interview
KOTOKO
作詞・作曲もこなすボーカリスト。膨大な楽曲群で知られるI'veとともに活動を続け、アニメやゲームの主題歌で絶大な人気を獲得している。4月21日にはジェネオン エンタテインメントからメジャーデビューCDとなる「羽−hane-」をリリース。7月からは、全国6都市を巡るコンサートツアーも予定されている。ハイトーンな歌声と、よく笑う快活な人柄の不思議なギャップが魅力的。

 
 interview 2004年4月20日(火)
1stアルバム「羽−hane-」いよいよ発売!
メジャーデビューへの思いは……?

 4月21日(水)、アニメやゲームの主題歌で活躍するKOTOKOさんのメジャーデビュー1stアルバム「羽−hane-」が発売される。主題歌などで見せている横顔とは、また違った雰囲気でまとめられたこの1枚を、当のKOTOKOさんはどんな思いで作り上げたのだろう。7月から始まる全国ツアーへの意気込みも含めて、メジャーデビューを迎えた印象を語ってもらった。

●メジャーデビューと、「羽−hane-」について●

・「来てよかったねと言ってもらえるようなライブにしたい」

DOL「いよいよメジャーデビューCD「羽−hane-」が発売されますね。ライブの全国ツアーも予定されているようですが……」

KOTOKOさん「ライブとなると、お仕事としては1回もやったことがないので、今回が初めてと言っていいと思います。念願だったので喜んでいる反面、どんなものになるのか予想できないので緊張もしているんですよ。不安もいっぱいありますけど、支えてくれてるスタッフさんや、ずっと応援してくれてるファンの皆さんの期待に応えられるような……「来てよかったね」と言ってもらえるようなライブにしたいと思います」

DOL「全国6都市を巡る、大掛かりなツアーのようですが」

KOTOKOさん「ネットなどを見ていると、遠方に住んでいる方もたくさん聴いてくださっているのが伝わってくるんですよ。遠くてイベントに行けないといった声も聞こえてきてましたので、もしライブが実現するなら全国どこへでも行きたいなって思っていました。私が北海道で活動しているので、遠方の辛さっていうのは身に染みてわかりますので。できるだけ、私の方からいろんなところに足を運ぶ活動をしてみたかったんです。私1人で行けるものなら、応援してくれてる方の隣へ行って唄いたいくらいなんですけど(笑)。できるだけ皆さんの近くへ行って唄いたいと思っていたので、ここまで大々的にライブという形をセッティングしてくれた周囲の皆さんには本当に感謝したいです」

DOL「各地の会場には、すでにご存知の場所もあったりしますか?」

KOTOKOさん「いえそれが、北海道以外はサッパリ(笑)。どんな場所なのか全然わからないので、想像もつかないんですよね。その場に行ったら「はぁーっ! 広いよー!! 何人入るんだよー!!」って急に緊張し始めるんじゃないでしょうか」

 


・「羽はタイトルでもあるし、曲自体が自分自身でもある」
DOL「今回のアルバムは「羽−hane-」というタイトルがついていますが、その由来がありましたらお願いします」

KOTOKOさん「「羽」をアルバムのタイトルにしたのはですね、まず……ええと、以前自主制作で「空を飛べたら…」というCDを作っているんですけども、「羽」もその中に収録されていた曲なんです。その「空を飛べたら…」を、今回プロデュースしてくださってるI've(※1)の高瀬一矢(※2)さんに聴いていただいたときに、とても「羽」を気に入ってくださいまして。もし私個人のアルバムをオリジナルで出すことがあったら、「羽」を再アレンジして出したいねとおっしゃってくれたんです。それが今回のタイトルのきっかけみたいなものですね」

