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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
レビュアー
狩☆デカ夫

文字通り映画をプレイできる
傑作ACTが登場ですよミスランディア!(3,476文字)


 イギリスの言語学者J・R・R・トールキンの手によって、1949年に完成。そして1953年(日本は1972年)に発売されると、"大人も楽しめるファンタジー"として、爆発的にヒットした小説が「指輪物語」なんです。トールキンが生み出した幻想世界は、あまりに壮大なため20世紀では映像化は不可能と言われ続けてきました。しかし、21世紀、鬼才であり「指輪オタク」でもあるピーター・ジャクソン監督が、3部作として映画化! 2002年と2003年に公開された第1部と第2部は、「指輪物語」のファンのみならず一般層をも巻き込んで空前メガヒットを記録したのは、記憶に新しいところです。そして、2004年の2月14日。3部作の最後を飾る「王の帰還」が日本で公開されるんですよ! いとしいしとおおお! ……すみません、原作と映画のファンだけについ興奮してしまって……。
 今回レビューで紹介するのは、前述の映画「王の帰還」をゲーム化したもので、去年PS2で発売された『二つの塔』の続編にあたるものです。前作『二つの塔』は、実写映像とゲーム画面のシームレスな切り替えや臨場感あふれる演出など、国内外のタイトルのなかでも、かなりハイレベルな作品でした。その続編である『王の帰還』は、どこがスゴイのか? その辺をレビューしていきたいと思います。


●3つのルートごとに操作するキャラが違う!
 より原作に忠実になった展開はファン感涙ですよセオデン王!

 前作では、ルートは1本道で、選べるキャラはアラゴルン、レゴラス、ギムリの3人だけでした。しかし、『王の帰還』ではルートを「魔法使いの旅」「王の旅」「ホビットの旅」の3つに分け、それぞれ操作するキャラが違うんです。「魔法使いの旅」ではガンダルフを、「王の旅」ではアラゴルン、レゴラス、ギムリのいずれか1人を、「ホビットの旅」ではサムを使用することが可能です。3つのルートに分けたことにより、旅の仲間たちの旅路を、忠実に再現することに成功しています。これは、原作や映画のファンにとってかなりうれしい配慮! また、各ルートに用意されたステージも、「ミナス・ティリス」あり、「キリス・ウンゴル」ありと、原作に登場する場所ばかりなので、ファンにとっては歩いているだけでもうれしくなります。さらに、各ステージのグラフィックは、全PS2のゲームのなかでも最高峰ともいえるデキ。これは一見の価値ありですよ。
 ただし、各ルートごとに映画版の映像が結構収録されているので、映画版の公開まで情報を少しでもシャットアウトしたい人は、あまり後半までプレイしない方がいいかも知れません。でも、自分でプレイした限り、キャラの生死などの重要なネタバレはありませんでした。そういった部分にスタッフの行き届いた気遣いを感じます。


●前作でプレイヤーの度肝を抜いた演出は
 『王の帰還』でも健在ですよストライダー!

 前作を初めてプレイしたときに、自分をはじめ編集部のスタッフがビックリしたのが、実写映像からゲーム画面への自然な切り替えです。実写映像をうっとりと見ていると、いきなりゲーム画面になって戦闘開始! この演出方法は、とにかく驚かされました。
 この映像の切り替えはもちろん『王の帰還』でも健在で、オープニングの角笛城の合戦では、ガンダルフとエオメルが率いるローハンの部隊が、角笛城を攻めていたサルマンの軍勢を襲う実写映像から、スムーズにゲーム画面にチェンジ! そして、息つく間もなくオークが襲ってくるんですよ。この演出の凄さは、見ないとわからないものですが、体験すれば一気にゲーム画面へと引き込まれること間違いなしです。
 また、ステージによっては、プレイ中に飛んできた砲弾が炸裂して目の前のオークが吹き飛んだり、周囲で味方の兵士がオークと戦っていたりと、臨場感あふれる演出が数多く、かつ効果的に使用されています。これにより、プレイしていると本当にそこにいるかのような気を味わえるんですね。さらに、NPCとして同行しているキャラがとにかくしゃべる! ゲーム版のために、映画版のキャストの俳優さんが声を当てているので、映画でも聞けないようなセリフがめじろ押しです。なんというか……ぜいたく。ちなみに、個人的にツボだったのは、オープニングステージでギムリが言う「新しいガンダルフは強ぇな!」というセリフ。悪鬼・バルログを倒し、はるかにパワーアップして帰ってきた白のガンダルフをつかまえて「新しいガンダルフ」って……シンプルなボキャブラがステキ。

●よりキャラを強化しやすくなったシステム!
 そして乱戦感が病みつきになる戦闘がアツイぜエオメル!

