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■ インタビュー ■

ラブリーな見た目にちょっとブラックな「即死系ハチャメチャラブコメディ」

独特なキャラクターや世界観が特徴のDS用ソフト『みずいろブラッド』。本作の魅力や見どころなどについて、プロデューサーの金山氏とキャラクターデザイナーの横尾さんにお話を伺った。ノリと勢いで突っ走る公式サイトからだけでは見えない、『みずいろブラッド』に秘められた意外な一面とは!?

「自分の予感とか直感で構成されています(笑)」

──まず、この作品が製作されるにいたった経緯をお聞かせください。

金山健太氏(以下金山、敬称略):企画の部分に関しては、横尾の方から「こういうワイルドな(笑)世界観のゲームをやってみたい」という話があったことから始まりました。
横尾有希子さん(以下横尾、敬称略):女の子向けのかわいいキャラクターで、バイオレンスなことをする(笑)ゲームを作ってみたかったので、今まで自分がためてきた集大成として挑戦してみました。世間に対しても会社に対しても限界に挑戦してみたかったんです。

──集大成ということで、デザイン面で苦労したとか「ここにこだわった」といった部分はありますか?

横尾:“みずいろ”のデザインが決まるまで試行錯誤がありました。いろんなアクションがあるので、どの向きになっても描きやすい絵になるよう、事前にいろいろ考えてから描きました。それから、今までロボットを描いたことがなかったので、車輪を書くのが大変でした(笑)。

──変わったタイトルですが、由来などはあるんでしょうか?

横尾:歩きながらなんとなく考えたもので、深い理由はありません(笑)。最初は女の子向けとして考えていました。水色が女の子に一番人気がある色なので、「絶対「みずいろ」!」というのは考えていました。
金山:そういったところのセンスは、僕から見るとすごいと思います。“おかあさん”というキャラクターが登場するのですが、それも「足の長いキャラがくる」ということで、ああいうデザイン(※1)になりました(笑)。
横尾:全体的に自分の予感とか直感で構成されていることが多いですね(笑)。

──メインターゲットには、どういった層を想定されているんですか?

金山:キャラクターもかわいいし、横尾が『太鼓の達人』のデザインをしていたので、子供から家族向けという風に思われがちかも知れないんですが、こういうテイスト(※2)なんで(笑)。内容も“みずいろ”ちゃんも“ラブネリ”ちゃんも女の子で、女の子目線の話がふんだんに入っています。“加藤”くんというロボットに恋するというストーリーなので、女の子の感情がよく出ていると思います。“加藤”くんは、あんまり出てこないんですけど(笑)。そういう意味で女性にはやってもらいたいなと思います。もちろん僕でも楽しめますので、男性でも楽しめると思います。

「ストーリーが完結した瞬間には、
どっと来るものがあると思います」

──ずばり、本作の見どころはなんでしょうか?

横尾:目に入るもの全部と言ってもいいかもしれません(笑)。強いて挙げるのならアニメーションがすごいです。それから、ゲームの前後に寸劇があってストーリー仕立てになっているんですが、その勢いとメリハリが売りになっています。
金山:ミニゲーム集っぽく見られがちなんですが、ミニゲームがたくさんあって、好きなものをやるだけということではありません。1本のストーリー仕立てのゲームになっています。1年間の学校生活をストーリー仕立てにしてあるので、その季節や行事ごとに合ったゲームをやるという形になっています。ストーリーが完結した瞬間には、どっと来るものがあると思います。どのミニゲームということではなくて、そういった壮大なストーリーにも注目していただきたいなと思います。
横尾:それからDS用ソフトなんで、飽きないようにテンポよく、飽きる前に終わるボリュームになっています(笑)。せっかく作ったのに最後までいけなかったら悲しいので(笑)。

──ちなみに何種類くらいのゲームが用意されているのでしょうか?

金山:ゲームの種類だと40種類以上、50種類近く用意されています。各何問ずつぐらいでしょうかね……。結構用意していまして、プレイしていてかぶったりということはないと思います。1回やったら終わりというのではなく、また何度でもやりたくなる仕組みになっています。
横尾:実は最初はしりとりだけにしようと思っていたんです。でもそれだと無理があるので(笑)、「ツッツクツはパップパプ」のように、日本語の擬音語や擬態語がもつ独特なリズムを使った遊びなど、日本語でどんな遊びができるかというのをテーマにいろいろ作ってみました。

──企画の段階で、問題はどのくらい考えられたんですか? 入れたかったけれど盛り込めなった問題などはありますか?

