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2007年8月29日(水)

「5つのサプライズ」に会場騒然!?「LEVEL5VISION2007」で、2本の新作が明らかに

 レベルファイブは、本日8月29日に東京・エプソン品川アクアスタジアムにて新作発表会「LEVEL5 VISION 2007」を行った。

 この発表会の冒頭で挨拶に立ったレベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏は、「5つのサプライズを用意している」と宣言。その言葉通り、完全新作の公開や豪華ゲストの出演など、会場を訪れた関係者・報道陣を驚かせる発表が立て続けに行われた。

■SURPRISE1 「最新作に驚きの出演者」

 最初の発表は、11月29日発売のDS用ソフト『レイトン教授と悪魔の箱』について。この作品は、2007年2月に発売され、出荷本数は60万本以上を記録したDS用アドベンチャー『レイトン教授と不思議な町』の続編にあたる。今回の事件の発端となったのは、“レイトン教授”の友人でもあり、師でもある“シュレーダー博士”から届けられた手紙。博士に会うため、超豪華列車「モレントリー急行」に乗り込んだ“レイトン教授”は、「開けた者は必ず死ぬ」と言われる「悪魔の箱」を巡る事件に巻き込まれてしまう……。

【スクリーンショット】

 この発表で日野氏が強くアピールしていたのは「映画級」というキーワード。ロムの容量を前作の2倍に増強し、「ナゾ」、ストーリー、アニメーション、出演者、あらゆる面で、超大作の要素を持っていると胸を張る。ゲームのキーとなる「ナゾ」の監修は、前作と同様「頭の体操」シリーズの著者として知られる千葉大学名誉教授の多湖輝氏が担当。日野氏の紹介で壇上に登場した多湖氏は、今回の「ナゾ」の多くは、日野氏の要望によって、本作用に新規に作成したものだと説明。「ゲームのストーリーに沿った内容の「ナゾ」を作成してほしいと頼まれて。ムリと言っても聞かないんです。私もこだわりがあるほうですが、その上をゆく、メチャメチャこだわりのある人です」と制作時のエピソードを暴露し、日野氏を苦笑させていた。多湖氏は日野氏のリクエストに応えるため、千葉県のリゾート地・御宿で3日間にわたる「ナゾ作成合宿」を敢行したという。多湖氏にとっても「頭の体操」になったとコメントし、会場を笑わせた。

『レイトン教授と悪魔の箱』を「すごいタイトルに仕上がっている」という日野氏。 「ナゾ」監修にあたり、自身も合宿に参加した多湖氏。日野氏によれば、若いスタッフ以上に元気だったとか。

 なお、本作のキャラクターを演じるのは、前作と同様“レイトン教授”に大泉洋氏、“ルーク”に堀北真希さん。また、本作から登場する新キャラクター役に、俳優の大沢たかお氏と大後寿々花さんが起用されている。以下に、4人から届いたビデオメッセージのコメントを紹介する。

“レイトン教授”役
大泉洋
今回の作品も本当におもしろくて、台本読んだだけでドキドキワクワクするようなストーリーでした。「ナゾ」を解かないとストーリーを追えないので、がんばって「ナゾ」を解いて、私の声をたくさん聞いていただければと思います、英国紳士としてはね。
“ルーク”役
堀北真希さん
“ルーク”役に挑戦するのは2度目だったので、コツをつかめていた部分がありました。前回より、もうちょっと演技のことを考えながら挑戦することができました。お芝居ももちろんですけど、ゲーム本編も楽しみにしています。皆さんも楽しみにしていてください。
“アンソニー”役
大沢たかお
今回のオファーを受けた理由は2つあります。1つは、私が演じた“アンソニー”の、美しくも悲しい生き方にすごく共感したためです。もう1つは、前作『レイトン教授と不思議の町』の「ナゾ」を全部解いてしまい、次の「ナゾ」に挑戦したくてうずうずしていたんです。だんだん仕事にも集中できなくなってきていたので、続編を早く出してもらうには、声をやった方がいいのかなということで(笑)。本作では、“レイトン教授”と“アンソニー”とのハラハラドキドキの攻防が、まるで映画のようなスケールで展開していきます。誰でも楽しめて奥の深いこのゲーム、ぜひ多くの方に楽しんでもらいたいと思います。
“カティア”役
大後寿々花さん
前作も大好きで、よくプレイをしていました。「ナゾ」を解けた時の達成感、気持ちいい感じがすごく楽しかったです。2作目はさらにバージョンアップしていて、よりミステリアスな作品に仕上がっていますので、皆さん楽しみにしていてください。

