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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
レビュアー
ヒロポン

小説も劇場版もいいけど、ファンなら
こちらも押さえておきたい1本!(2,455文字)

●原作好きにはタマラナイ! 雰囲気&魅力は“そのまんま”なのです
「ハリー・ポッター」フリークな私は、原作小説はもちろん全部(日本発売版のみ)、映画も2本しっかり劇場で見てマス。んで、劇場版の3作目は、メインの子役3人が成長した姿で登場してて話題になってるし、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは相変わらずカワイイし、予告編もおもしろそうだから見に行こうかな……って思ってたトコに、本作が目の前にあったんでプレイしてみました。ちなみに「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」というのは、ホグワーツ魔法魔術学校の3年生になったハリーが体験する冒険物語。宿敵・ヴォルデモートの手先とされるシリウス・ブラックがアズカバンの監獄から逃げ出し、ハリーの命を狙っているらしい……という設定で繰り広げられるお話デス。シリーズでは毎回ハリーと、親友のロン&ハーマイオニーが危険な事件に巻き込まれるんだけど、シリーズを通しての主な魅力って、
(1)“ホグワーツ魔法魔術学校”という舞台
(2)仲間と協力しながら、危険な目的を達成する
(3)ハリーの過去に関する謎が明らかになっていく

だと思うんですよ。このゲームにおいては、(3)に関しては劇場版3作目を元にしているんで問題なし。んで、(1)に関してなんだけど、本作では不思議な仕掛けだらけのホグワーツ魔法魔術学校を見事に再現! 隠し通路とか、全部見つけ出すと特典がもらえる特殊なオブジェとか、いろんな仕掛けがたっぷし用意されているんですよ。いろいろ調べ回るにはちと広すぎかな? って気もするけど、本筋のミッションをクリアする間に、いろんなトコに寄り道できるのはなかなかの魅力。学校の授業をサボって(もしくは放課後こっそり校舎に忍び込んで)、“学園七不思議”を解明しているような気分になりましたよ。(2)に関しても再現度はバッチリ。2人で協力して扉を持ち上げ、残る1人ができた隙間に潜り込む、というように「協力して仕掛けを解く」感覚が味わえるのです。そうそう、グラフィックなんですが、劇場版の子役が元になっているけど、最新作の彼らよりも多少幼く描かれてマス。お気に入りのハーマイオニーの顔がイマイチ好みじゃないとか、彼女が段差から飛び降りてもスカートがはためかないとか、個人的には多少の不満(=欲求の?)はありましたが、そこはそれ、もとは小説の世界ですから。“イメージ”という名の脳内補完で補えたので一応ご報告まで……(笑)。

●昼は勉強! 夜は冒険! 二重生活も楽しさ満点!!
 ステージ構成なんだけど、1日が昼の部と夜の部に分かれていて、昼間は授業、夜は構内をこっそり冒険、というかたちになってマス。と書くとメインは夜の冒険だけかな? と思われちゃいそうだけど、魔法と魔術を教える学校だけに、授業の中身もおもしろいものばかり。ダンジョンでボス敵と戦うなど過激(?)な内容のものがそろっていて、昼と夜のステージはどちらも魅力的です。こんなにおもしろい授業が受けられる学校なら、サボり続けて単位が足りない→学校を退学→仕方がないのでフリーターで生活費を稼ぐ日々→気がついたらフリーライターになって、お風呂に入れない&お家に帰れない毎日……なんてことになる生徒もいないでしょうねぇ。はぁ……。
 さておき、各ステージにある仕掛けの話に移りましょう! こちらは「鎧(=侵入者発見のためのセンサー?)の視界を、タイミングよくかいくぐって先に進む」とか、「壊れた木箱を元に戻して、足場にして段差を登る」とか、内容はバリエーション豊富。しかも、魔法は敵にダメージを与える&倒すためだけに使うのではなく、「モンスターに魔法で光を当てて、檻の中まで後ずらせる」という平和的な利用方法もあって、原作同様、殺伐とした雰囲気はありません。んで、これらの仕掛けのほとんどは、解くために必要な魔法&それを使えるキャラが決まってます。先々で覚えていく魔法の種類も各キャラ固定になっていて、「各スペシャリストを状況に合わせて使い分ける」という感じデス。おかげで「仲間といっしょに乗り越えていくんだ!」なんて気分になりますが、使う魔法やキャラによって、攻略方法&ルートが変化することはなく、言い換えれば自由度がそれほど高くないのでそこはちと残念かも。そういえば、開発期間中、子どもたちにプレイしてもらって、「ここ、難しくて先に進めないよ」といったダメ出しをしてもらっていたのだとか。おかげでヒントのメッセージがたくさん出現するなど、ゲーム初心者でも楽しめるバランスになっていて、自由度&難易度の高いゲームを好む人には不向きかもしれませんな。でも、原作が好きな人には間違いなく満足できる内容なので、「ハリー・ポッター」を少しでも知っている&興味がある人は、ぜひ遊んでみてくださいませ。

●やり込み要素もてんこ盛り!
 原作ではイタズラ好きで知られる双子・ジョージとフレッドも、本作には登場します。彼らは壊れたトイレでこっそりお店を営んでいるんだけど、売っているのはイタズラグッズのフン爆弾とか、奇妙なものばかり。それを使って「壁に掛かったツボに1つずつ爆弾を投げ込む」といったサブミッションに挑戦することができるのデス。ほかにも、ヒッポグリフに乗るミニゲームで高得点を狙うとか、寄り道&やり込み要素がたくさん用意されているのも、本作の大きな魅力でしょう。そういえば、GC版とGBA版はリンクすることができ、GBA版にフクロウ育成モードが出現する他、GC版のレースに自分の育てたフクロウを出場させることができるんですよね……。これも含めると、完全に遊び尽くすには相当時間がかかりそうデス。ともあれ、ドキドキ&ワクワクが詰まった“ホグワーツ魔法魔術学校という箱庭”での大冒険は、満足感バッチリでした。小説の最新版(日本語版)は9月に発売されるし、劇場版もちょうど封切られたし、本作をじっくりプレイしながらしばらく“ハリー・ポッター漬けな日々”を送る予定ダス。

※このレビューはGC版をプレイしてのものです。
 
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レビュアー紹介
ヒロポン
 電撃プレイステーションでもおなじみのレビューアー。いろんなジャンルのゲームを食い散らかす割には、好みが偏っている軽度のゲーム中毒者。仕事が詰まると『ソリティア』ばかりプレイし始める、困った性癖を持っている。「目の前にいない&触れられない娘っコには興味がない!」と言い張ってたクセに、最近エマ・ワトソンと井上和香に目覚めた。

●好きなゲーム
『ネクストキング ~恋の千年王国~』
『ガンパレード・マーチ』
『テイルズ・オブ』シリーズ
『スパロボ』シリーズ
『FF』シリーズ
『ドラクエ』シリーズ

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