DOL「それで、いよいよアルバムが制作されることになって……」

KOTOKOさん「2人で「羽」だよね、うんそうだね、と即決しました(笑)。オリジナルをやるにあたって、「羽」は一番大事な存在になっていましたから」

DOL「「羽」という言葉には、どんな思いが込められているんでしょう?」

KOTOKOさん「前のアルバムのタイトル「空を飛べたら…」もそうなんですけど、空への憧れとか、大きいものに対する夢みたいなものをずっと持っていたんです。そういうものと比べて、自分は小っちゃいな、弱い存在だなと感じていたんですよ。そんな自分の姿を「羽」に重ねました。「羽」って、風に流されてフワフワして、たまには地面に落ちたり、水に流されちゃったりっていうこともありますけど、風に乗って舞い上がることもできますよね。いつかは自分も「羽」のように空高く舞い上がることができるんじゃないかな、できたらいいな、そんな自分の気持ちをひと言で表すと「羽」。タイトルでもあるし、曲自体が自分自身でもあると思っています」

DOL「では、アルバムに収録されている13曲の中で一番思い入れがあるのも?」

KOTOKOさん「もちろんそうですね、「羽」です」

DOL「曲順によると最後の曲ではないんですね」

KOTOKOさん「私の中では、アルバムって1つの映画を観るような気持ちで聴いてもらえたらいいなと思ってるんです。だから一番最後の曲というのは、エンディングロール的な位置づけですね」

DOL「なるほど、では「羽」は物語の最後のクライマックスシーンに当たるわけですか」

KOTOKOさん「はい、それでCDはこの順番なんです」

DOL「アルバムを拝聴しましたが、主題歌などで聴いている“KOTOKOさん”とは全然雰囲気が違っていて新鮮でした」

KOTOKOさん「主題歌のときは、あくまでもゲームなりアニメなりの引き立て役だと思って唄っています。作品ありきで、唄い方や詞も内容に沿ったものをと意識しているんですよ。それに対して今回の「羽−hane-」は、素の部分というか、私をそのまま表現したような感じですね。そのぶん、難しかったというのはすごくあるんですけど」

DOL「7月からのライブでも、アルバムの曲が中心になるんでしょうか?」

KOTOKOさん
「ライブでの演奏曲はまだ企画段階で、全然決定してないんですけども(笑)アルバムの曲はできれば全部やりたいです。ただ、私がここまで来れたのもゲームやアニメで知ってくださった方々の応援あってこそですので、そういう皆さんが楽しんでもらえるライブにもしたいと思っています。今までやってきた主題歌の中からも、ライブで唄える曲があるといいなって計画中です」

DOL
「キュンキュン(※3)とかですかね?」


KOTOKOさん「あはははっ、それはまだ。なんとも言えないですね」

DOL
「……」

KOTOKOさん
「……ぷっ」

DOL
「……キュンキュン(ぼそっ)」

KOTOKOさん
「……ぷっはっはっはっはっ!」

 
 思い出し笑いだろうか、自分がキュンキュンやってるところを想像したのだろうか? とにかく、今日もよく笑うKOTOKOさんだった。
 

●詞に込めた思い

・「1つ1つに思いが詰まっている」
DOL「歌詞やフレーズを思いつくのは、どんなときなんでしょう」

KOTOKOさん「私の場合、すごく日常的なところから作詞するんです。なんというか、「こうだっ!」って意気込んで書いたりはしてないんですよ。普段なにげなく見ているようなものから、物語が浮かんできたり、パッと瞬間的に思いついたり。それを書きとめておいて、詞や曲にしていく感じなんですね。誰もが日常の中で胸の中にしまっていたり、話したりはしないけどふとつぶやりたりってことがあると思うんですけど、そういうことの延長なんです」

DOL
「そうしますと、ネタ帳みたいなものがあって、それがいっぱいになっているわけでしょうか?」

KOTOKOさん
「本当に詞の浮かぶところってさまざまなので、チラシの裏に書いたり、手帳の後ろの方をちぎったりとか(笑)。もうぐちゃぐちゃなので、ファイルにポコっと入れておいて後で取り出したりっていうことが多いですね。ただ曲を先にいただいた場合は、それを聴いてイメージがぶわーっと広がって、一気に書いちゃうこともあります」