 そして、本作の主題歌を担当するのは、人気アーティストのSalyuさん。起用の理由については、開発スタッフの中に彼女のファンが多く、ぜひ曲を作ってほしいという声があがったためだとか。これに応えたSalyuさんは台本にすべて目を通し、この作品のために曲と詞を作成したという。以下にSalyuさんのビデオメッセージを紹介する。

Salyuさん:非常に作品に参加させていただいたことをうれしくおもいます。作品にあふれている「愛」を、音にしてギュッと詰め込んだつもりです。また今回は、歌に加えて、声優もやらせてもらいました。私がどこにいるか見つけてみてください(笑)。

2007年1月に発売した2ndアルバム「TERMINAL」が、オリコンチャート2位にランクインしたSalyuさん。今後の活躍に期待が集まるアーティストの1人だ。

■SURPRISE2 「ビッグプロジェクト始動」

 続いてのサプライズは、『レイトン教授』シリーズの実写映画化について。ストーリーはオリジナルのもので、キャストについては未発表。日野氏はかなり前から『レイトン教授』の世界を広げていけないか、マルチメディア展開の構想を練っていたという。現在、『レイトン教授』マルチメディア化プロジェクトの中心として活動しているのは、小学館キャラクター事業センターセンター長の久保雅一氏。壇上に上がった久保氏は、日野氏について「まさしく天才ですし、自分の作品の世界観を守ろうとするガンコさと、2次作品に対する積極性、そのバランス感覚はトップクラス」と極めて高く評価。『レイトン教授』についても、海外でも間違いなくヒットする作品と太鼓判を押し、「小学館グループの映画には、春の「ドラえもん」、ゴールデンウィークの「名探偵コナン」、夏休みの「ポケットモンスター」と3つの大きな柱があります。映画「レイトン教授」が4本目の柱となるよう、繊細かつ精力的な協力を約束します」とコメントした。なお久保氏によれば、映画「レイトン教授」の制作は恐ろしいほどのスピードで進行しているそうで、近々具体的な発表ができるだろうとのこと。

1人でも多くの人にプレイしてもらうためにはマルチメディア展開が必須と言う久保氏。

■SURPRISE3 「LEVEL5が意外なタイトルを開発 さらに……」

 次なるサプライズは、DS用新作ソフトについてのニュース。レベルファイブといえば王道のRPGというイメージがあるが、今回のゲームはなんとサッカーをテーマにしたRPG『イナズマイレブン』。弱小サッカーチームが1人の転校生を迎えたことをきっかけに最強チームへと成長していくというストーリーで、登場キャラクターは1,000人以上にもおよぶという。
  プレイヤーが試合中に操作するのは、味方チームの全選手。タッチペンを使ってドリブルやパスコースを選択していく、スピーディーな試合が楽しめる。また、敵味方の選手が接触するとコマンド入力画面に移行。各種の必殺技を選択すれば、ド派手な演出。エフェクトとともに常識外れのスーパープレイが発動する!

 本作の魅力を伝えるには、実際のプレイ画面を見てもらうのが一番、ということで、お笑い芸人の「アメリカザリガニ(平井善之氏、柳原哲也氏)」が対戦する様子を収録した映像が上映された。2人とも必殺技の名前を絶叫するなど、かなりゲームにのめりこんでいたようで、試合も追いつ追われつの緊迫した展開。2-1で平井氏がリードしたまま残り時間わずかという場面で柳原氏が決定的なチャンスを作り、必殺シュート「ファイアトルネード」を繰り出す! 柳原氏は必殺セービング「パワーシールド」でこれに対抗! 結果は、キーパーがみごとにシュートを弾き出して、試合終了。自他ともに認めるゲーム好きの平井氏が、サッカー好きの柳原氏をくだした。試合後、「アメリカザリガニ」の2人は選手全員の名前を覚えたほど、このゲームにのめり込んでしまったとか。「盛り上がったのが伝わったらいいけど。おっさんでも楽しめます!」と力強く断言していた。

写真左が柳原氏、写真右が平井氏。平井氏はオフサイドのルールも知らなかったそうだが、 「ゲーマーはバランスに優れているんです」と勝因を分析していた。

 また、本作の主題歌「リーヨ ~青春のイナズマイレブン~」を担当するのは、福岡を拠点に活動するバンド「豚骨ピストンズ」の別ユニット「T-Pistonz」。「普段ボクらは豚骨ラーメンのように、豚骨くさく、熱いシンプルなロックをやってます! このゲームはいままでにないサッカーゲームで、世界観がぐわーっと広がり、自分の魂が中に入っていくようなゲームになっていました。この『イナズマイレブン』と、テーマ曲を楽しんでくれても、よかろうもん!」と、熱いビデオメッセージを送ってくれた。

