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2007年9月22日(土)

『アサシンクリード』の美人プロデューサーに直撃インタビュー!

 第3回十字軍遠征という歴史の大きなうねりの中で、要人暗殺の危険なミッションに挑む主人公の活躍を描いた、超大作アクション・アドベンチャーゲーム『アサシン クリード』。海外では2007年最大の期待作として大きな注目を集めている本作だが、開発を手がけているユービーアイソフトのプロデューサー、ジェイド・レイモンド氏が「東京ゲームショウ2007」にあわせて来日した。美人クリエイターが自ら語る、本作の魅力とは? 


――「TGS」の会場で、『アサシン クリード』がついに日本でもプレイできるというので、楽しみにやってきました。

ジェイド:今回の「TGS」には、世界初公開となるミッションを持ってきました。中東の大都市アッカを征服した十字軍の隊長、ウィリアムを暗殺するという内容です。ウィリアム隊長は、リチャード獅子心王から権力を奪い、十字軍をさらに酷い状況にしようと企んでいます。それを食い止めるために、主人公のアルタイルは彼を暗殺するのです。

――アッカの街を歩いている人々の雰囲気が、本当にリアルでスゴイですね。『アサシン クリード』は、こうして街を歩いている群衆の中にまぎれこんで敵に近づくという、従来のステルスゲームとはまったく異なるゲーム性になっていますが、こうした発想はどこから生まれたのですか? 

ジェイド:これまでのステルスゲームは、物陰に隠れてゆっくり移動しながらターゲットに近づいていくっていう、スローペースなものでしたよね。私たちはそれとは違う、もっとテンポが早くてアクション要素の強いステルスゲームを作りたかったんです。そのためのキーポイントとなったのが、街を歩いている群衆です。今までのゲームでは、街を歩いている人々は、ただそこにいるだけの存在でした。でも私たちは街にいる群衆が、直接ゲームプレイに関わるようにしたかったんです。テンポの早いステルスゲームと、群衆がゲームプレイに直接関わるという、2つの要素が結びついて生まれたのが、『アサシン クリード』のゲーム性です。

――たしかに、本作に登場する群衆は、ひとりひとりがすごく個性的ですよね。

ジェイド:最大で180人の人々を、個別にAIで管理しているんですよ。

――180人ですか! スゴイですねぇ。

ジェイド:ほら、群衆の中に箱を持ち歩いている人たちがいるでしょ? 彼らは箱を落とさないようにしているので、他の人たちとは異なる動きや反応を見せるんです。ほかにも、主人公が街を歩いている途中で物乞いの人に施しをせがまれることもありますし、酔っぱらいにぶつかってしまうと逆に主人公が押し返されたりもするんです。また、中には主人公の味方になって、追跡してくる警備兵を足止めしてくれる人もいます。街にいる人々は、本当に個性的なんですよ。

――往来する人々もさることながら、街並みも本当にリアルですね。

ジェイド:今ちょうど、アッカの広大な街並みが目の前に広がっていますけど、ここに見える建物はすべて、個別にモデリングされた立体的なものです。だから主人公は、目の前にあるどんな建物でも、その壁をよじ登ったり、屋根の上を歩いたりできるんです。ほら、この大きな教会を見てください。これは十字軍の当時から今でもアッカの街に建っている、実在の建物がモデルになっているんですよ。

――こうした建物や当時の人々を、ゲームの中に再現するというのは、大変だったのでは? 

ジェイド:このプロジェクトを開始するにあたっては、4人の歴史学者と協力して、たくさんの参考資料を収集しました。当時の人々はどういう行動をして、どんな衣服を身につけていたのか。また舞台となるアッカやエルサレムなどの大都市は、当時はどのような場所で、建物はどんな配置だったのか。協力してくれた歴史学者の1人は、本作と同じ十字軍時代を描いた映画「キングダム・オブ・ヘブン」の歴史監修も手がけた人物です。彼に本作のスクリプトを見てもらって、物語の流れもできるだけ歴史に忠実になるようにしています。でも本当に大事なのは、これがゲームであるという点です。そのために、実際の歴史にはない要素も付け加えたり、ちょっとしたひねりも加えたりして、ただ単に歴史を忠実になぞるだけでなく、ゲームとしての楽しさを追求しています。

――群衆の中にまぎれて移動したり、建物の壁をよじ登って自由に移動したり、一撃で敵を暗殺したりと、主人公は本当に多彩な行動ができますよね。でもすべてのアクションは、基本的には4つのボタンだけで操作できます。こうしたシンプルな操作にするのには、かなりの調整が必要だったのでは? 

ジェイド:これでもまだ、私たちが本当に望んでいたほど、簡単にはなっていないんですけどね(笑)。このゲームでは、状況をしっかりと判断して、ゆっくりと歩いたり、走ったりしなければならないわけですから、そのためにはある程度の時間をかけて、操作を習得する必要があります。今回の「TGS」でお見せしたミッションは、すでにいろいろな能力を身につけた後に挑戦することになるものです。しかしゲームを開始した時点では、アッカのような大都市ではなくて、もっと狭いエリアが舞台になっていますし、武器や能力に関しても、段階的に入手していく形になっています。

――実は僕らも、TGS会場のマイクロソフトブースで『アサシン クリード』を実際にプレイしてきたのですが、ビジネスデイだというのに試遊台が90分待ちという、大人気になっているんですよ。日本でも本作がこれだけの関心を集めているということについて、どう思いますか? 

ジェイド:日本のみなさんに『アサシン クリード』がそれだけの関心を持ってもらえたというのは、本当にワクワクするようなことですし、たいへんうれしく思っています。日本はビデオゲームが発祥した地だと思っていますし、私個人も日本の最新の状況にはすごく興味があります。日本にいる間に新しいゲームを買ったりもしているんですよ。そんな日本で期待を集めているというのは、本当に素晴らしいことだと思います。11月29日に『アサシン クリード』が発売されたら、みなさんもぜひこのゲームを楽しんでください!

――ありがとうございました。

笑顔が素敵なジェイド・レイモンド氏。海外では彼女個人のファンクラブができるほど、話題を集めているゲームクリエイターだ。




データ

▼『アサシン クリード』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PS3/Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2007年予定
■価格:未定

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