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2005年9月13日(火)

4月に「バンダイナムコゲームス」設立!バンダイナムコグループ経営戦略発表会

 本日9月13日、バンダイとナムコが9月29日に両社の共同持株会社「バンダイナムコホールディングス」を設立するにあたり、バンダイナムコグループの今後の方向性に関する経営戦略発表会が都内ホテルで行われた。

 発表会には、統合新会社の取締役会長に就任する高木九四郎氏、代表取締役社長に就任する高須武男氏らをはじめとする役員が出席。同グループの企業理念やシンボル、組織再編、各ビジネスユニットの基本戦略などが高須社長より発表された。

 バンダイナムコグループの企業理念は、「夢・遊び・感動」というもの。時代の流れに対応しながら「誰にも負けない好奇心」、「あくなき情熱」、「常識にとらわれない斬新な発想力」、「人々の心に響くおもてなしの心と、人々の感動を自らの喜びとする心」を基本精神として、エンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中のユーザーに提供。「世界でもっとも期待されるエンターテインメント企業グループ」を目指すとしている。

 グループの統合スローガンは、「CROSS-ENTERTAINMENT!」。これについて高須会長は「単なる1+1="2"の統合ではなく、それぞれの企業が持つ力を飛躍させ、1+1を3にも、4にもしていきたい。他業種とも手を組み、まったく新しいエンタテインメントを展開していく」と力強く語った。

 加えて今回、バンダイナムコグループのロゴも新たに発表。ロゴのブランドコンセプトは「Fusion and evolution(融合と進化)」。活性化した生き物のように有機的な2つのフォルムが重なって、融合や進化を繰り返し、これまでにない「夢・遊び・感動」を生み出していく様子を表現しているという。

 また、「バンダイナムコホールディングス」の設立後、2006年4月までにバンダイおよびナムコは、基本的な組織の再編を実施する。国内事業会社の再編として、12月1日に関連会社の株式管理業務の一部を持株会社へ移管。北米における組織再編としては、2006年1月1日に北米持株会社の設立および、北米ゲーム会社の統合を行う。そして、2006年4月1日には国内ゲーム事業を統合する新会社「バンダイナムコゲームス」が設立される予定だ。

 組織再編後は、「バンダイナムコホールディングス」の傘下に各コンテンツの強みや専門性を結集。それぞれの事業が主体的・自立的に戦略を実行していくことを目的に、各事業を5つの戦略ビジネスユニット単位で統括し、グループ経営を行う。戦略ビジネスユニットは、「トイホビー」、「アミューズメント施設」、「ゲームコンテンツ」、「ネットワーク」、「映像音楽コンテンツ」と、コンテンツごとにそれぞれ統括。各ユニットの事業遂行をサポートする役割を「関連事業グループ」が担うこととなる。
 これについて高須社長は、「戦略ビジネスユニットは資本統合ではなく、事業会社の集合体。各ユニットが国内外における戦略を実行することにより、責任と権限のありかが明確となり、スピーディな業務執行が実現する」と話しており、各コンテンツの成長および、大きなシナジー効果が得られるとしている。

 続いて、戦略ビジネスユニットそれぞれの基本戦略が解説された。ゲーム関連事業においては、ナムコとバンプレストが「アミューズメント施設」部門の主体。キャラクターコンテンツや映像資産の活用による「新規出店」と、店舗価値の向上、新しい店舗形態の創出、ローコスト運営体制推進による「既存店舗の高収益化」を目指す。
 そして、「ゲームコンテンツ」部門では、バンダイ、ナムコ、バンプレストが主体となって展開。国内ゲームソフト市場におけるトップメーカーを目指し、次世代ハードへ向けてマルチプラットフォーム展開を強化する。また、開発効率を重視した開発体制・手法の導入、コンテンツマルチユースの拡大、ネットワークゲームのビジネスモデル化、欧米市場における開発・販売力の強化などを行っていくとのことだ。

 高須社長は、経営統合後に期待できるシナジー効果について「開発の効率向上」、「顧客層の拡大」、「ナムコの強みであるプライズゲーム機と、バンダイの強みである景品のコラボレーション」という3点を挙げている。「開発の効率向上」では、ソフト開発を他メーカーに依頼するバンダイ型を、企画プロデュースから開発まで一貫して行うナムコ型に融合。外注と内部開発のバランスをとりながら、効率を追求していくという。一方、「顧客層の拡大」については、ナムコのゲーム開発における技術力と、バンダイが持つキャラクターの魅力を組み合わせ、第1弾タイトルとして発売された『機動戦士ガンダム 一年戦争』のような領域の作品を増やしていく予定とのことだ。
 また、高須社長によれば、国内市場以上に海外市場におけるシナジー効果も期待しているという。北米では、1月に米国持株会社「Namco Bandai Holdings(USA)Inc.」を設立。傘下に事業別の会社をそれぞれ置くことで、日本同様に幅広い事業展開を行うとともに、各コンテンツ間のシナジー効果に期待するとのことだ。

 最後に高須社長は、「バンダイナムコグループは、コンテンツ創出から商品展開までの機能を持っているので、他に類を見ない幅広い事業領域で商品・サービスを展開することができる。我々はこういった仕組みを飛行機の中継点となるハブ空港をイメージし、“エンターテインメント・ハブ構想”と呼んでいる。今後は、両社のノウハウや機能をさらに活用することで、“エンターテインメント・ハブ構想”を強化。国内外においてバンダイとナムコのシナジー効果を無限に拡大していきたい」と語り、戦略発表会を締めくくった。

本日の経営戦略発表会では、バンダイナムコグループの組織再編や各ビジネスユニットの戦略など、今後の展開が説明された。

グループロゴは、エンターテインメントへの情熱と発想の自由さをレッド、オレンジ、イエローを組み合わせたレイヤードカラーで表現。

発表会には、「バンダイナムコホールディングス」の高木会長、高須社長をはじめとする役員が出席。

発表会は高須社長の説明によって進行。経営統合において期待できるシナジー効果などが語られた。

新会社「バンダイナムコゲームス」には、ナムコとバンダイの両社から社員が転籍。バンプレストは資本統合されず、そのまま継続していくとのこと。

バンダイ、ナムコ、バンプレストが主体となって展開される「ゲームコンテンツ戦略ビジネスユニット」は、国内ゲームソフト市場におけるトップメーカーを目指す。

ガッチリと固い握手を交わす「バンダイナムコホールディングス」経営陣。左からナムコ代表取締役社長の石村繁一氏、高木会長、高須社長、バンダイ代表取締役社長の上野和典氏。


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