DOL
「では、今回のアルバムに収録されている13曲の中で特に印象的な歌詞はどれですか?」

KOTOKOさん
「特に印象的な歌詞は……うーんどれだろー……歌詞はいろいろあるんですよねー。それぞれに思い入れがあるので」

DOL
「うむっ、それでは! 歌詞1つ1つにコメントをいただきましょうか!」

同席していたジェネオンの中の人
「で、出たっ」


KOTOKOさん
「あはははっ(笑)

DOL
「ふむ? 「出た」ということは何かあるんでしょうか?」

中の人
「もう、歌詞はね。1つ1つ思いが詰まってますから」


KOTOKOさん
「あのー……えへ、ごめんなさいー」

DOL
「いやもう、電撃オンラインはWEB媒体ですゆえ文字数の限界とかないですから! 大丈夫です! あと6時間録れます!」(手元のボイスレコーダーを確認しながら)

中の人「ごめんなさい、ボクが持ちません……でも、がんばります!」(たたずまいを正す)

KOTOKOさん
「そ、それでは! 行かせていただきます!」

DOL
「お願いします!」

KOTOKOさん
「あ、でも「Introduction」は歌詞がないので飛ばしますね」

中の人
「カクッ」

 

 
・♯2 Asura
KOTOKOさん「まず「Asura」ですが、作曲をされた高瀬さんから「こんな感じで」っていう要望が最初にありまして」

DOL
「どんな要望だったんでしょう?」

KOTOKOさん
「そうですね……「いろいろと辛いことがある世の中なんだけれど、でもどこかには夢や愛があって、みんなそれを信じているんだよ」という感じですね」

DOL
「(高瀬氏の口マネをしながら)うーん、なァんちゅうんだろうな、辛いことあるみたいだけどな〜って感じですか」

KOTOKOさん
「(高瀬氏の口マネをしながら)うーん、なァんだろな〜、夢とかさ、あるんだよな。って感じですね(笑)」

DOL
「そんなお題をイメージしながら歌詞を書かれた、と」

KOTOKOさん
「はい。でも書き出してみると、お題よりももうちょっと重い感じの……生きていく辛さみたいな部分にスポットが当たっちゃいまして。最終的には、こんなに辛くて争ったりしながら生きてるんだけど、やっぱり愛や夢っていうのはみんな信じていて、諦めきれないんだ……という感じにまとまりました」

DOL
「なるほど……」

KOTOKOさん
「だからなんだ! とか、こうしろ! ってわけじゃないんですけどね(笑)」

DOL
「タイトルの「Asura」は、やはり神様の阿修羅(※4)から?」

KOTOKOさん
「ええ、阿修羅の別読みで“アスラ”と読むんですけれど、阿修羅って争いを始めとするいろいろな顔を持ってる神様の名前なんですよね。他にも、争いの耐えない世界っていう意味もあるんですよ。曲のテーマとぴったり来るなと思って、タイトルにしました。人間の中でも、いい部分と悪い部分が背中合わせってありますよね。それを歌にしたかったんです」


 

・♯3 冬の雫
KOTOKOさん「このアルバムで、私が作詞作曲をした中では一番好きでお気に入りの曲です。曲、歌詞、ボーカル、アレンジ、全てにおいて一番満足行った感じですね。曲を作るときって、全部の曲においてそうなんですけど、ぱーっと絵が脳裏に浮かんでくるんですよ。「冬の雫」の場合は、雪の降り積もった丘にオカリナを1つぽつんと置いてる絵が浮かびまして。そのオカリナが、寂しく唄っている……というイメージでした。レコーディングのときは“私がいかにオカリナになれるか”の勝負みたいなところがありました」

DOL
「では、オカリナの音色をイメージして唄ったんですね」

KOTOKOさん
「私の声って、どちらかというと笛系だと思うんですよ。管楽器というか。歌によってどの笛になるかはわからないんですけど、この曲はオカリナだなって思いまして。オカリナの音って、温かいんだけどどこか寂しいような音がしますよね。この曲もそんなイメージで伝わったらいいなって思いながら唄いました。レコーディングのときも、「オカリナになる!」ってスタッフさんに宣言して(笑)。でも録音を進めていくと、なかなかその、なんというかピタッとオカリナになれなくて。高瀬さんも「う〜ん、まァだ違うよね」とかおっしゃってたんですよ。それで、四苦八苦しながら最後の最後でようやく「オカリナになれたね」「うん」という感じで満足いくものになりました」