 そして本作のアニメパートを手がけるのは、劇場版「ポケットモンスター」などを制作したオー・エル・エム代表取締役の奥野敏聡氏も登壇。「10月までに5~6分のアニメを作れないかと依頼を受け、我々スタッフの暴走も含め、気付けば尺は13分を超えようとしています。『イナズマイレブン』はコロコロコミック(小学館刊)でのマンガ連載、テレビシリーズも決定しているということで、我々としても「ポケットモンスター」に続く代表作になるよう、目一杯作っていこうと思っています」と意気込みを語った。

2007年にメジャーデビューした「豚骨ピストンズ」は、日清食品のカップ麺「日清豚骨ロックよかろうもん」とのコラボも行っている。

オー・エル・エムの奥野氏。この発表会で上映されたアニメパートは非常にクオリティが高く、会場中がその映像に見入っていた。

■SURPRISE4 「業界を越えた協力者」

 本作について、日野氏はプロジェクト立ち上げ当時からゲームだけの展開に留めるつもりはなく、コミック、アニメと多彩なメディアで展開することを念頭に置いていたという。サッカーというスポーツを広く知らしめ、この作品でサッカーを好きになった子どもたちが将来の日本代表選手になる、そんな作品に育てていきたいと語る日野氏。

 そんな日野氏の考えに賛同した「業界を越えた協力者」とは、日本サッカー協会キャプテンの川淵三郎氏! 壇上にたった川淵氏は「サッカーのアニメといえばなんといっても「キャプテン翼」」と熱っぽく切り出し、「1981年に「キャプテン翼」の連載が始まってから、子どもたちはみんなサッカーに夢中になりました。これが1993年のJリーグのスタートにつながり、1998年のフランスワールドカップ出場につながったといっても過言ではないと思います。いま、日本サッカーの世界ランキングは40位前後ですが、2015年にはトップ10入り、そして2050年までには日本で再びワールドカップを開催して、優勝するという目標をたてています。『イナズマイレブン』は、弱小チームを育てて世界一のチームにすることが目的ですが、そのためにはオシム監督が言うように「個」のレベルアップを欠かすことはできません。いまの子どもたちが、このゲームをきっかけにしてサッカーを好きになり、世界を意識するようになることで、日本代表はいずれ世界一のチームになることは間違いないと思います」と、本作への大きな期待をあらわした。

川淵キャプテンは普段ゲームをプレイすることはないそう。『イナズマイレブン』をプレイしてみたところ、操作が簡単で遊びやすそうだ、と好感触だった様子。

■SURPRISE5 「LEVEL5が贈る新しい体験」

 最後のサブライズは、9月20日~23日にかけて開催される「東京ゲームショウ2007」に関するもの。レベルファイブのブースでシアターを鑑賞した人に、DSオリジナルソフト「LEVEL5 PREMIUM SILVER」が配布されることが発表された。このソフトには、『イナズマイレブン』の体験版と、『レイトン教授と不思議な町』と『レイトン教授と悪魔の箱』の間をつなぐストーリー、「レイトン教授とロンドンの休日」が収録されるとのこと。これらは販売の予定はないそうなので、『レイトン』シリーズのファンには大きな魅力となるだろう。

日野氏によれば、東京ゲームショウでこれだけ大規模な配布が行われるのは前例がないのだとか。

 そして発表会終了後には、メディアワークス 電撃ゲームメディア江口聡総編集長をはじめとした各種のゲーム誌編集者に対して、日野氏がインタビューを行うという特別企画「有名ゲーム誌編集者から見たLEVEL5 VISION 2007」が行われた。各編集者は、本日の発表会をどのように感じたのか、インタビューの内容はレベルファイブの公式サイトにて後日掲載される予定となっているので、楽しみに待っていてほしい。

メディアワークスからは、江口総編集長が日野氏からのインタビューに答えた。レベルファイブを「ゲーム作りの職人」と評した江口総編集長は、この日発表された新タイトルや、さまざまなメディアミックスについてどんな感想を持ったのだろうか? 詳しくは後日レベルファイブに掲載されるインタビューにて!



(C)LEVEL-5 Inc.

データ

▼『レイトン教授と悪魔の箱』
■メーカー:レベルファイブ
■対応機種:DS
■ジャンル:AVG
■発売日:2007年11月29日
■価格:4,800円(税込)

▼『イナズマイレブン』
■メーカー:レベルファイブ
■対応機種:DS
■ジャンル:RPG
■発売日:今冬予定
■価格:未定

■関連サイト
『レイトン教授と悪魔の箱』公式サイト
『イナズマイレブン』公式サイト
「LEVEL5 VISION 2007」
レベルファイブ