 戦闘で敵を1体倒すごとに経験値がもらえます。さらに、敵の攻撃を受けずにこちらの攻撃を当てて敵を倒していくと、Fair→Good→Excellent→Perfectの順に評価が上昇。評価が高ければ高いほどもらえる経験値が多くなります。そして、ステージクリア後に経験値がスキルポント(以下SP)として計算され、SPを消費することでキャラに新たなスキルを覚えることが可能です。なお、一定の経験値を獲得するとキャラがレベルアップし、より高度な技を習得できるようになります。以上が、前作から受け継がれた『王の帰還』の強化システムです。華麗に戦えば戦うほどレベルアップと技の習得がしやすくなっている点は、高く評価したいすね。
 また、技のなかには各キャラ共通のスキルがあり、それらを習得するときにより多くのSPを消費すれば、ほかのルートのキャラに同時に習得させることができます。これは、『王の帰還』の新要素で、例えば扱いやすいガンダルフでSPを稼ぎ、一気にほかのキャラを強化するということが可能です。この新システムのおかげで、効率よくキャラを育てることができるのはうれしい限りです。
 戦闘では、多数の敵を相手に斬りまくる爽快感が最高です。敵の攻撃をガードしたあとに連続技をたたきこみ、ダウンした相手にブシュッとトドメを刺すのは、かなりハマること請け合い。戦場を駆け回り、オークを何十体も斬ったあとに無駄にデカいトロルも数体倒せば、自分1人で戦局を変えているかのようなヒーローの気分になれます。


●ゴラムの素顔が見れちゃう!?
 ゲーム版だけの特典映像も満載ですよアルウェン様

 各ルートの特定のステージをクリアすると、収録されている特典映像がいつでも見れるようになります。映画版「王の帰還」の写真を見れたり、映画版のキャストのインタビューが見れたりと、その内容はゲーム版ならではのものばかりでかなり豪華! とくにインタビュー映像は、サム役のショーン・アスティンがゲームをプレイしているシーンや、映画版では素顔が見えないゴラム役のアンディ・サーキスの貴重なコメントなど、ファン垂涎の映像の嵐です! ステージをクリアするたびに、「どんな特典映像がオープンになるんだろう」とワクワクしました。

●洋ゲーだからって敬遠するのは絶対損!
 今後の原作付きのゲームに大きなな影響を与える1作だけに
 アクションファンは要注目の1本ですよ旦那様!

 全体的な完成度が非常に高い本作ですが、プレイしていて気になった点は、いくつかあります。まず、あまりに出現するキャラが多い状態で戦っていると、操作しているキャラの場所がわかりにくい場合がある点。また、ステージによっては次に移動する場所がわかりにくいことがありました。以上が不満点ですが、これらはプレイに重要な支障をきたすレベルではありません。むしろ、ノーマルモードの難易度はほどよいバランスに調整されていたり、○ボタンが決定になっていたりと、かなり日本のユーザーを意識して細かい点まで作りこまれています。
『王の帰還』は、海外で制作されたいわゆる「洋ゲー」と呼ばれるものです。「洋ゲー」と聞くと「バランスが大味、難易度高い」といったマイナスイメージを思い出しがちじゃないですか? でもそんなイメージだけで『王の帰還』をプレイしないとすれば、間違いなく損だと思います。実写映像からゲーム画面への切り替え、究極の乱戦感を味わえる戦闘など、見る者を画面に引き込む力はかつてないものです。さらに、ゲームならではのオリジナルステージを追加しつつ、映画版のストーリーを3つのルートで追うことのできる構成は、映画版ファンから見ても見事の一言! どこをとっても、今後のアクションゲームと原作付きのゲームに大きな影響を与える作品と断言できます。2月の公開を控えた映画版とあわせてぜひプレイしてみてください!

 
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レビュアー紹介
狩☆デカ夫
 電撃PSを中心に幅広く活動する次世代マルチメディアライター。当サイト内にかつて存在した迷コーナー「核爆家族」のメインライターも担当し、頭のネジがはずれたような次世代的な企画でファンを魅了。映画をこよなく愛するが、仕事が忙しくてなかなか観に行けない模様……と思ったら、狙った作品はいつの間にかしっかり観ている次世代のしっかり者。編集部で、残り少ない青春を消費するのが得意。

●好きなゲーム
『バーチャファイター』シリーズ
『クレイジータクシー』
『ファンタシースターオンライン』

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