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中原麻衣インタビュー

衝撃的な内容で話題を呼んだサスペンスアドベンチャーノベル『ひぐらしのなく頃に』。いよいよPS2版の発売が迫る中、『ひぐらし』スタッフに制作中の裏話から新シナリオまで、公開可能な範囲ギリギリまで語っていただいた。ここでは、その一部を紹介する。
イラスト/FFC
  • 原作者: 竜騎士07氏
      『ひぐらしのなく頃に』の原作者。『ひぐらし』ワールドのすべてはこの人が生み出した。
  • 原画:rato氏
      PS2版のキャラクターデザイン・原画を担当。DS用ソフト『怪盗ルソー』でも人気のイラストレーター。
  • メインライター:叶希一氏
      アルケミスト所属のシナリオライター。移植にあたってのシナリオ修正や、新シナリオの総括を担当した。
  • プロデューサー:中川滋氏
      アルケミストの名物プロデューサー。イベントなどでは、“レナ”のコスプレ姿まで披露してくれた。

苦労話あれこれ

――開発中のおもしろエピソードや苦労話などはありますか?
叶:竜騎士さんから“選択肢”の話をいただいたものの、実際やってみて即後悔しましたね(笑)。つじつまを合わせるのも大変だったんですけど、選択肢によって先が見えてしまうと興ざめしてしまうので、その調整に苦労しました。それと、原作は文章と絵だけで見せる演出がとにかく秀逸なので、イベントCGをどう差し込むかにも非常に悩みましたね。
――ratoさんはなにか苦労された思い出などはありますか?
rato:僕も原作をプレイしてたから、『ひぐらし』=竜騎士さんの絵というイメージなんです。なので、デザインには苦労しました。でも、やるんだったら変えなきゃ意味がないとも思って、ディテールは忠実に再現しつつも、けっこうワガママを言わせていただきました。
竜騎士:すみません、一点だけ気になってるんですけど、魅音の立ち絵に拳銃がないですよね。
rato:拳銃がないのは……話の中で全然使われないからですね(一同爆笑)。
竜騎士:あれも最初はアイデアあったんですけどね。実はあれはガス圧が高めてある違法改造エアガンで、しかもBB弾のかわりにボールベアリングを撃つという設定だったんです。ところが、使う前に本当にそういう事件があって。それでボツにしたんですよ。
――イベントCGは、かわいらしいテイストからデフォルメ、怖い系統など、いろいろな絵柄がありますよね。
rato:原作でもあった日常と非日常の使い分けは、相当意識しました。怖いシーンなんかは倫理上、絵を入れられなかったところもあるんですけど、その分、直接描写を避けた日本の怪談的な怖さになったかなと思います。
――そういった“怖さ”というのは、原作版の『ひぐらし』にも通じる感覚ですよね。
竜騎士:結局のところ、原作はサウンドノベル、つまりノベル媒体なので、あえて正面から描かずに怖がらせるという手法になるんです。仮に『ひぐらし』が映画だったら、直接表現バリバリだったかもしれませんが、ノベルだと直接描かないほうが、むしろ想像力をかき立てることがあるんですよね。

また今回は特別に、PS2版で追加される3つのシナリオのうち、かなり凶悪なものになると評判の『憑落し編』に関するスタッフの感想も掲載する。なお、本編が楽しめなくなる可能性がある発言には一部伏せ字を使用している。

最悪のif ~憑落し編~

――『憑落し編』について伺います。こちらはどういうお話なんでしょうか?
rato:エグい話です。
叶:自分たちはいいことをしてるつもりなんだけど、スタートが間違ってたから悲劇しか起こらない。圭一・レナ・詩音の3人がみんなで鉄平を殺しに行ったらどうなってたのか、という話ですね。
竜騎士:だから『祟殺し編』のifですね。本来は『祟殺し編』では圭一しか絡まないから圭一だけで帰結するんですけど、こっちは3人も絡むうえ、みんな■■■■■なので、殺したあとがもうふつうではすまない。
叶:当事者たちは仲よくやっているつもりが、だんだん疑心暗鬼になってきて、仲間割れみたいな感じになっていって。
竜騎士:いやもう本当にエグいですよ。『憑落し』って“憑き”を落とすんだからいいことなんじゃないのって思うんだけど、それこそ“突き落とす”ような話で。
叶:まさにその意味を入れたかったんです。“憑き”っていうのは悪いイメージじゃないですか。それを落とすつもりで行動してたのが、実はみずからを突き落としていた……という。

「G's Festival!」本誌では、『盥回し編』やPS2版完結編『澪尽し編』に関する各スタッフのコメントなども掲載されてるので、「ひぐらし」ファンはぜひチェックしてみよう。

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