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タイトル
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ファントム・ブレイブ |
レビュアー
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KK@ |
見疾風怒濤のやり込み系シミュレーションRPG
いろいろ工夫するのが大好きな人はぜひ遊んでみよう!!(3,995文字)
●新春恒例の日本一ソフトウェア最新作が登場!!
知っている人は知っているやり込み系シミュレーションRPGの雄、日本一ソフトウェアの最新作が、この『ファントム・ブレイブ』です。ほぼ1年に1本の割合で、良質なタイトルをリリースしている日本一ソフトウェア。前作『魔界戦記ディスガイア』が大ヒットを記録したこともあり、発売前から注目していたシミュレーションRPGファンも多いのではないでしょうか? すでに遊んだ人には説明するまでもありませんが、本作は『魔界戦記ディスガイア』で好評だった育成システム&やり込み要素をさらに進化させた、まさに究極のやり込み系シミュレーションRPGといえる内容に仕上がっています。物語はこれまでとはやや異なるシリアス路線で、『魔界戦記ディスガイア』のようなギャグ要素は控えめですが、プレイするものをグイグイ引きこむキャラクターの魅力や、心温まるストーリー展開は健在! このタイトルに興味津々のファンはもちろん、これまでの日本一ソフトウェアのゲームを遊んだことがない人にもぜひ遊んでほしい1本です。とりあえず、1.キャラ育成、2.アイテム&仲間収集、3.2Dドット絵グラフィック、の3つの要素のうち、どれか1つでも気になるキーワードがある人は、だまされたと思ってプレイしてみてください。きっと、無限のやり込み地獄(?)にハマってしまうと思うので……。
●涙なしにはプレイできない感動のストーリー
今回の主人公は、わずか13歳ながら請負人(クローム)として活躍している少女・マローネと、彼女を見守るファントム(霊魂)の青年・アッシュ。マローネは死んでファントム(霊魂)となった者を自由に操れる「奇跡の能力・シャルトルーズ」の使い手で、南海の孤島・おばけ島を拠点に、依頼を受けてさまざまな事件を解決していくことになります。設定のなかでも注目したいのが、アッシュをはじめとする仲間キャラクターは、みんなすでに死んでいるファントムであるということ。ファントムの姿は普通の人には見えず、そのためマローネは"悪霊憑き"と呼ばれ、人々から差別や迫害を受けています。ゲーム中でも、依頼を解決したのに報酬を払ってもらえなかったり、逆に犯人扱いされて罵声を浴びせられたりと災難続き。なのにマローネは、「人々のために働けば、いつかきっとみんながマローネのことを好きになってくれる」という死んだ両親の言葉を信じ、つらくても笑顔でがんばります。このあたりの展開は「世界名作劇場」の「小公女セーラ」や「ロミオの青い空」の主人公たちのの姿を見ているようで、涙なしにはプレイできません。序盤はとにかく辛いイベントの連続で、保護者のアッシュでなくてもブチ切れそうになることうけあいですが、そんな彼女が逆境をはねのけ、友だちもできて少しずつ人々に受け入れられていく過程がゲームを通じて体験できます。
●シミュレーションRPGの常識をくつがえす
独創的な新システムの数々に注目!!
システム的には、戦闘においてヘクス制でなくフリーな移動システムが採用されたこともあり、『魔界戦記ディスガイア』とはガラリと変わったものになっています。とくに、仲間キャラクターは肉体を持たないファントムなので、出撃させるときはマローネの能力「コンファイン」でマップ上のアイテムに憑依させる必要があるのがポイント。キャラクターの能力は憑依させたアイテムの種類によって変動するため、どのキャラクターをどのアイテムにコンファインさせるかが戦闘のカギをにぎっています。しかも職業(キャラクター)ごとに行動できる回数が限られているため、従来のシミュレーションRPGのような"時間をかけて各個撃破"というセオリーが使えません。コンファインのタイミングを誤れば、いくら育てたキャラクターがいてもろくに活躍させられずに退場してしまいます。そのため、リアルタイム制のシミュレーションRPGとはまた違った緊張感や駆け引きが楽しめるので、ぜひ注目してほしいところの1つです。
もうひとつの注目ポイントは、戦闘における自由度の高さ。マップ上のアイテムを利用するコンファインシステムをはじめ、どんなアイテム(キャラクターやキャラクターの死体まで!)でも装備して必殺技が使える装備システムや、味方を投げて移動させたり敵を投げて場外に落としたりできる投げる&持ち上げるシステムなど各種システムを利用すれば、プレイヤーの数だけ攻略法を見つけることができます。このあたり、キャッチコピーにあった"発想が戦略になる"という言葉は決してオーバーなものではなく、同じマップでも工夫に応じてずっと楽に攻略できたり、苦戦するけどアイテムをたくさん入手できたりと、お定まりのパターンにとらわれないシミュレーションバトルを楽しむことができます。
