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『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』ファーストインプレッション

 2006年12月2日の発売が待たれる超大作アドベンチャー『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(以下『ゼルダ』)』。この待望のソフトをいち早くプレイできる機会に恵まれたので、早速皆さんにファーストインプレッションをお届けしよう! また、「DENGEKI DS Style」のVol.2でも『ゼルダ』特集を予定しているので要チェック!
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』
■メーカー:任天堂
■対応機種:Wii/GC
■ジャンル:A・AVG
■発売日:2006年12月2日
■価格:6,800円(税込)
※GC版は任天堂公式サイトのオンライン限定販売。

試行錯誤の快感……これこそが『ゼルダ』なのです!

かわち山田

 10月下旬、いきなり編集者からWii版『ゼルダ』をプレイできる機会があるけど……とささやかれました。聞くところによると、『ゼルダ』をゲームの最初から普通にプレイできるのは、今回が初めてとのこと。個人的に、この『ゼルダ』のために「Wii」を買おうと考えていた自分にとって「NO」と言えるわけがありません。当然、二つ返事で「OK!」。
  とはいえ、序盤からイロイロ探索できるのが『ゼルダ』。数時間ですべてを理解するのは当然不可能と思われます。というわけで、今回のインプレッションは序盤部分のプレイを元にして書いたものなので、まだまだ未体験の要素がたくさんあると思われますが、そのあたりをふまえて読んでもらえればと思います。

ハイラル(光の世界)と影の世界(トワイライト)について

 ゲームシステム的には、光の世界と影の世界を行き来し、ダンジョンなどを攻略していくというのが大きな流れです。SFCの『神々のトライフォース)』的な感覚でしょうか。とはいっても、『神々のトライフォース』のように「マジックミラー」などのアイテムで、自由に行き来することはできない模様(少なくとも序盤は)ですね。
  『神々のトライフォース』と異なるのは、影の世界でリンクはオオカミの姿になってしまうということ。オオカミなので、普通の姿の時にできていた、剣を振ったり、手でアイテムを使ったりというような行動ができなくなっています。全部足ですからね。そして、もう1つ……いやもう1人、重要な存在となるのがミドナというキャラ。
  このキャラは影の世界の住人で、口が悪いうえに、命令口調で偉そうなヤツだけど、リンクをサポートしてくれる謎の存在。そもそも影の住人なのにリンクを手助けすること自体、なんか怪しいです。それと、このミドナは単なるゲームの進行役、というだけではないところもポイント。ちょっとプレイしただけでも戦闘や謎解きといったシステムにも関わってくるので、この先リンクとどのような関わり方をしていくのか、非常に楽しみです。

バトルはおなじみのシステム!?

 戦闘に関しては、Wiiリモコンを使うという以外は、これまでの『ゼルダ』シリーズと感覚的には同じですね。回転斬りやジャンプ斬りはもちろん可能だし、盾を使って防御もできる。回転斬りは1回使うと、少し時間をおかないと再び使うことができません。ちなみに使えるようになると音&光で合図してくれるので、バトルに一生懸命でもはっきりと認識できます。こういう親切な心づかいがいいですね。
  これ以外は、最初の本格的なダンジョンをクリアしておらず、ボス戦まで行っていないためここまで。序盤では、剣(最初は木刀)と盾以外は、パチンコくらいしか武器を入手できないですしね。もっと進んで弓やブーメランなども手に入れたかったところですが……って、出てくるのかな?

総括:やはり『ゼルダ』は『ゼルダ』であると……

 さて、Wii版『ゼルダの伝説』の大まかなシステムはこんな感じです。世間では、やはりWiiタイトルということで、Wiiリモコンによる操作がクローズアップされることが多く、あまりゲームの中身について触れられてないので、ここではゲームの率直な感想というか、思ったことをツラツラと書きなぐります。

 実は、9月に行われた発表会「Wiiプレビュー」では、たくさんのタイトルがズラッと並んでおり、『ゼルダ』を遊ぶ前にタイムアウト。なので今回が初プレイなのですが、率直な感想としては、期待どおりの『ゼルダ』的世界であるという印象ですね。
  しかし、『ゼルダ』的世界とはなんぞや、と聞かれると感覚的なものなので困ってしまいますが、例えばゲーム開始後、操作説明的なイベントが終われば、イベントや目的そっちのけで自由に行動ができてしまう部分が一番大きいでしょうか。
  序盤はトアル村という小さな村が舞台となりますが、様々な事情を抱えた人やイタズラ小僧たちがいるなど、箱庭的な世界が展開していきます。ここで困っている人を助けたり、カボチャを投げてみたり、ニワトリで飛んでみたりと、まぁとにかくいろいろ遊べるわけです。