金山:それほど排除されてはいないと思います。入れたいと思った問題は全部入っています。
横尾:ただ、問題に使用される言葉は吟味してあります。たとえば「ツッツクツ」だったら200個くらい考えた言葉の中から分かりやすいものを選びました。問題の種類はそんなに絞ってはいません。「しりとり」では、普通のものを考えてから「2文字縛り」みたいなバリエーションを増やしていくといった具合に、どんどん増やしていくような感じでした。

「意外と地味なことをやっています」

──制作にあたって苦労した点などがありましたら教えてください。

横尾:やっぱり文字入力ですね。最初のうちは、その辺で苦労しました。書き順でダメだったりすることもありましたし、文字を正しく認識してくれなかったりするのを補正するのに苦労しました。
金山:そういった目に見えない部分もしっかりしています。ユーザーの視点に立って、ストレスを感じないように作っています。苦労した甲斐もあって、文字入力関係はすばらしいですよ(笑)。プログラマーが非常に優秀な人間で、字の汚い人でも拾えちゃいます。
横尾:文字入力のシステムは非常にレベルが高いですよ。

──入力した文字も1文字ずつ消せるんでしたよね。

横尾:1文字ずつも全部まとめても、どっちもできます。やっぱり自分たちでプレイしていて、やりやすいようにしています。
金山:インターフェースまわりも最後の最後まで手をかけていました。「ユーザーの視点に立って」というのは、かなり意識しました。公式サイトを見ていても、そういった努力は見えませんけどね(笑)。
横尾:意外と地味なことをやっています。
金山:ユーザーのみなさんがプレイされて「面白い」といってくれるのは、世界観だけではなくて、そういう部分なんじゃないかと思っています。

「ノリと勢いだけでやってるゲームではありません」

──ぬいぐるみ(※3)なども用意されているようですが、すでに関連グッズの展開なども予定されているのでしょうか?

金山:まったくないです(笑)。ゲームの売り上げ次第といったところでしょうか。
横尾:ぬいぐるみは、うちのプログラマーが全部自分で作ったんです。
金山:ユーザーのみなさんが元気を分けてくだされば、ありうるかもしれません(笑)。

──最後に、ユーザーにメッセージをお願いします。

金山:公式サイトや雑誌などで出ている世界観もウリですが、ストーリーであるとかゲームのクオリティといった部分にも目を向けていただけたらうれしいです。サウンドもいいし、さっきの話に出た文字入力の部分もしっかりしているので、ノリと勢いだけでやってるゲームじゃなくて1本のソフトとしてちゃんと評価していただけるものを作ったつもりです。DSというハードを持っていて、このソフトをやらないのはもったいないと思うくらい自信を持ってお勧めできます。梅雨の季節に『みずいろブラッド』、よろしくお願いいたします(笑)。
横尾:絵や世界観にピンときたらプレイしてみてください。期待は裏切りません。

──ありがとうございました

プロデューサー
金山健太氏
KENTA KANAYAMA

金山健太氏

 バンダイナムコゲームス所属のプロデューサー。『みずいろブラッド』が初のプロデュース作品となる。

キャラクターデザイナー
横尾有希子さん
YUKIKO YOKOO

横尾有希子さん

 バンダイナムコゲームス所属のキャラクターデザイナー兼イラストレーター。代表作は『太鼓の達人』シリーズ。

みずいろブラッド

『みずいろブラッド』

■メーカー:バンダイナムコゲ-ムス
■対応機種:DS
■ジャンル:ETC
■発売日:2007年6月14日
■価格:5,040円(税込)
■関連サイト
公式サイト / バンダイナムコゲ-ムス
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(C)2007 NBGI

【用語解説】

※1 ああいうデザイン
ああいうデザインの“おかあさん”

※2 こういうテイスト
こういうテイストの『みずいろブラッド』その1

※3 ぬいぐるみ
関連グッズ類?