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2007年9月21日(金)

バンジースタジオのスタッフが自ら明かす『Halo3』のココがスゴイ!

国連宇宙軍の英雄「マスターチーフ」が、異星人コヴナントを相手に大喝を繰り広げる、壮大なスケールの超大作SFシューティングゲーム『Halo3』。発売まであと1週間と迫ったこの作品のプロモーションのため、開発を担当しているバンジースタジオのスタッフが、東京ゲームショウにあわせて来日した。これまで謎に包まれていた、シリーズ完結編の詳細な内容が、開発者のインタビューとデモンストレーションにより、ついに明らかになった! 

ジョンティ・バーンズ氏&ジェイ・ウェインランド氏

来日してインタビューに応じてくれた、バンジースタジオのお2人。右側がプロダクション・ヘッドのジョンティ・バーンズ氏で、左がオーディオリードのジェイ・ウェインランド氏だ。ところで、ジョンティ・バーンズ氏が着ているシャツには、なにやら謎のカタカナが……!? 

――あのう、いきなりで恐縮なんですが……ジョンティさんが着ているTシャツの文字が気になるんですけど? 

ジョンティ:「コルタナヲスクエ」、つまり「コルタナを救え」だね。『Halo2』のラストで、マスターチーフをサポートしていた女性型人工知能のコルタナは、グレイヴマインドと名乗る敵に捕まってしまったよね。でも彼女は『Halo3』の物語で、極めて重要な役割を果たすことになるんだ。僕の隣にいるジェイは、地球を救うことよりも、コルタナを救うほうが重要だと言ってるんだよ(笑)。

ジェイ:彼女を救うついでに、地球も救ってしまおう(笑)。

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↑女性の姿と声でマスターチーフを誘導する人工知能のコルタナは、シリーズのファンにはすっかりおなじみの人気キャラ。敵の手に落ちた彼女の運命は、いったいどうなる? 

ジョンティ:それはともかく、『Halo3』の内容についてだね。1作目の『Halo』では、スケールの大きな戦闘と、高度に洗練された敵のAIを提示することができた。そして『Halo2』では、ストーリーの持つさらなる奥深さを伝えることができた。でも2作目のラストで、マスターチーフが「この戦いにケリをつける(Finish the fight)」と言っているのに、肝心の戦いを見せるところまではいかなかったよね。今回の『Halo3』でようやく、最終決戦をみんなに体験してもらえるよ。

――いやぁ、ホントに、この日が来るのが待ち遠しかったですよ。

ジョンティ:ただ僕らとしては、3部作をどうやって完結させるかということ以上に、労力を注いだ点がある。それは、この壮大な物語を、プレイヤーのみんなが互いに共有できるようにするための仕組みを作ることだ。「体験の共有(Social Experience)」の要素を、できるだけ多く取り入れることで、ゲームをより豊かに楽しめるようにしたかったんだ。

――「体験の共有」というのは、具体的にはどういうことなんですか? 

ジョンティ:みんなも友だちと一緒に映画を観に行って、ワイワイと感想を話し合ったり、後からDVDでお気に入りのシーンを一緒に見直したりするだろ? 僕らはそういう体験を、コンピュータゲームでも味わえるようにしたかったんだ。ちょうど今ここに、僕とジェイの2人が一緒にキャンペーンモードをプレイしたデータが保存してある。見てみるかい?

――もちろんです! 

ジェイ:これを見ることで、「体験の共有」のために用意された2つの要素を、同時に説明できる。まずひとつ目は、『Halo3』では最大4人のプレイヤーが協力して、キャンペーンモードを共同でプレイできることだ。ここでは、僕がマスターチーフを、そしてジョンティがアービターを操作している。

――アービターは、『Halo2』でコヴナントに反逆したエリート族の戦士ですよね。やっぱり彼らは、マスターチーフと一緒に戦うことになるんですね。

ジェイ:そのとおり。ちなみに協力プレイには、「キャンペーンスコア」と「メタゲーム」という、2つの楽しみ方が用意されている。「キャンペーンスコア」は、協力プレイに参加しているプレイヤー個々の活躍ぶりを評価して、その得点を競うことができるというものだ。それから「メタゲーム」というのは、協力プレイ中にゲームが簡単すぎると思ったら、その場で難易度を変更できるというものだ。プレイヤーのシールドをゼロにしたり、一撃で即死したりする設定を選ぶと、ゲームはものすごく難しくなるよ。

ジョンティ:では、「体験の共有」のもうひとつの要素をお見せしましょう。『Halo3』では、キャンペーンやオンライン対戦を問わず、すべてのリプレイデータを保存できる「セーブフィルム」という機能があるんだ。自分のプレイの様子を後で見直して、作戦を研究するために使うことも、もちろんできる。でもそれだけじゃなくて、セーブしたフィルムを全世界の人たちに公開して、自分のプレイ体験をみんなで共有できるんだ。

――まさに、みんなで映画を観て感想を言い合うのと同じですね! 

