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2007年12月20日(木)

HMV渋谷にいる人が涙した?DS『ファイナルファンタジーIV』発売記念イベント開催

 本日12月20日に発売されたDS用ソフト『ファイナルファンタジーIV』の記念イベントが、同日、東京都渋谷区のHMV渋谷店で開催された。

 発売記念イベントには、シリーズではおなじみの作曲家・植松伸夫氏と、エグゼクティブプロデューサー・時田貴司氏に加え、本作のメインテーマ「月の明り」を歌う伊田恵美さんが登場。メインテーマを歌うボーカルオーディションの時の様子や、伊田さんについての話が飛び出した。その模様を以下にお届けする。

 プロデューサーの時田氏は「16年前の作品を今回フルリメイクするということで、何か新しいことをやりたくて、ボーカルオーディションを行いました」と話し、植松氏は「10代~60代くらいの人から、総計800通以上の応募があったので驚きました」と続けた。そしてその中から、見事に合格した伊田さんは、自分が選ばれた時の気持ちを聞かれ「ホントに信じられませんでした。『ファイナルファンタジー(以下、FF)』シリーズが好きだったので、その歌を歌えるのがうれしくて、熱が出て3日くらい寝込みました」と当時を語った。
 伊田さんは、オーディションが行われていた当時、AppleのMacで初めて打ち込みをやるようになったという。送られてきた(『FF IV』“セリス”のテーマソング)「愛のテーマ」のテープが個性的で、時田さんいわく「スタッフが注目した」。選考の理由について「キレイに歌っているんだけど、バックに電話のコール音が流れていて(笑)。これは一体なんだろう? って思いましたね(時田氏)」、「僕らも作品が好きだという人に歌ってもらいたかった。送られてきた封書に入っていた手紙に書かれていた内容もすごくて、並々ならぬ想いを感じましたね。あとは声が個性的というのもポイントでした(植松氏)」とコメントした。

 レコーディング秘話を聞かれた3人は、「ユーザーとして『FF』が本当に好きだったので、自分の前に時田さんと植松さんがいて緊張しました(伊田さん)」、「僕らはおかしを食べながらコーヒーを飲んでいただけなのに?(植松氏)」、「いないほうがよかったですかね? でも伊田さんは普通に歌っていたよね(時田氏)」と会場を笑わせた。順調に見えたレコーディングだが、途中で伊田さんがつまって歌えなくなることもあったとか。植松氏は「我々があれもこれも要求しすぎてちょっとダウンしたけど、自由に歌ってもらったらよくなった。……やっぱ、俺らいらないじゃん(笑)」と発言し、さらに会場を爆笑させた。
 また時田氏は「さっきリハーサルを聞いたら、レコーディング時よりよくなっていた」と話し、植松氏は「収録時は、頑張ろうと力を入れすぎていたが、今は力を入れすぎずに自分のものにしていた」と、伊田さんの歌唱力に太鼓判を押した。

 そうして伊田さんの生ライブがスタート。演奏前に、時田氏は「歌唱力が上がっているので、フロアにいる人が涙するくらいになっていると思います(笑)」とおどけた。一方の植松氏は「自分の歌いたいように楽に歌っちゃえば。リハーサルみたいに歌えばいいんだよ」とアドバイス。アドバイスが効いたのか、参加者を前にして伊田さんは堂々と「月の明り」を披露。イベント参加者は、やさしい中に迫力がある歌声に酔いしれた。
 イベントが終わると時田氏と植松氏が再び姿を見せた。「娘の学芸会を見るような感じで、こっちが緊張しました(笑)」と時田氏。それに対して伊田さんは「皆さんの目を見ていると、泣かせるどころか自分が泣きそうになりました」と続けた。

 ライブの後は、イベント参加者との握手会が行われた。さらに握手会後、挨拶も行われ「ゲームの発売日に、こうしてお披露目できて歌も喜んでいると思います(伊田さん)」、「ゲームの中で「月の明り」はいいところで流れるので、頑張ってプレイしてください(編曲担当の福井氏)」、「非常に忙しいこの時期ですが、DSならトイレでもお風呂でもプレイできるので、皆さんのペースで楽しんでください(時田氏)」、「1作目からずいぶん時間が経っていますが、『FF』は2世代に渡って親しまれたゲームになったことが光栄です。このままいって3世代くらいに楽しまれる作品になればいいと思います(植松氏)」と挨拶し、イベントは終了となった。





イベントに登場したゲスト陣。左から時田氏、植松氏、伊田さん。伊田さんは普段はCDショップで働いているそうで、イベントを整理したりする立場から、イベントに出る立場に変わったという。この3カ月間での変化について、植松さんは「コレが運命なのかな? 縁っていうのかねえ」と感慨深く語っていた。



人気作品のリメイクにおける苦労話を聞かれた時田氏は「リメイクというのは難しい作業。変えないと「マンマじゃん!」と言われるし、変えすぎると「違うやん!」って。どこを変えるか、変えないかの判断が難しいですね」と語った。オーディション時に送った手紙が披露され、伊田さんがあせる場面も。

「テーマソングの「月の明り」はどこで流れるのか?」という質問を受け、時田氏は「いきなりマップを歩いて流れはしないでしょ? でもオープニングからいきなりも変だよね?」と話し、植松氏は「うん? ということは、最後の方?(笑)」と続けた。なお2人によると、伊田さんの歌う「月の明り」は「一番いい画面」で流れるという。プレイヤーの想いが集約するところに使われているそうだ。





モニターを通して、全フロアに生ライブの模様が流された。今回のイベントでは、本作の音楽を編曲している福井健一郎氏がキーボードを演奏。楽曲ではバックにストリングスやオカリナなどを入れているが、本日はピアノのみのアコースティックバージョンでライブが行われた。





握手会の後にゲストが一言ずつコメントし、イベントは終了となった。人気RPG『ファイナルファンタジーIV』は本日発売、そのテーマソング「月の明り」のCDも12月5日に発売されているので、どちらもあわせてチェックしておこう。

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データ

■DS『ファイナルファンタジーIV』発売記念イベント概要
【開催日時】2007年12月20日18:00 ※終了しました
【開催会場】HMV渋谷店(東京都渋谷区)
【内容】ミニライブ&握手会
【出演】植松伸夫氏、時田貴司氏、伊田恵美さん

▼『ファイナルファンタジーIV』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:DS
■ジャンル:RPG
■発売日:発売中(2007年12月20日)
■価格:5,980円(税込)

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▼「月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」
■品番:BVCR-19727~8
■発売元:BMG JAPAN
■発売日:2007年12月5日
■価格:1,575円(税込)

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■関連サイト
「月の明り -ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」紹介ページ
DS『ファイナルファンタジーIV』公式サイト
スクウェア・エニックス