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2007年9月27日(木)

【CEDEC2007】コーエー社長・松原氏が今後のビジネス展開と未来のビジョンを語る

 9月26日~28日にかけて東京大学で開催されている、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2007」。2日目となる本日は、来年30周年を迎えるコーエーの今後のビジネス展開に関する基調講演が開かれた。

 講師は、コーエーの代表取締役執行役員社長COO・松原健二氏。これまで『信長の野望Online』や『大航海時代 Online』のプロデュースを務めており、オンラインゲームに精通している松原氏が、今回は「社長」の立場から同社のビジネスについて説明を行った。

 最初に、コーエーの企業概要や発売しているソフトのラインナップ、スローガンを説明。2006年は対前年で大きく減収減益となったこともあり、2006年の業績について「昨年は勝ち組と負け組がはっきりしていたが、我が社は負けていた」と語った。
 続いて松原氏は、「ゲームビジネスを取り巻く環境」というテーマで、ここ最近のゲーム業界動向を改めて紹介。PS3、Xbox360、Wiiの次世代機組が世界で1,000万台を大きく超えるものがないことに触れ、「新世代機(次世代機)への移行は過渡期的」と述べた。

 松原氏は、ゲームのプラットフォームや作り方が大きく変化していると指摘。ここ最近は、1本あたりの本数を売るよりも、数多くのタイトルを揃える「規模の効果」を重視している会社が多く、コーエーもその考え方で展開していくことを明らかにした。
 ここで、PS3とXbox360の両方でソフトを発売する、いわゆるマルチプラットフォーム戦略について触れ、「(PS3とXbox360ではプロセッサの)アーキティクチャが大きく異なるため難しい」ことを説明。マルチプラットフォームの環境はまだ十分とはいえず、まだ改良の余地があると話した。
 また松原氏は、PS3とPS2の工数はどの程度違うかについても話した。「あくまでも一例」としつつも、コーエーの場合ではPS3の工数はPS2の2倍以下で収まることをグラフを用いて説明。「ミドルウェアにより開発の工数をいかに減らせるかが大事」とも語っていた。

 この他、コンテンツエクスパンションとして「有力なブランドとの協業」や「他メディアへの展開」などを挙げた。松原氏は「有力なブランドとの協業」の例として、バンダイナムコゲームスと組んだ『ガンダム無双』について触れ「いい装着率(本体販売数に対するソフト販売本数)を得られた」と語った。さらに、「他メディアへの展開」でコーエーが最も成功しているものとして「ネオロマンス」関連商品を説明し、「熱心な女性ユーザーに支えられている」と話していた。
 さらに同氏は、コーエーは北米やヨーロッパでの存在感が強くない点についても指摘。カナダで開発した『フェイタル・イナーシャ』や、シンガポールで開発しているオンラインソフトなど、海外スタジオでの開発も強化していくと宣言していた。





本日9月27日によりプレオープンする『三國志 Online』の映像も流れた。松原氏は「今日この講演が終わったらログインしてみます」と笑顔で語っていた。

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データ

■「CESAデベロッパーズカンファレンス 2007」開催概要
【開催期間】2007年9月26日~28日
【場所】東京大学(東京都文京区)

■関連サイト
「CESAデベロッパーズカンファレンス 2007」
社団法人コンピュータエンターテインメント協会