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2007年12月4日(火)

「2学期」は皆さんの手に掛かっています!「こどものじかん」の最終回アフレコレポート

 TVアニメ「こどものじかん」の最終アフレコが、11月20日に都内のスタジオで行われた。

 「こどものじかん」は、私屋カヲル原作の同名コミックをアニメ化した作品で、小学3年生の少女“りん”と、その担任で新米教師の“青木先生”が繰り広げるコメディストーリー。物語は明るい雰囲気の中で進行するが、随所に学校生活や家庭の抱える問題を真摯に描いている点も本作の特徴となっている。

 今回、最終話のアフレコを終えた声優さんたちと、監督の菅沼栄治氏、シリーズ構成担当の岡田麿里さんにコメントをもらったので、以下に掲載する。

こちらの写真は、最終回のアフレコに参加した声優陣のもの。


――アフレコを終えての感想を聞かせてください。

間島淳司氏:ドタバタした雰囲気の中にもドロリとした部分があって、それが最後のハッピーエンドへのエッセンスになっていたと思います。

喜多村英梨さん:ちょっとだけ歪んでいる部分が描かれていて、そこから少しずつ問題提起がされていくという作品でした。最初から子どもの気持ちのまま演じよう決めていて、そのまま終われたと思います。最後のハッピーエンドまで、純粋な気持ちで演じることができました。

真堂圭さん:団体行動がしっかりできている現場だなと思いました(笑)。いいチームワークで最後までやれてよかったです。

門脇舞以さん:最後は大団円だったので、“りん”ちゃんの友だちとしてほっとしています。先生や親の気持ちを近い距離で感じることができる作品だったと思います。

田中涼子さん:最終話は、いろいろなものが詰まっている今までの集大成という感じでした。最高の現場だったと思います。

杉田智和氏:一区切りが付いて、今後の展開が楽しみな最終話になったと思います。この作品で、きれいなものだけではなく汚いものも大切だということを学びました。

天野由梨さん:最後はどうなるのか、本当にハラハラ見守っていたんですが、ハッピーエンドで終われてほっとしました。“秋”は出番は少ないんですが、とても難しい役柄でした。中でも“レイジ”への「“りん”を守ってあげて」というセリフは、どう演じればいいんだろうと悩んだところです。

岡田麿里さん:原作のある作品なので、そのイメージを大事にしつつアニメの「こどものじかん」のイメージが作れればいいなと思っていました。いつから大人になったんだろうなと考えてしまうような、そういう大人と子どもの境界線が描けていればいいですね。

菅沼監督:OVAを入れて全13話だったので、原作の中でも印象の強いシーンを詰め込みました。盛り込み切れなかった部分もあり、作品のすべてを伝え切れているとは思いませんが、限界までやり切ったという感じです。休み時間に友だちと話したり、放課後遊びに行ったりといった、日常的な部分を描けなかったのが心残りです。視聴者の方には、子どもの頃を思い出しながら、そして自分が大きくなったときにどんな大人になるのか考えながら観てほしいですね。

――思い出のシーンや、キャラクターへの思い入れなどがあれば教えてください。

間島淳司氏:“青木”は“りん”たちに振り回されてしまう頼りない部分があるんですが、一方で児童たちの抱える複雑な問題に立ち向かっていく熱い一面も持っているんですよね。ただ、新米教師なので簡単には行かなくて、悩みながら解決しようとしていくところが“青木”らしいなと思います。あと“レイジ”とやりあうシーンはどれも楽しかったです。

喜多村英梨さん:“りん”は小さい頃に“秋”さんと一緒に過ごした時間があるんですが、逆に私は両親が共働きの「カギっ子」だったので、そこが“りん”と違うところでした。手探りをしながらの作品だったので、自分の中で葛藤があったり、まだまだ未熟だったと思うんですが、それがまたいい味になっていればいいですね。

真堂圭さん:自分が演じるシーンで感動するということは今までなかったのですが、“黒”が“りん”を探すシーンで初めて泣いてしまいました。今も思い出すだけで涙が出てきてしまいます……。

門脇舞以さん:“美々”は最初不登校だったんですが、“青木”先生たちに助けられて学校にまた通い始めるんです。その後も“美々”を救ってくれた周りのみんなが、いろんな悩みや問題から救われていくが見ていてうれしかったです。“美々”は子どもでも大人でもないような、中途半端な気持ちをよく表しているキャラクターだと思います。

田中涼子さん:最初“宝院”先生を演じたとき、菅沼監督や岡田さんに「イメージ通り」と言ってもらえたのがうれしかったです。結局“宝院”先生は“青木”先生とうまく行かなかったんですが、それもまた彼女らしいというか。そんな女の人もいいかなと思います。

