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2007年12月19日(水)

【ハード番長】声優ナビ機能もある『MAPLUSポータブルナビ2』インタビュー・後編

 引き続き押忍!!(挨拶) ここからはインタビューの後編をお届けします。気になる「声優さんの追加データ」の話もありますので、じっくりお楽しみくださいませ。

■新機能に敏感に反応するのがPSPユーザーの特性?

――本作には、先ほどあった「俺ナビ」のような、ホビー的な要素が多分に含まれているのも特徴ですね。このあたりはカーナビとはかなり異なりますが、カーナビと比較しての『MAPLUSポータブルナビ2』のウリはどこでしょうか?

田口:プラットフォームがPSPである、ということが何より重要ですね。カーナビでは、そもそもPSPのようにゲームができません。PSPでは、ゲームもできる、音楽も聴けるという利点があり、「PSPとセットで1つの製品」として考えていただきたいんです。その点で、「PSPでナビができる」というのは明らかな優位性だと考えます。ナビを買っているのか、ゲームを買っているのか、どちらでも我々はかまわないと思っているんですよ。「ナビを含むPSP」が商品として魅力あるものであり、それがユーザーの方に伝われば、企画のコンセプトとしてはOKなんです。
 あと、ソフトを替えることで中のデータが新しくなるのはもちろん、機能が変わったり、新要素が追加されたりなど、容易に進化させられるのも、あらかじめ組み込みされたカーナビなどとは違う利点ですね。

――PSPの特性が大きい、ということでしょうか。

田口:ええ、特性は非常に大きいですね。それは、PSPをお持ちのお客様の特性という点でもそうです。それに、ネットワーク経由でいろいろなことができるなどオンラインの親和性も高いので、我々としても通常の「お堅いナビ製品」ではできなかった取り組みができているんですよ。声優の方による入れ替え用のボイスもそれですね。
 他にも「ナビにはこんな機能があってもいい」というものはまだまだあるのですが、そうした要素に反応していただけるのがPSPのユーザーさんなんじゃないかなと。作っている我々としてもおもしろいですし、そうした点がユーザーの方にも伝わればいいですね。
 先ほどもありましたが、そもそもの目的に「ナビのライトユーザーを増やしたい」というのもあるんですよ。そこが、このソフトの出発における大前提なんです。僕らの生活に密着したプラットフォームでナビを提供したいという思いで作りましたので、気軽に使っていただきたいですね。


■『2』では初代よりも高速な読み込みを実現

――カーナビとの比較について続けさせていただきます。カーナビと『MAPLUSポータブルナビ2』では、インタフェースが大きく違いますが、意識して変えている点は何かありますでしょうか。

田口:PSP向けの『MAPLUS』シリーズでは、できるだけゲームっぽく作ろうと意識しています。説明書を読まなくても、PSPをお持ちであれば違和感が少ないように、例えば○ボタンは決定、×ボタンはキャンセルといった具合で設定している部分ですね。L、Rは回転とか、十字キーは画面の移動とかもそうです。そのあたりは、カーナビなどの専用機とは操作が異なります。
 単純に効率だけ考えると、もっと別のインタフェースになるのですが、そうした部分にあえて目をつぶっているところもあります。

――データ類が画面にほとんどないため、画面内に地図を大きく出すことを前提とした画面デザインに感じたのですが、このあたりは意識していらっしゃいますか?

田口:それもありますね。メニューに関してはすべて○ボタンを押して出すという構造にしています。タッチパネル付きのカーナビのように、メニューのボタンを画面に出しておく必要もないですから。PSPのようにボタンが多いデバイスでは、メニューを画面にあらかじめ出しておかなくても問題ない、という考えもあります。

――動作について、『2』は初代と比較してかなり軽くなった印象を受けます。

松永:はい。そこも、以前からずっとユーザーの方に指摘されていた部分でしたので、できる限りスムーズに動くようにしています。

田口:開発に慣れた、というのもあるんでしょうけどね(笑)。初代の時は新規事業でしたので、PSPのハードウェア特性を理解するところから始まるなど、いろいろ初めてのことだらけで。

松永:確かにそうですね。おかげで、だいぶ処理速度も速くなりました。データの読み込みもかなり改善しております。もちろんUMDは光ディスクですから、ある程度は読み込みの時間が必要ですが、それ以外の部分ではかなり高速になっているはずです。

――ちなみに、GPSをセットしている状態で、電池の持ち具合は変わりますか?

松永:実験してみたのですが、特筆するほどの違いはありませんでしたね。それほど差はなく、どちらも4時間ぐらいはしっかり保ちます。

田口:さすがSCEさんが開発しただけある、という感じですね(笑)。いいハードだなと思います。ドライブに行くにしても、4時間以上連続して案内を受け続けるというのはそうそうないと思いますので、電池面では十分だと感じています。


■声優の人選は開発チームの力関係が……!?