 

・♯4 疾風雲
KOTOKOさん「「疾風雲」(はやてぐも)はですね……コミックマーケット61(2001年12月29日開催)で販売した「hitorigoto」というCDに入っている曲でもあるんですが、今回の「羽−hane-」で都合3回目の収録になります。この曲は歌詞もそうなんですが、唄い方でも無理をしていなくて、何回録ってもすぐにオッケーが出るんです。私らしいというか、足しもせず引きもせずっていう、本当に身長ピッタリな感じの歌です。これまでの3テイクは全部別のバージョンで発表していますけど、自分としても楽なスタンスで唄わせてもらっています」


 

・♯5 Gratitude 〜大きな栗の木の下で〜
KOTOKOさん「今回の「羽−hane-」は、タイトルにもなっている「羽」が一番核になる曲なんですけれど、この「Gratitude」も裏タイトル曲と言っていいほどの仕上がりになっています。一番最後に上がってきた曲で、ちょっと不思議なエピソードがあるんですよ」

DOL
「とおっしゃいますと?」

KOTOKOさん
「中沢さん(※5)が書き下ろしてくれた曲なんですが、受け取ったときになぜか“風邪をひいたときの匂い”がしたんです」

DOL
「???」

KOTOKOさん
「いえあの、鼻の奥がくすぐったくなるような……ああもう、なんて言ったらいいんでしょう。それで、なんとなく懐かしいな、って思いながら詞にとりかかったら親のこととかを思い出しまして。こうしてアルバムを出したりできていますけど、そんな風に歌手としていろいろ活動させてもらっているのは、生まれてから出会ってきた誰1人欠けても“今の私”はありえないんだな、って。そんな皆さんへの恩返しの思いを込めて、このアルバムを聴いてほしいな、って。そういう思いを持ってアルバムを作っているときにこの曲を受け取って、懐かしい気持ちになって。詞を書いているうちに、今まで出会ってきた皆さんへの感謝の気持ちが凝縮された形でまとまったんです。意図的にやったわけじゃないんですが、いつの間にかアルバムへ込めた気持ちが詰まっている曲になりました。だから、裏タイトル曲。大事な曲になりました」

 
 蛇足ではあるが、Gratitudeとは「感謝」という意味である。
 


・♯6 幻影
KOTOKOさん「「幻影」はですね、私がデモ用のメロディを作ったときは、劇的というか感情があらわになるような曲だったんですよ」

DOL
「はい」

KOTOKOさん
「……だったんですけど、アレンジが180度方向転換したもので仕上がってきまして。私が曲を作るときは、なんとなくこんな感じでーっていうデモを出すんですが、そのあとはアレンジャーさんにお任せ状態なんですね。それで上がってきたら、“感情を出す”というよりも“揺れ動く気持ちはいっぱいあるけど、それを押し殺して押し殺して”っていうイメージになっていたんです。でも、せっかくこういうアレンジをいただいたんだから、私も合わせて唄いたいなと思いまして。唄い方もガラっと変えたかったんですが、普段の私は感情をバッと出して唄うタイプでしたので、押し殺すような声の引き出しがなかったんですよ。レコーディングをするまでずっと、どうしたらいいんだろうと悩んだり、いろいろ唄ってみたりしたんですけど……もうできなくてできなくて。1回試しに録ってみたんですが、私とスタッフさん全員で「うーん、どうなんだろうかこれは」状態になっちゃいまして(笑)。日を置いて、改めて録り直したりしましたね。時間をかけて何度も録り直して、最終的にはアレンジャーさんの意図するところまで到達することが……できたかな……自分でも疑問ですけれど、できるところで精一杯雰囲気を作って唄えましたので。このアレンジをしてくれたSORMAさん(※6)には感謝したいです。本当に勉強になりました。ちょっとだけ成長できたかな、と思う曲です」

