PS2版『エボ』の手応えはどんな感じ!?
開発スタッフ・片桐大智氏に直撃インタビュー!
――PS2版『エボ』完全移植の手応えはどうですか?
片桐大智氏(以下敬称略):前作『バーチャファイター4』の時も完全移植を目指して開発をしていましたが、今回はそれを上回るデキになったと思います。完全移植するのは当たり前のことなんですが、オリジナル要素を追加し、プレイヤーがよりアーケード版とPS2版を行き来しやすくしてあります。PS2版とアーケード版のプレイ感覚に関して、"ちょっと感じが違うな"という部分をなくす形での移植が今回はうまくできたと思います。
――それが今回の「クエストモード」と「トレーニングモード」と。
片桐:「クエストモード」は今回CPUを新たに作り直して、よりキツイ攻めをしていかないと勝てなかったり、「トレーニングモード」にしても実際にプレイして確認できる所を増やしたり、いろいろとこだわった部分があります。
――「クエストモード」のCPUは人間臭さが非常に出ていましたね。
片桐:これは最後まで苦労した部分ですね。最初PS2版で『バーチャファイター4』を発売したときは、CPUがどんどん乱入してきて普通の人間と戦うように練習できるという状況には結果的にできなかったんです。それで、前回の「KUMITEモード」から大きく変えた部分というのが、プレイヤーの観点から先読みする予測プログラムを組み込んだことなんです。つまり、ある技を出された時に対応するという形のCPUではなく、CPUが自分からリスクの少ない技を仕掛けるとか、読み合いを仕掛けられるCPUになっているんです。
――ランクや称号によって全然動きが違う?
片桐:そうですね。最初の方だと返し技も的確ではなかったり、避けをしなかったり。避け投げ抜けもある程度の段位にならないとやりませんし。一通りの技術が組み込まれていますが、レベルに応じてやっている技術は違います。投げ抜けをひとつしか入力しないCPUとか、ガード投げ抜けをするCPUとか、非常に細かく設定してありますよ。一般で言われている用語の技術は全て入っていると思います。
――アーケード版では3回くらい投げを決めると必ずといっていいほど投げ抜けされますが、PS2版のCPUは?
片桐:今回は例えばカゲだったら、弧円落が一番決められたくない投げじゃないですか。優先的に弧円落は抜けますが、違う投げももちろんありますから、プレイヤーの読み合い同様の感覚で他の投げ抜けをしたりします。そういうところが人間臭さにつながっていると思います。
今回はアーケード版をプレイしているユーザーが多数登場しますが、こんなの俺じゃねーよと言われたらどうしようかとドキドキしています。称号はちょっと高めに設定してあるんですけどね。
――PS2版のアイテムはアーケード版のものがすべて収録されているんですか?
片桐:収録されています。条件はいろいろと違いますが、「VF.NET」のイベントクエストに近い"クエストオーダー"というのを用意したりと工夫してます。「クエストモード」は、がむしゃらにクリアを目指すのではなく、「段位を"覇王"にする」とか「クエストオーダーを全部終わらせてから次の店舗にいく」など、のんびりとプレイしてほしいモードです。
――「トレーニングモード」の"トライアル"は非常に課題が多いですが、選別には苦労されたのでは?
片桐:そうですね。実際にアーケード版のプレイヤーの意見を聞いて、さまざまなシチュエーションを想定したものを可能な限り収録しました。前作で見ているだけという部分についても、今回はプレイできるように変更しようというのがありまして、そこからさらに足りないものをどんどん追加していきました。繰り返しプレイするのであれば、例えば投げ抜け方向を変えられたり、回数を変えたりなど項目内容を設定できるようにしてありますので、内容の濃い練習ができると思います。
――上級プレイヤーが練習するにも十分すぎるレベルに驚きました。
片桐:自分もかなり練習してます(笑)。
――特典ムービーに面白い映像が収録されていましたね。あの片手でのプレイはスゴい!
片桐:開発部内にいる某スーパープレイヤーとよく対戦するんです。普段はコテンパンにやられるんですけど、ある時「なんか今日勝てるなぁー」と思って「調子悪いの?」って聞いたら「片手」だったらしくて(笑)。片手でここまでできるんなら、そういうのを特典ムービーとして収録してみても面白いんじゃないかなという声が挙がって。収録したのは一部ですが、彼(某スーパープレイヤー)はどのキャラでも片手プレイが出来てしまうんです。スゴイですよ、普通に対戦しても片手なのに投げ抜けとかしっかりやりますし(笑)。
――『バーチャファイター4』から『エボ』になって、かなり技などが変更されましたね。
片桐:実は開発途中ではもっと変更点がいっぱいあったんですよ。でもこれじゃ変わりすぎて、もうどのキャラがどのキャラだったかわからないって程だったんで、ある程度戻しました。実際、あれだけ新しいものを作ったのに、これだけしか変更してないの? って感じなんですけどね(笑)。
――『エボ』からの新キャラ、ブラッドとゴウの誕生のいきさつなどは?
