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2007年7月19日(木)

CESA、第3回記者懇談会を開催コーエーとカプコンのトップが語る今後の展望とは?

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、本日7月19日に第3回記者懇談会を開催した。

 この記者懇談会は、同協会の会長でもあるスクウェア・エニックス代表取締役の和田洋一氏をはじめ、各パブリッシャーのトップに立つ人たちと各誌記者との「忌憚のない意見交換の場を設ける」という主旨のもとに行われているもの。会場となったCESA会議室では、多くの記者が和田氏をはじめとした出席者を囲み、今後のゲーム業界の展望などについて質問を投げかけていた。

 今回、コーエー代表取締役である松原健二氏と、カプコン代表取締役兼COOの辻本春弘氏に話を伺うことができたので、以下に紹介していく。

 まず、会の冒頭で和田氏が取り上げたオンラインゲームにおけるリアルマネートレード(RMT)について松原氏に伺ったところ、「問題はRMTという仕組みそのものにあるのではなく、現状のRMT市場が健全とはいえない状態にあるということ。CESAとしては、RMTを善悪で判断するのではなく、あくまで1つのシステムとして各パブリッシャーに裁量を持たせる方向です。ただ、コンテンツを運営していかなければならないパブリッシャーと、1つのコンテンツが潰れても次のコンテンツで同じことをすればいいRMT業者とでは立場が違いますので、そこがポイントとなりますね。」と、パブリッシャー側から見た場合に簡単には割り切れないテーマであることをにじませていた。
 今後の展望に関しては、「パブリッシャーとしての立場からいうと、すべてのハードに興味を持っています。Xbox 360は新しいコントローラーを発表して、ファミリー層も取り込んでいこうという姿勢を見せていますし、PS3もまだまだこれからだと思います。またWiiはカジュアルプレイヤーを取り込んで今後さらに大きな規模に成長していくでしょう。Wiiでリリースする『オプーナ』も、初めてRPGに触れる人のことを考えて制作しているタイトルです。キャラクターも多くの人々になじんでもらえるようなデザインですしね。とはいえ、中身はきちんと作ってありますので、触れると楽しさを実感してもらえるんじゃないかな」と話していた。

 またカプコンの辻本氏に、3年ぶりとなるカプコンオリジナルの2D対戦格闘ゲームについて聞いてみたところ、「アーケード向けのタイトルは、現在複数のチームが動いてます。1度にまとめて市場に出るわけではないですが、半期から4半期に1タイトルといった感じで中長期的に動きがあるかもしれません」という、水面下での動きを匂わせるような発言が飛び出した。また、「E3 2007」や「PLAYSTATION PREMIERE 2007」でも最新作が出展されていた『バイオハザード』シリーズについては「(商業的な面で)より戦略的に考えて展開していかなければならない時期に来ていると思います。また『バイオ5』ゲームの内容的には、『バイオ4』でサプライズがあったように、なにかあるかもしれないですね」とコメントしてくれた。
 続いて、Xbox 360の人気タイトルの続編について質問すると、「『デッドライジング』や『ロストプラネット』などの続編はもちろん考えていますよ。ただ、詳しい内容などについてはまだどうなるかは全然決まっていないですけど。例えば、先ほどもいったようにアーケード向けなどの新しいタイトルなどを出しますので、制作のライン的な問題もありますしね」と、まだ構想段階ではあるものの、人気作の続編などにも意欲的に取り組んでいく姿勢を見せた。



コーエー代表取締役の松原氏(写真上)とカプコン代表取締役の辻本氏(写真下)。懇親会では、通常の記者会見よりも自由に質問したり、話を聞くことができた。


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社団法人コンピュータエンターテインメント協会