ただ、これは逆に言えば、難関ステージを攻略するには各種システムを正しく理解し、状況に応じて使い分けていく必要があるということ。オリジナリティが高いシステムが多数採用されているぶん、システムに関する敷居はかなり高く、まずは独特のシステムに慣れる必要があります。これが説明書でフォローされていればまだ問題ないのですが、ソフト付属の説明書には本当に基本的なことしか書かれておらず、ゲーム中のチュートリアルモードを参照しなければ理解できないシステムが多いと思います。それでもフォローしきれていない要素やテクニックも多々あり…。明るいキャラクターの絵柄や、迫力の戦闘グラフィックに興味を持ってこのゲームを始めた人には、やや辛い部分があるかもしれません。
もし1人でプレイしていて限界を感じたときは、雑誌なり攻略本なりで、情報を仕入れてみることをオススメします。これは答えを人に教えてもらうというより、人のプレイを参考にして自分なりの戦略を編み出すため。このゲームは自由度が高いぶん、すでにクリアしたマップでも自分では思いもよらなかった攻略法が見つかるはずなので、その後のプレイの参考にすることができます。個人的な話をすれば、電撃プレイステーションで『ファントム・ブレイブ』の攻略記事を作るとき、ほかの人が同じマップをどのようにクリアしたかや、各職業のキャラクターをどのように使っているかを意見交換することでずいぶん参考になったし、また新鮮な発見があって楽しかったですね。理想は『ファントム・ブレイブ』をプレイしている友人を見つけてあれこれ話し合うことですが、そこまでしなくても雑誌やインターネットが広まっている現在は、手軽に情報交換できる手段がいくらでもあると思います。
●ドット絵の美しさには定評がある日本一ソフトウェアの最高傑作
日本一ソフトウェアといえば、職人技的な2Dドット絵グラフィックでも有名ですが、今回はそれが極限まで進化した観があります。ドット絵の味わいがあるグラフィックが、キャラクターデザインを担当している原田たけひと氏の絵柄とマッチしており、ほかのゲームにはない独特のグラフィックを楽しむことができます。イベントシーンだけでも膨大なグラフィックパターンが用意されており、なかには1シーンにしか登場しない動きにも関わらず、細部まで書き込まれているという細かさ。さらに戦闘での必殺技のアニメーションやエフェクトを加えれば、どれだけパターンがあるか想像するだけで気が遠くなるほどです。
また、単にボリュームだけでなく、限られた描画数でいかに魅力的にキャラクターを表現するかといった、センスの部分でもトップクラスだと思います。とくにイベントシーンでは、戦闘シーンとは別の、より大きなドット絵のいきいきとした動きが楽しめます。ポリゴン技術を利用した3Dグラフィックが主流の今日、ここまで2Dのドット絵グラフィックにこだわっているメーカーは少なく、ぜひ今後もこの路線を貫いてほしいところ。とにかく、動いている画面を見れば、そのクオリティの高さに驚かされると思うので、店頭のデモでもいいから1度体験してみてください。
●やり込み好きには文句なしにオススメ!!
ゲームのボリュームややり込み要素は、予想以上のものが楽しめると思います。とにかく作れる職業やモンスターの数が多いだけでなく、アイテムやキャラクターの魔導合成を行うことで、技や能力をほかのキャラクターに自由に移植できます。入るたびに地形が変化するランダムダンジョンをいつでも攻略できることもあり、ストーリー攻略そっちのけでキャラクター育成を極めることが可能。また、ゲームをクリアするにはレベル100もあれば十分ですが、やり込めば最高でレベル9999まで鍛えられるのもポイントです。当然、鍛えすぎると通常の敵は相手にならなくなり、ストーリー攻略は楽勝になってしまいますが(もちろん最強キャラで本来は強いはずの敵を蹴散らすのも魅力の1つ)、最終ボスを超える強さの敵や隠しボスの存在など、本来の範囲を超えた部分でも目標というかゲームのバランスが調整されているため、いくらやり込んでもゲームに飽きることはありません。大作RPGや人気シリーズには事欠かない現在ですが、ここまで遊べるゲームも珍しいので、やり込み好きのシミュレーションRPGファンは、ぜひ遊んでみることをオススメします。
また、『ファントム・ブレイブ』を面白いと感じたなら、同じ日本一ソフトウェアから発売されている『魔界戦記ディスガイア』を遊んでみることをオススメします。1年前の作品ですが、『ファントム・ブレイブ』と比べても引けを取らないシステムの奥深さや、魅力的なストーリー&キャラクターは、一見の価値ありです。何より、『ファントム・ブレイブ』とはシステムの"切り口"が異なるため、また別の面白さを体験できると思うので、まだプレイしていない人はぜひお試しあれ。
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Illust原田たけひと
(C)2004 NIPPON ICHI SOFTWARE INC.
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レビュアー紹介
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KK@
電撃プレイステーションで活躍するクレイジーライター。趣味は大作RPGラスボス前での放置プレイ。「ピエトロ王子とにゃんこのためなら死ねる!」と言い放つ男らしさを持つ。
●好きなゲーム
『ロックマンエグゼ』
『ポポロクロイス物語』シリーズ
『どこでもいっしょ』 |
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