杉田智和氏:先日虫歯の治療をしたんですが、神経がうまく取り切れていなかったようで化膿してしまったんです。そんな「隙間」の感覚が「こどものじかん」の雰囲気に似ているなと思いました。とても希望を感じさせる終わり方でよかったです。あ、虫歯はちゃんと治しましたよ(笑)。

天野由梨さん:年下の“レイジ”とラブシーンが多くて、すごく緊張しました。現場では恥ずかしくて杉田くんの顔が見れなかったんですよ(笑)。“秋”は短い命で儚かったけれど、幸せだったのかなと思います。

――12月21日にDVDの1巻が発売されます。そこで、収録されている1・2話の中の見どころを教えてください。

岡田麿里さん:序盤は明るくテンポよくという指示を受けていたんですが、いきなり“美々”の問題が待っているので苦労しました。1・2話は監督と一緒に作業できたので、木から落ちる“りん”を“青木”先生が受け止めるシーンで“秋”さんの顔がダブったりする演出だとか、原作にないシーンについてその場で相談できたのがよかったですね。

菅沼監督:「こどものじかん」に登場する子どもたちはみんな個性が強くて、問題はあるけれどもちゃんと育っていくと考えていました。心配だったのは、“青木先生”ですね。捕らえどころのないキャラだなと思っていたんですが、童貞ゆえのうろたえっぷりと、何もできないけど頑張っていくという差を描いて行こうと決めました。あと、なんといっても2話の“りん”を抱いて町を歩くシーンは名場面だと思っています。

――視聴者にメッセージをお願いします。

間島淳司氏:こんなにセリフのある役は初めてなので楽しかったです。DVDでは「見えなかったものが見える」ようになっていたり、「聞けなかったものが聞ける」ようになっていますので、オンエアを観ている人も観ていない人も楽しみにしていてください。「こどものじかん」の「2学期」があるかどうかは、みなさんの手に掛かっています! よろしくお願いします(笑)。

喜多村英梨さん:私は原作も読んでいたんですが、アニメ版はまた違った感じで楽しめると思います。「こどものじかん」はラジオもあり、コミックもありといろんな授業が受けられる小学校のような作品になっていますので、最後まで楽しみにしていてください。

真堂圭さん:「こどものじかん」は笑いあり、涙ありの素敵な作品なので、一瞬一瞬を見逃さずに、コマ送りしてでも観てほしいです(笑)。よろしくお願いします。

門脇舞以さん:中盤から雰囲気が変わって戸惑っている人もいるかもしれませんが、みんなが気持ちよく終われるラストになっていますので、最後までよろしくお願いします。

田中涼子さん:1回観ただけではもったいない作品です。2回、3回と何度も末永く観てほしいですね。

杉田智和氏:「子どもの時間」はさかのぼるものです。そうやってさかのぼる(観る)度に新しい発見があるはずです。

天野由梨さん:ラストを観たらもう一度最初から観たくなるんじゃないかなと思います。女の子は3人ともかわいいですし、名場面はいくつもありますし、何度も観てほしいですね。

岡田麿里さん:最初から観ていくと、監督がどこで苦労したのか分かると思います。あと吹っ切れたところも(笑)。

菅沼監督:“青木先生”をどう料理するか悩んだ作品です。子どもの関係もそうですが、大人の関係も難しいんですよね。そして、大人同士、子ども同士だけではなく、大人と子どもの付き合い方も考えさせられる作品でした。ぜひ、子どもの気持ちを忘れずに観てもらえればと思います。ありがとうございました。


 「こどものじかん」DVD1巻は、12月21日に発売される。価格は5,250円(税込)。初回特典として、「全巻収納式ランドセル型DVD-BOX」と原作者・私屋カヲルさん描き下ろしのイラストシートが付属する他、DVDディスクがピクチャーレーベル仕様になる。欲しい人は早めに予約しておくといいだろう。



20,000セット限定の全巻収納式ランドセル型DVD-BOX。実際にサンプルを触らせてもらえたのだが、DVD-BOXというよりは普通のランドセルといった感じで、非常に丁寧な作りになっていた。このDVD-BOXには、コミックス4巻の限定版に付属していたOVAも一緒に収納できるとのことだ。



原作者・私屋カヲルさん描き下ろしのイラストシート。

(C)私屋カヲル/こどものじかん製作委員会

データ

■TVアニメ「こどものじかん」
【スタッフ】(敬称略)
 ・原作:私屋カヲル「こどものじかん」(双葉社刊「コミックハイ!」連載中)
 ・監督:菅沼栄治
 ・シリーズ構成:岡田麿里
 ・キャラクターデザイン:石川雅一
 ・アニメーション制作:スタジオバルセロナ

■関連サイト
『こどものじかん』公式サイト
バンダイビジュアル