DOL
「引き出しが増えたかな、と」

KOTOKOさん
「そうなのかな、そうだったらいいなと思います」



 
・♯7 痛いよ
KOTOKOさん「「痛いよ」は作り始めのころからとても好きだったんですが、中坪さん(※7)がアレンジしてくださったことでさらに好きになった曲です。「幻影」と同じで、アレンジが仕上がったときは「アレレ?」って思ったんですけど、唄っていくうちにどんどん好きになっていって。最終的には、このアレンジ“だから”好き、というところまで行きました。アレンジャーさんの力って、本当に素晴らしいなって思います」

DOL
「スタッフにも恵まれた感じですね」

KOTOKOさん
「そうですね。あと、この曲は女の子にぜひ聴いてほしいです」

DOL
「それはどうしてですか?」

KOTOKOさん
「詞に込められた思いですとか、一番女の子視点で唄ってる曲なんです。他の曲も、私自身が女の子なのでどうしても女の子視点にはなるんですが、人間として感じていることを書いた詞が多かったりするんですね。でも、「痛いよ」は女の子の素直な気持ちを詞にしました。私も女性ボーカルが好きで、憧れる気持ちを持って聴いていたので、女の子に聴いてもらえるようなアーティストになりたいなという夢はずっと持っているんです。だから、ぜひ女の子に聴いてもらって、そして共感してもらえたら嬉しいなあと思います」

 


・♯8 ひとりごと
KOTOKOさん「これも「hitorigoto」に収録されている曲ですね。今回も詞・曲ともに満足のいくものになりました」

DOL
「前回と比べて、変えた部分や新しくなった部分はありますか?」

KOTOKOさん
「そうですね、前の「ひとりごと」よりも2歳くらい年上になったかなって思います」

DOL
「前より落ち着いた感じ、ですか」

KOTOKOさん
「落ち着いた中にも切なさを込めたつもりなので、ちょっと成長した私を見てほしいですね。あと、この曲はぜひ北海道は札幌に来ていただいて、ポプラ並木の下で聴いていただきたいです」

DOL
「ポプラですか?」

KOTOKOさん
「はい、歌詞の中にポプラ並木が登場する箇所があるんですが、北海道にはいっぱい生えてますので(笑)。有名なところでは、北海道大学のキャンパス内でしょうか。もし機会があったら、ポプラ並木を歩きながら聴いてほしいですね。この曲の世界が、より鮮明にイメージできると思いますので

DOL
「そんなこと言っちゃうと、ファンの間で“聖地巡業”とか起こるかもしれませんよ。ポプラ並木まで行って写真撮って、自分のサイトに載せる人とか(笑)。コンサートの全日程を回る人とか」

KOTOKOさん
「えー、そんなことになったら、アーティストやっててよかったって感じですねー(笑)」


 

・♯9 声が届くなら
KOTOKOさん「今回の「羽−hane-」は、高瀬さんの他にもう1人、トータル的にディレクションをしてくれた方がいらっしゃるんですけれど……その方に、私の作ったオリジナル曲をいっぱい聴いてもらっていたときに、「詞も曲もいろんなものが作れるし、切ない曲が好きそうなのも伝わってきたけど、これが私です! これがKOTOKOだ! とガツンと来るものがないんだよね」と言われまして。じゃあそういうのを1曲書きましょうか、と期限付きで課題を出していただいたのがこの曲です。なので、普段なら心の中だけでいいカナーと思っていることを素直に詞にしました。難しい言葉や比喩を使うよりはストレートにいこう! と思って書いた詞なので、かなり自分の内面みたいなものがドッカーンて出ちゃってるんです」

DOL
「それはそれは」

KOTOKOさん
「聴いてほしい反面、これが私です! と全裸を見られてるみたいで恥ずかしいですっ」

DOL
「あー……」(反応に困る)

KOTOKOさん
「思い入れはありますけどね。でも、「どれどれー? んー?」っていう風に聴かれるとちょっと恥ずかしいかなっていうー」

DOL
「これは書かない方がいいんでしょうか」

KOTOKOさん
「いえ。書いてください!(力強く)