 それと、笛に関しては愛馬のエポナを呼ぶことができるのもポイント。でも、徒歩で進んでいくと「ああ、エポナに乗ってくればよかった!」という場所に出くわしたりするのですが、そんなところにだいたいエポナを呼ぶ笛となる草(花)が生えています。こういう部分も、プレイヤーが面倒だと感じるだろうな、というところをサポートしてくれる設計となっているので、これまで以上によどみなく遊べるといった印象となっています。ちなみに、一直線に飛ばしていろいろなものにぶつけることができるタカも同様で、ここぞというところにタカを呼ぶための草が配置されています。

 今回のプレイでは、もっといろいろ村を探索したかったのですが、時間の関係で後ろ髪を引かれつつも、ついメインイベントを進めてしまいました。こういう、いろいろ探索したくなる、思いついたことを試したくなるというのも『ゼルダ』の魅力。そういう点では、序盤から『ゼルダ』らしさ全開という感じがしましたね。

 ミニゲームも魚釣りやパチンコの的当てなどなど、序盤だけでもてんこ盛りでした。とくに魚釣りは、最初から釣った魚の大きさと種類も記録されるので、いろいろ楽しめそうな印象。やっぱり釣堀りあるのかな~とか。オヤジのヅラとか釣れるのかな~とか妄想しております。早く編集部でじっくり遊びたいなぁ。
  やや脱線してしまいましたが、独特なキャラたち、その世界の雰囲気、そしていろんな遊びの要素など期待どおりであったと思います。

 そして、肝となる謎解き。これも単に直前で入手したアイテムやアクションを使うだけという、そんな単純なものではありません(簡単なものもありますが)。例えば、最初に影の世界へ連れて行かれ、オオカミ姿のリンクが牢屋に閉じ込められた場合でも、序盤からそこまでの経験を踏まえて脱出方法を考えるワケです。もちろん試行錯誤しまくりことになります。
  横にいる編集者と「あそこに何かあるよ、アヤしくない?」とか、「この能力使うんじゃない?」と、思いつくまま、さまざまな行動をとる。でも、この試行錯誤の間にほぼ操作を把握し、そして抜け出すことに成功していく。答えがわかれば「なんだそんな簡単なことか」と思いますが、そこに至るまでの試行錯誤→失敗→試行錯誤→成功、そして「チャララーン♪」という音……これこそが快感であり、楽しさであり、先に進む原動力であり、『ゼルダ』らしさであると思うワケです。これまでの『ゼルダ』でも、悩みに悩みぬいてわからず、ひと眠りしたときにふと答えを思いつくことが何度もありました。そういうパターンというか感覚が『ゼルダ』の楽しさの1つかなと思います。

 今回のプレイでは、本格的なダンジョンの直前で終了となりましたが、そこに進むまででも、カンテラで火をつけて進み、宝箱を見つけるといった『ゼルダ』的な謎解きポイントは多くて、むしろ「ダンジョンまだだったのか!」と思うほどでした。

 このボリューム感、Wiiリモコンによる感覚的な操作感、これまで以上に遊びやすく練りこまれたシステム、そして根底に流れる変わらぬ『ゼルダ』感……これはあえて、今までシリーズをプレイしたことのない人に注目をしてもらいたいと思います。非常にとっつきのいいゲームになっていますので。あ、もちろんプレイしたことのある人はマストですよ。

『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』を体験してきた!

ミヤモン

「まずはプレイしてみてください」
スタッフの方が我々にそうひと言だけ残して、部屋を後にした。
Wii版『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』の体験会。
各編集部に割り当てられた個室にゼルダの試遊台が1台。
祭りの予感……。なにか任天堂の自信を感じた。

実はE3時から動画をチェックしてきた。
なのでデキについてはまったく心配していない。
むしろ、今度の『ゼルダ』はやたら気合いが入ってるな、
と密かに1人興奮していたほどだ。

リモコンを手に取った。大きく息を飲む。
「はじめから」をクリック……。
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』。
壮大なストーリーが今始まる……。

満天の夜空に腰を降ろす2人。
誰であろうか…。リンクと村人の会話…。
かたわらにはエポナ。
始めからエポナがいるのか……。

こうして体験の時間は始まった。

序盤からてんこ盛りに詰まっている!

