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2007年2月22日(木)

「AOGC2007Tokyo」開幕!マイクロソフト執行役・泉水敬氏が基調講演に登壇

 本日2月22日、東京千代田区の「ベルサール神田」にて、ブロードバンド推進協議会が主催するオンラインゲームの国際カンファレンス「アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京(AOGC 2007 Tokyo)」が開幕した。

 「AOGC 2007 Tokyo」では、国内外のオンラインゲーム開発者や研究者たちが講演を実施。22日と23日の2日間にわたり、アジア地域のオンラインゲームおよびネットワーク産業をテーマにした32のセッションが行われる。初日の本日は、開会式後にマイクロソフト執行役 ホームエンターテイメント担当 Xbox事業本部長の泉水敬氏による、基調講演「Liveサービスとコミュニティの未来像」が行われた。

 この講演では、次世代ゲーム機「Xbox 360」向けに提供されているオンラインサービス「Xbox Live」の紹介や今後の展開について語られた。最初に泉水氏は、オンラインゲームの今後について言及。近年ネットワークサービスが多様化し、オンラインゲームとSNSのようなコミュニティサービスとの境界線が曖昧になってきたことについてふれ、「オンラインゲームというものは当初、ネットワーク対戦が中心だった。しかし最近は、空間や時間、情報、体験、感動を他者と共有することを求めるユーザーが増加。そういった彼らの要望に応える形で、「コミュニティ」というサービスが台頭してきた」と語った。

 泉水氏は、「ゲームごとにライセンスを取得するオンラインゲームとは異なり、Liveのサービスでは参加登録するだけで、提供しているすべてのゲームを楽しむことが可能。いろいろなゲームを遊び、オンライン上でさまざまな人と出会うことができる」と、コミュニティサービスを利用しているユーザーが求めているものと、Liveサービスのコンセプトがマッチしていることを強調。今後、コミュニティサービスコンテンツの強化を図っていくことを明らかにした。

 現在マイクロソフトは、「Xbox Friends」というXbox 360ユーザーを対象にしたSNSサービスを展開中。ここでは、Xbox 360のゲームをプレイするユーザーの情報が開示されており、利用者はここで自分の趣味にあった友人を見つけて、メールやボイスチャットなどのやりとりを行うことができる。このユーザーを対象にしたコミュニティサービス「Xbox Friends」を今後さらに発展させていくとともに、ゲームを開発するクリエイターコミュニティサービスも行うことを発表。
 同社は現在「XNA」と呼ばれる開発ツールを無料で公開しており、「この「XNA」というツールを使うことによって、開発環境がフリーになりクリエイターが無料で簡単にゲームを作れるようになる。制作されたゲームは、もちろんXbox 360上で動かすことが可能。さらにライブラリを共有して、その後のゲーム制作に役立たせたい。そのためには、クリエイターコミュニティサービスを充実させていくことが必要」と泉水氏は語り、「クリエイターズクラブ」というサイトを作り、「XNA」のようなツールを通じてのクリエイター間でのコミュニティ形成を支援していくことを示唆した。

 今後マイクロソフトは、コミュニティサービスに加えてセキュリティの強化やダウンロードコンテンツサービスの拡大、コミュニケーションツールの充実、Xbox 360にとどまらないWindows PCや携帯電話を使ったマルチプラットフォーム展開など、Liveサービスをさらに拡大していくとのこと。
 最後に泉水氏は、Liveサービスの今後のビジョンとして、「Connected Experience(体験の共有)」と「Connected Entertainment(感動の共有)」の2つを上げ、「ゲームに限らない音楽や映像などのコンテンツをさまざまなデバイスで使えるようにし、その中でコンテンツを共有してコミュニティを形成していくというサイクルを作り上げようとするのが「Connected Experience」です。そして、このようなコミュニティ形成を支援や拡大するためのお手伝いをすることが、「Connected Entertainment」となります。リアルな世界とバーチャルな世界を融合して、ユーザーの1人1人がコミュニティの中にいるという体験を味わっていただき、感動を共有していく世界を演出していきたい」と述べ、講演は終了した。
アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京

アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京
基調講演で登壇したマイクロソフト執行役 ホームエンターテイメント担当 Xbox事業本部長・泉水敬氏。Liveサービスの現状や、今後の展開について講演を行った。
アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京

アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京

アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京

アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京

アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京
泉水氏は、Xbox 360だけでなくWindowsPCマシンや携帯電話でも、Liveサービスが受けられるようにすると発表。その例として、Windows Vista上とXbox 360上で動くFPS『SHADOWRUN』のデモ対戦を公開した。左のスクリーンがWindows Vistaで、右がXbox 360となっている。


データ

■「アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京」
【開催日時】2007年2月22日・23日
【開催場所】ベルサール神田(東京都千代田区)
【主催】ブロードバンド推進協議会
【受講料】30,000円

■関連サイト
「アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京」公式サイト
ブロードバンド推進協議会