DOL
「別の言葉の方がいいんでしょうか? “等身大の自分”とか」

KOTOKOさん
「等身大っていうよりも、もっと深い部分? 内臓というか……」

DOL
「な、
内臓!?」

KOTOKOさん
「一番深い部分を見られている気がするので、照れますです。はい。てひ(ホントにこう笑った)」



 
・♯10 Lament
KOTOKOさん「これはI'veで出しているコンピレーションアルバムに含まれている曲なので、それの再録音という形になるんですね。実は、他の子が唄う予定で書かれた詞なので、その子をイメージしながら作っていた側面があります」

DOL
「どんなイメージなんでしょう」

KOTOKOさん
「その子は、昔ちょっと悲しい思いをしている子で。私も学生時代いろいろありまして、辛い経験とかしていたので、その子と自分を重ねながら書きました。その子のためでもあるけど、自分のためでもある。そんな感じの歌詞になりましたね。でも、辛い経験があったからこそ、きっと今の自分があるはずなので、暗い過去だとは思っていないんです。辛い思いをしている反面、ここで全部を諦めちゃダメだなっていう気持ちもあるんですね。いつも私は、暗さを感じさせる内容の詞を書いていても、どこかに希望を見出したいなっていう気持ちを持っています。みんな辛い思いを抱えながら生きているけど、それでも一生懸命歩いているんだよね……そんな思いを込めました。だから、思い入れも強い曲ですね」



 
・♯11 足あと
KOTOKOさん「写真のアルバムを見ていて、懐かしい気持ちになって……というところから始まる曲なんですけど、「Lament」とは逆転して、とても素直な気持ちで書いています。高校時代の仲間のことを思い出しながら、作詞に取り組みました。みんなそれぞれの道を歩いていて、年に1回会えるか会えないかって感じなんですけれど、それぞれに頑張っていて。今充実している人も、そうでない人も、そこがゴールってわけじゃなくて。今まで歩いてきて、そしてまたここから続いて行くんだな、っていう素直な気持ちですね。だから「こうしなきゃいけない!」みたいな強いメッセージ性はないんです。人それぞれだよ、みんな一生懸命なんだよ、ということをただ言いたくて。私の中では、とても大事なことなんです。そういう、歌ですね」


 

・♯12 羽
KOTOKOさん「「羽」は先ほどお話したので、ほとんど全てなんですけれど(笑)」

DOL
「まぁまぁそうおっしゃらず」

KOTOKOさん
「ええと。この「羽」自体が私自身だっていう思いはありまして、歌詞もそうですけど、唄い方も一番自分らしい唄い方で臨んでいます。あ、曲調もそうなんですよ。バックのアレンジが重くて、ダークなイメージで、ピアノのキレイな旋律が乗っていて、という。こういう曲調をずっとやりたいと思っていたので、アレンジが仕上がってきたときはすごく嬉しかったですね。でも別に、高瀬さんに「こうしてー」とお願いしたわけじゃなかったんですよ。その意外性がとっても嬉しくて、「こんなのやりたかったんですー!」と言ったら」

DOL
「ん? そーかい? とかおっしゃってましたか?」

KOTOKOさん
「あははっ、そうですね。「ん? そーかい?」と言ってました」

DOL
「……」

KOTOKOさん
「……ぷっくっくっく!!」

DOL
(また思い出し笑いだろうか……)

KOTOKOさん
「あー、それでですね。今回の「羽−hane-」は私の曲や詞を聴いて欲しいなというのはもちろんあるんですけど、I'veサウンドも楽しみにして欲しいですね。私自身、I'veさんと一緒に活動できるのをとても嬉しく思っていますし。きっとファンの方にも、I'veサウンドが聴きたいって方がいっぱいいらっしゃるんじゃないでしょうか。アレンジを始め、サウンド自体も聴いてほしいですね」