ジェイ:そのとおりだよ。ここに保存してあるフィルムは、昨日の夜、ジョンティと2人でプレイした時のデータだ。ちなみに、すでに完成している日本語版のゲームでプレイしているんだよ。セーブしたフィルムを再生する際には、カメラを好きなように動かせる。参加しているプレイヤーそれぞれの視点に、次々と切り替えていくこともできるし、フィルムの再生を一時停止させて、反対側の視点までグルリと回転させることだってできるんだ。

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↑ここで画面上に、異星人コヴナントの巨大兵器、スカラベが出現! マスターチーフと、彼とともに戦う異星人のアービターが激しい攻撃を加えると、スカラベは轟音とともに爆発する。

ジェイ:こんなふうにスカラベを破壊したカッコイイ場面を、みんなに公開したいと思ったら、セーブしたフィルムを編集して、Xbox Live上にアップロードすればいい。アップロードするのは動画そのものじゃなくて、キャラクターの動きを記録したデータだから、容量自体は数メガバイト程度の軽いものだ。だからHDDに数百個ものフィルムを保存することだってできるよ。

ジョンティ:最近では、ネット上にいろいろなゲームのプレイ動画がアップロードされているけど、『Halo3』のフィルム機能なら、もっと簡単に公開できる。バンジースタジオの公式ホームページ「bungie.net」では、人気の高いフィルムのダウンロード・ランキングを選出する予定だし、特に素晴らしい内容のフィルムは「バンジーのお気に入り」としてピックアップする。だからみんなは、僕らのオススメをチェックして、そのフィルムをダウンロードしてくれれば、手軽に楽しめるはずだよ。

――なるほど。プレイ動画をネット上で公開するのって、最近のゲームではちょっとした流行ですけど、『Halo3』ではそれが公式にサポートされてるんですね。

ジョンティ:「体験の共有」ということから生まれた、さらに大きな要素は「フォージ」と呼ばれる新しいモードだ。次はこれをお見せしよう。「フォージ」では、最大8人でマルチプレイヤー対戦ができるんだが、通常のマルチプレイ対戦と異なるのは、「モニター」と呼ばれるキャラクターを選ぶと、マップ上の武器や障害物を、自由に動かしたり、追加したりできるんだ。いわゆるエディットモードと同じだね。

ジェイ:武器や、障害物、乗り物にテレポーター、そして復活ポイントと、なんでも配置したり、移動させたりできる。マップの地形自体を変更することはできないけど、通路を障害物で塞いだり、テレポーターを配置したりすることで、マップの構造をまったく別のものにしてしまうことも可能だ。

ジョンティ:「フォージ」が普通のエディットモードと違う点は、たとえ対戦している最中でも、モニター役のプレイヤーは、そのままマップ上のオブジェクトを操作できるという点だ。仲間のところに武器を運んだり、空中から巨大な障害物を降らせたりと、なんでもありだ。モニター役のプレイヤーはちょうど、テーブルトークRPGのゲームマスターみたいな役割だね。

――対戦をどう盛り上げるのかは、プレイヤーの発想次第、というわけですね。

ジョンティ:「フォージ」モードなら、今までにはなかった新しい遊び方を生み出すことだってできる。バンジースタジオの内部では、「野球」を作って遊んだこともあるよ。ロケットランチャーから発射された弾を、グラヴィティハンマーで打ち返して、占領ポイントで作ったベースを順番に回るんだ。しかも野球なのに、対戦相手を銃で撃つこともできる(笑)。

――あはははは。しかし、そうなると本当に、プレイヤーの発想力が問われますね。

ジョンティ:面白いマップができたら、Xbox Liveを通じて全世界のプレイヤーに遊んでもらうことができる。もちろんフィルムと同じように、ダウンロードの人気ランキングや、「バンジーのお気に入り」も用意するよ。

――お話を聞いていると、ゲームそのものと同じぐらい、他のプレイヤーが生み出したコンテンツを体験するのが、楽しみになってきました。

ジョンティ:僕らはゲームを通じたコミュニティというものを、とても大事にしている。1作目から『Halo2』へ、さらに『Halo3』へと進化していくあいだに、たくさんのプレイヤーから意見をもらったし、それによっていろいろなものが生み出された。そして『Halo3』では、「体験の共有」の各要素を通じて、プレイヤーのみんなに、広い意味での開発スタッフの一員になってもらいたいんだ。そうやって世界中のプレイヤーが一緒になってゲームを盛り上げていけば、『Halo3』はかつてない、革新的なゲームになるはずだよ!

――どうもありがとうございました。

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データ

▼『Halo 3』
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:STG
■発売日:2007年9月27日
■価格:7,140円(税込)

■関連サイト
『Halo 3』公式サイト
Xbox.com