゲームが好き、というライトゲーマーには最適だと思います。ですが『無双』シリーズを通じてプレイしている人や、ヘビーユーザーからすると、なにかしらの不満点はあるのでは? シリーズのマンネリ化を防ごうと、さまざまな趣向をこらしたのは拍手ものですが、もうちょっとテストプレイに時間を割いてほしかった……。今作で追加されたシステムのなかには両手をあげて歓迎したいものもあるだけに、バランスの調整不足がつくづく惜しまれます。かなりの辛口レビューになってしまいましたが、このシリーズを愛するがゆえなんですよ!?
●おまけ。こっそり『真・三國無双3 Empires』先取りレビュー
ばんざーい! 『無双』シリーズが帰ってきたよー! と声を大にして叫びたい。敵も味方も弱すぎず、強すぎず、バランス最高。味方と連携して拠点を広げていく、一進一退の駆け引き最高。やっぱりコーエーはスゴイ! 失礼なこと言ってほんとすいません。一生コーエーについていきます。これなら次回作も安心だよー!
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レビュアー紹介
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カゲロー
最初に移住したのはブリタニア。以後、中国、ヴァナ・ディールと渡り歩き、いまでは戦国時代に定住。幕末や大航海時代にも行ってみたいなあ、と夢想するコーエー大好きっ子。
●好きなゲーム
『信長の野望』シリーズ
『三國志』シリーズ
『太閤立志伝』シリーズ
『大航海時代』シリーズ |
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