DOL「これは私感ですが、I'veサウンドとKOTOKOさんのボーカルって、すごく相性がいいように思うんですよ」

KOTOKOさん
「そうですか? そうだったら嬉しいですねー。私自身I'veサウンドのファンなので、一緒に活動できることがすごく幸せなんです」

 


・♯13 カナリア
DOL「エンディングロールということですが」

KOTOKOさん
「そうですね。これも、「空を飛べたら…」に入っていた曲なんですけれど……そっちのバージョンは、なんというかすっごい泥臭い(笑)感じなんですよね。私自身の中では、これを聴いた人が「ちょっと怖いかも……」って思うような曲にしたかったので。でも、今回は最初のアレンジとは全く別の表現になっています。ちょっと怖いかもという部分は残しつつも、全然イメージの違う、「カッコいいカナリア」に仕上がりました。アレンジのSORMAさんのカッコよさ爆発という感じです。元を知ってる方には楽しんでいただけるかなって思いますし、私のやりたかった部分もきちんと残っているので、ぜひ聴いて欲しいです」

 
●細かいこともいろいろと●

・実際に飛べたら?
DOL「空に対して強い思い入れがあるようですが、実際に飛べたら行ってみたいところはありますか?」

KOTOKOさん「あー……あのー……」(はにかみつつ)

DOL
「どうぞ?」

KOTOKOさん
「宇宙はブワーッて広がってる、という説がありますよね」

DOL
「ええ、まだ広がり続けてるっていう……」

KOTOKOさん
「ね。その広がっている壁に追いついて、タッチができたら死んでもいいと思ってます」

(一同爆笑)

DOL
「壁まで行って、「今、ここが広がってます! コ・コ・デ・ス・ヨ!! ってやるんですか(笑)」

KOTOKOさん
「そうですね(笑)。その夢が叶ったら、もう地球に戻れなくなって死んでしまっても別にいいかなーって思います」

DOL
「うーん、壁の外側はどうなってるんでしょうね」

KOTOKOさん
「どうなんでしょう。外側はそうですね、同じように広がってる銀河みたいなものがいーっぱいあって、そのひとくくりの外側にもさらに……」

DOL
「壮大な話だなー(笑)。最後はどうなるんでしょう」

KOTOKOさん
「う、うーん? 最終的には、一番外で「ふーん?」って見てる誰かがいるっていう感じ(笑)でしょうか?」

DOL
「高瀬さんみたいな?」

KOTOKOさん
「(高瀬氏の口マネをしながら)うーん、なァんだろなこの銀河系、ちょっと早すぎないか広がりがー」

(一同爆笑)

DOL
「オチを高瀬さんに頼りすぎですな」

KOTOKOさん
「この場にいないのに申し訳ないです(笑)」

DOL
「北海道へ行きたくなってきました」

KOTOKOさん
「はいー、何度来てもいい所ですよー」



 
・メジャーデビューが決まって、変わったこと変わらないこと
DOL「メジャーデビューが決まって、日常生活で変わった部分や……」

KOTOKOさん
(おっ、という表情と、思案するようなそぶりを見せる)

DOL
「精神的な部分で変わったことなどはありますか?」

KOTOKOさん
「精神的にはあんまり変わってないんですよ。曲作りにしても、周囲の方がずっと一緒にやってる方々ですので。すごく安心できて、普段とほとんど変わらないスタンスでやれましたね。肩の力を抜いて制作活動に当たれたので、そういった意味ではとても恵まれていると思います」

DOL
「日常生活はいかがでしょう?」

KOTOKOさん
「やっぱりですね、東京に来る回数がとても多くなりました。マイレージためまくってます(笑)」

DOL
「何かおいしいものとか食べました? 東京名物とか」

KOTOKOさん
「あー……お食事する以外の自由時間ってあんまりないのでー……」

同席していたジェネオンの中の人
「面目ない……」


KOTOKOさん
「いえそんな(笑)。そうですね、ここ最近では、唯一お食事の時間が楽しみかもしれないです(笑)」



 
・最後にひと言
DOL「では最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします」

KOTOKOさん
「はい! えーと、いつも応援してくださってる皆さん! 本当にありがとうございます。今回のアルバムは普段の主題歌のお仕事とはまた一味違って、とっても等身大な素の部分が詰まっていると思います。よかったらぜひお手元において、聴いていただけると嬉しいです。それから、今回のアルバム発売で私の名前を初めて目にしたと言う方がもしいらっしゃいましたら。KOTOKOってどんな人だろう? と興味を持ってくださったら、「ああ、こんな人間なんだな」というのがきっと出てると思いますので、聴いてもらえると嬉しいです」