舞台はとある村から始まる。正式名称はトアル村。
どことなく村の構造が『時のオカリナ』のコキリの森に似ている。
いや、これは意識しているのだろう。
が、雰囲気は『時のオカリナ』の幻想的なものに対して、
どちらかと言うとこちらは妙にリアルで温かい。そして柔らかい光。
季節は秋、日本の農村といった印象。

その村人たち。形相、いでたちとも奇をてらってない。
トリッキーではないという意味だが、雰囲気は十分ある。
それと、こどもたちがわんぱく。
『ムジュラの仮面』のボンバーズ団を思い出す。

もうひとつ、村のあちこちにやたらと動物がいる。
犬(←『nintendogs』を思い出した!)、猫、ニワトリ、鷹、リス……猿。
そして隣接する牧場にはエポナと山羊。

なんだろうか、最初から情報量が多いんですけど……。
いろんなことができる予感。

チュートリアルな意味合いもあるのだろう、この村ではとにかくやることが多い。
あれやこれやとじっくりやっているとなかなか進まない(笑)!
装備を早く整えて、村を出るというのはわかっちゃいるのだが…もうちょっと遊んでいたい。
そんな気分になった。

ここまでのプレイ印象まとめ
・ヌンチャク型リモコン操作はすぐに慣れる
・回転アタックでの移動がキモチよい
・基本アクション&システムは3D『ゼルダ』シリーズを踏襲
・短いデモがところどころ入る
・グラフィックは十分キレイ。靄や霞、ボケカゲなどの表現あり
・BGMに聴き覚えのある編曲メロディがオーケストラで流れる
(シリーズをやっている人にはピンとくるもの多数)

超大作アドベンチャー『ゼルダ』!

最初からプレイして3時間。1つめのダンジョンに入る手前まで来た。
ネタバレになるので言わないが、
序盤なのにいろんなものをビュンビュンと惜しげもなく見せてくれる。

そしてここでまで来るのに割りと長い感じがした。
しかしそれはダラダラと続くものではなく、
急展開をはさんだ魅力的な内容になっている! 

総合印象としては、
・メチャメチャパワーアップした&濃厚な内容の『時のオカリナ』
(ハートのかけらが1/4→1/5に変更。つまりダンジョンで取れるハートの器が多い)
・雰囲気はちょっと『ムジュラの仮面』が入っているかな?
(影の世界があって。ちょっと怖げ←超個人的感想だが)
・序盤から展開が早い。謎が謎を呼び、ビュンビュン飛ばしてくる
・過去『ゼルダ』を想起させるキャラや仕掛け(謎解き)があるように感じた

コレはやばい! もうコレ1本で年末年始は十分な感じ!

これは、ここ最近の3D『ゼルダ』シリーズ作品(発売順)。

1)ゼルダの伝説 時のオカリナ(1998年11月21日/N64)
2)ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(2000年4月27日/N64) 
3)ゼルダの伝説 風のタクト(2002年12月13日/GC)

思えば、どれもガチでクリア。どれも死ぬほどやり込んだ。
そして、今でもどの作品も「神ゲー」だと確信している。

しかし、『ゼルダ』をほんの触りだけとはいえ体験した感想は……、
もしかすると、『ゼルダ』はこれら「神ゲー」の頂点を極める作品になるかも、ということ。

まちがいないと思う。任天堂は何も言わないが、わかっていると思う。
『ゼルダ』がこれらの作品を凌駕する内容であることを。

今回体験してしまったことについて、ちょっと後悔している。
というのも、全然触りとはいえ、わずかながらでもプレイしてしまい、
本番で感動が薄れてしまうのではないか思うからだ。
そういう意味で『ゼルダ』を買おうと思っている人よ、キミたちは幸せだ。
まだ『ゼルダ』を触ってないのだから。

だから進言しておく。プレイする日まで情報は一切遮断して待とう!
そして断言しよう! コレ1本でもWiiを買う価値は十分あると思う。
それだけのソフトよ、この『ゼルダ』は。
あとは、たっぷり取れる時間を用意できるかどうかだと思う。
幸運を祈る!

以上