――話が少し戻りますが、Webからのダウンロードコンテンツについてお聞きします。市街地図の詳細データについてはダウンロード提供という形ですが、データサイズが大きいことがその理由でしょうか。

松永:どのように提供すればユーザーの方にとって一番いいかは難しいところなのですが、今回はこのようになりました。市街地図は、一定のエリアをユーザーの方に選んでいただく形でご提供することを考えています。ただ、ダウンロードするには、やや大きなメモリースティックが必要になってしまうかもしれません。
 1ファイルが数十MBぐらいになる予定ですので、1GB~2GBのメモリースティックであれば数ファイルを入れておけるはずです。この1ファイルで、大体10km×10kmありますので、かなり広いフィールドをカバーします。東京ですと5~6区は入るのではないでしょうか。

――なるほど。その他にも、声優の方のボイスデータを追加で配信されるとのことですが、そもそもどうして声優さんの声を配信しようと考えたのですか?

田口:初代の時からお客様の要望で「声を替えたい」というものが多かったんです。そこで、話しかけてくるところをうまく演出したいという意図で、このようになりました。

――ナビゲーションソフトとして、声優の方の声を入れるというのは斬新な試みですよね。

田口:ぶっちゃけてしまうと、声が替わること自体には皆さん興味がないというか……。むしろ「誰の声に替わるか」が重要なのではと考えたんです。

松永:そういった点で、古谷徹氏、緑川光氏、増山江威子さんといった、声優の方の人選は社内で大いに検討しております。最初にご提供する3名のデータがありますけれども、古谷さんであれば代表作が「機動戦士ガンダム」など、PSPのハードを持っている方のターゲットにハマる方で絞り込みました。後は……個人的にやりたかったというのも理由ですが(笑)。

田口:あれ、結局誰が人選を決めたんだっけ?

松永:僕です。……ので、僕の趣味ということで(笑)。あ、ちなみに増山さんは、開発部長の趣味ですのでよろしくお願いします!

田口:開発メンバーの個人的趣味が反映されて、その結果、力関係とかいろいろあった上での、この人選ということです(笑)。

――そんな予感はしていました(笑)。現在公開されているのは有名な方ばかりですが、他にも追加されるご予定はあるのですか?

松永:はい。引き続き、他の方にもお話をさせていただいておりますので、どこかのタイミングで順次リリースできるのではと考えています。最初の3名は超が付くほど有名な方ばかりですので、そうした方以外にも幅を広げて提供していく予定です。
 このソフトがWeb上などで紹介される時に「こういう人もいたらいいね」というようなご意見が出てきておりますので、Web上でリクエストも受け付けたいなとは考えています。そこで意見が多かった方に直接交渉……することができればという構想もあります。

――それは興味深い企画ですね。

田口:最近は、PSPにしてもWeb経由で後から味付けをすることが可能になるなど、今までのゲームソフトではできなかった試みができるようになっていて、制作する側としてもありがたいですね。

松永:他にも、地図や施設情報は随時追加・更新していく予定でおります。出せるものから順次出していきますよ。

田口:今回は時間の都合などで搭載できなかったアイデアがまだたくさんあります。一番最初に企画したところのアイデアをまだ全部載せきれていないので、そうしたものは今後の課題かなと思います。

――ということは、この『2』の売れ行き次第では「次も」ということですよね。

松永:そうですね、こちらとしては出す気はマンマンなんですけれども(笑)。みなさん買っていただければと思います!



■このソフトを使って「街を遊んで」みてほしい

――では最後に、ユーザーの方に向けて一言ずつお願いします。

松永:車を使う方はもちろん、お使いにならない方でも、徒歩であったり、自転車・バイクであったりと、そうした「移動」において存分に使える機能を満載しております。一度さわっていただいて、使用感を知っていただければというのが率直な意見です。
 声優の方の追加データについても、徒歩・車・バイクなど各種ナビに対応していますので、移動しながら聞いていただくのもよいかもしれません。あ、バイクの方とかは運転中に聞くとあぶないので止めてくださいね!(笑) こうしたカスタマイズの要素も含め、「自分にあったナビ」を創り、持っていただければと思います。

田口:PSPの、ゲームの中の世界で遊ぶのはもちろん、『MAPLUS』を1つのツールとして生活自体を楽しんでもらいたいというのが僕の想いです。このソフトを持ち歩いて「街を遊んで」もらいたいですね。
 僕のまわりの人もそうなんですが、道に迷うことがストレスで出かけない人も多いと思うんですよ。道がわからないから新しい場所に行かないというのは、悲しいことだと思うんです。『MAPLUSポータブルナビ2』を使えば目的の場所にたどりつけるので、普段行かないような場所にも足を伸ばしていただきたい。そして、デジタルギアを持っている生活がアクティブなものになればいいと思っています。でも、交通事故には本当に気をつけてくださいね!

――使う時は周囲の環境に気をつけて、ということですね。本日はお話をいただき、ありがとうございました!


 ……というわけで、ソフトの魅力がビンビンに伝わってくるインタビューでした。『MAPLUSポータブルナビ2』は、文中でもありましたが「さわってみて」初めてよさがわかるタイプのソフトだと思いますので、ぜひ体験していただきたい。

 ちなみに、発売日直後の12月22日~24日に、東名高速道路の海老名SA下り(神奈川県)で体験会&イベントを行う予定もあるそう。気になる人は足を運んでみるのもいいかもしれません。(アクティ)

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データ

▼『MAPLUSポータブルナビ2』
■メーカー:エディア
■対応機種:PSP
■ジャンル:ETC
■発売日:2007年12月20日
■価格:8,190円(税込)
※「PSP専用GPSレシーバー」(PSP-290)に対応

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■関連サイト
『MAPLUSポータブルナビ2』公式サイト
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