DOL
「ありがとうございました!」


                  ・ ・ ・ ・ ・

★用語解説
※1【I've】
北海道を拠点とする音楽集団。美少女ゲームの主題歌を多数務め、いまやソフトの売り上げに影響を与えるほどの人気を獲得している。アニメの「おねがい☆ティーチャー」や「おねがい☆ツインズ」などにも参加し、オリコンでも高順位を獲得した。
 
※2【高瀬一矢】
I'veを代表するコンポーザー。愉快なトークと真面目な仕事ぶりで知られる。口ぐせは「うーん。なァんだろな」。
 
※3【キュンキュン】
2003年3月14日に、戯画から発売されたPCソフト『カラフルキッス 〜12コの胸キュン〜』主題歌「さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜」の合の手より。俗に言う“電波系”の曲で、中毒者が続出した。
 
※4【阿修羅】
仏教における、闘いの鬼神。同時に「闘いの絶えない世界」を意味する言葉でもある。ゾロアスター教では光の神アフラ・マズダに、ヒンズー教では悪神アスラにと、宗教によって受け止め方が異なるあたり興味深い。いくつもの面を持つ「阿修羅」ならではの解釈といえるだろう。
 
※5【中沢伴行】
I'veのコンポーザー。骨太のメロディを生み出す傍らで、“電波系”と誉れ高い「恋愛CHU!」を作曲するなど、幅広いテイストで活躍している。
 
※6【SORMA】
YOICHI SHIMADA氏を中心とするユニットで、民族音楽を制作コンセプトとしている。I'veの楽曲では、『PrincessBride』(13cm)のOPとEDなどに編曲で参加。
 
※7【中坪淳彦】
I'veで作曲・編曲を担当。fish toneというテクノユニットを持ち、I'veの楽曲でもテクノテイスト溢れるアレンジを見せている。




「羽−hane-」
■メーカー:ジェネオン エンタテインメント
■発売日:4月21日
■価格:初回限定盤3,500円(税別)/通常版3,000円(税別)
※初回限定盤は、以下の内容を収録した特製スリーヴ仕様のDVDを同梱。
・タイトル曲「羽」のプロモーション映像
・メイキング、レコーディング風景
・他
 
■収録曲
 01. Introduction
 02. Asura
 03. 冬の雫
 04. 疾風雲
 05. Gratitude 〜大きな栗の木の下で〜
 06. 幻影
 07. 痛いよ
 08. ひとりごと
 09. 声が届くなら
 10. Lament
 11. 足あと
 12. 羽
 13. カナリア

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【イベント・コンサート情報】
「KOTOKO/羽−hane-」発売記念イベントライブ
※CDを購入した人が対象。整理券等の詳細は、公式サイトを参照のこと。


「KOTOKO FIRST LIVE TOUR 2004<羽−hane->
■開催日程・場所(開場時間は全会場共通で、17時30分)
 7月24日(土):福岡「DRUM Be-1」
 7月25日(日):広島「NAMIKI JUNCTION」
 7月31日(土):名古屋「Electric Lady Land」
 8月1日(日):大阪「BIGCAT」
 8月7日(土):仙台「JUNK BOX」
 8月8日(日):東京「STUDIO COAST」
■チケット料金:前売り4,410円(税込) 当日4,935円(税込)
■チケット発売日:5月1日10時より、ローソンチケット及びチケットぴあにて
■備考:前売りにてチケット完売の場合は、当日券の販売は行われません。ネット先行販売は全日程満員にて終了。


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■関連サイト
ジェネオン エンタテインメント
I've
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