片桐:見た目や設定に関しては、『バーチャ』って善人っぽい人が多いじゃないですか。今回新キャラを追加するに当たって悪人ってどうよ? みたいな話が出まして、怖い顔の2人を入れてみるというところから始まったんです。特徴に関しては、"打撃"と"投げ"に特化したキャラに味付けしていった感じです。"打撃"がブラッドで、"投げ"がゴウですね。
――この2キャラの追加によってまた覚えなきゃいけないことがたくさん増えました。技や性能を把握するのが大変です(笑)。
片桐:そうですね、昔の『バーチャ』なら特定のプレイヤーに対して苦手意識を持っていた人が多かったと思うんですが、最近ではキャラクターに対して苦手意識を持つ人も増えたんじゃないかと思います。ベネッサ無理みたいな(笑)。
――アーケード版の話ですが、今回は"覇王"に辿り着けるプレイヤーは出てくる?
片桐:難しいと思いますよ。トップを"覇王"として設定していますが、そこに辿り着くのはやっぱり一握りのプレイヤーであってほしいです。称号も段階が多いので、現在のトップはどこというのがわかってくれた方がいいと思うんです。そのためにあれだけ敷居を高く設定してあるんです。最後まで行ってしまったら"アガリ"ですから、そこまでの過程を楽しんでほしい。でもそれが苦痛になってしまうと困るんですけどね(笑)。
――「格闘新世紀II」が4月に行われますが、大会優勝者に与えられる特別称号はすでに用意されてるんですか?
片桐:用意してあります。格闘新世紀II用以外でも、実は多くの特別称号も用意してあります。どの大会でどんな称号が与えられるかというのは秘密ですが、現在アーケード版で頑張っているプレイヤーは今後の大会やイベントを楽しみにしていてほしいですね。
――レアアイテムの幻球は、前回みたいに出現率UPのサービス期間などは設けられる?
片桐:やる……かもしれないですね(笑)。実は幻球が出現するときに、画面的に何か違いが現れるんですよ。画面下のカード認識マークが黄色く光るというのとは別に。プレイしているときに画面をジーと見ていると、「あれ、なんかココいつもと違うな」という部分があります。プレイ中はずっと出てますよ。頭の片隅にこのことを入れてプレイしておけば、いつか気付くかも。一応小ネタとして(笑)。やっぱりそれが出現するのも正規の条件を踏まないといけないので、滅多なことでは見れないと思いますけど。
――今後の『バーチャファイター』シリーズの展開についてお聞きしますが、バージョンアップの予定などはありますか?
片桐:現段階ではないですね。基本的には変えなければいけない理由があるからバージョンアップするんです。カードやネットの不具合に対応するためにバージョン変更という形をとるんですけど、その時にプレイヤーから不満が出ている部分を直したりバランスを見直したりしています。
――『バーチャファイター5』のプロジェクトは動いている?
片桐:いや〜どうでしょうね〜。少なくとも私は違うプロジェクトの方で動いてます。『バーチャファイター5』はいずれ出るかと(笑)。
――最後に『エボ』ユーザーにメッセージをお願いします。
片桐:PS2版は有名プレイヤーのムービー、実用性のある「トレーニング」など、かゆいところに手が届くように作りましたので、アーケード版のプレイヤーは、このPS2版で復習するような感じでプレイし、より高みを目指してほしいと思います。初めてプレイする方には、現在のプレイヤーが言っていることやプレイしている内容がわかるよう用語集なども用意してありますし、「クエストモード」と「トレーニングモード」で少しずつ技術を積み重ねる楽しさが味わえると思いますので、皆さんぜひ購入して遊んでください。 |
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SEGA-AM2開発1部
片桐大智氏
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| 『バーチャファイター』シリーズでは初代から開発に携わる片桐氏。リングネームは“D.K.”で、1プレイヤーとしても『バーチャ』プレイヤーには顔なじみだ。PS2版『エボ』の開発が終了した現在は、新作アーケードゲームの開発に着手したとのこと。『バーチャファイター』の新作か? |
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バーチャファイター4
エボリューション
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■メーカー:セガ
■対応機種:PS2
■発売日:2003年3月14日
■価格:6,800円
■関連リンク:
公式サイト/SEGA-AM2/セガ
Original Game (C)SEGA (C)SEGA-AM2 /
SEGA,2001,2003 |
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