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2004年5月14日(金)

『METROIDPRIME2ECHOES』の開発スタッフたちが本作への意気込みを語った!

 「E3」で初公開された『メトロイド』シリーズ最新作『METROID PRIME2 ECHOES』。体験版が任天堂ブースで出展され、早くもユーザーたちの注目を集めていた。そんな本作を手がけている、坂本賀勇氏を始めとするスタッフたちへのインタビューが「E3」で行われた(現地時間5月13日16:40~)。
 任天堂から参加したのは、『メトロイド』シリーズを手がけてきた坂本賀勇氏、プロデューサーの田邊賢輔氏、コプロデューサーの大谷明氏の3人。さらに開発元であるRetro Studiosからは開発スタッフ3人が参加し計6人によるインタビューとなった。まずは任天堂の3人が、Retroとの関係を中心に『PRIMUE2』の製作について語ってくれた。

任天堂の坂本氏(写真左)、田邊氏(写真中央)、大谷氏(写真右)。


坂本氏:「『メトロイド』は第1作目から制作に参加していて、『SUPER METROID』で初めてディレクターをやらせてもらいました。1986年から展開していますが、特にアメリカでは非常に大きな成功と支持を得ていてファンのみなさんには感謝しています。」
「今年の2月にはシリーズ6作目となる『METROID ZEROMISSION』を発売しましたが、『メトロイド』シリーズは常に新しいことにチャレンジしてきました。その中でも特に大きなチャレンジだったのが、最新作の前作にあたるGC版『PRIME』です。この『PRIME』はFP(ファーストパーソン)の手法を使ったことで新たな可能性を見い出し、成功をおさめました。続編となる『PRIME2』ではその可能性をさらに高めるものとして期待していただけると思います」

田邊氏:「私は宮本茂の下でずっと仕事をしていましたが、10年くらい前からセカンドパーティなどのゲームについての監修をするようになりました。そして、N64の『スター・ウォーズ 帝国の影』から海外の開発会社と仕事をするようになりました。そしてGCになって『PRIME』の担当になった時に、Retroのみなさんと仕事をすることになりました。今回はプロデューサーとして全体を統括する仕事をしています。『メトロイド』シリーズはアメリカで人気が高く、幸いなことに『PRIME』も評価されました。『PRIME2』も前作に負けないようにRetroのみなさんとがんばっています。特に『PRIME』シリーズは、単に海外の開発会社に任せるということはせず、コラボレーションとしての任天堂哲学みたいなものを持ち込みながら協力して作っています。正直、海外の方とゲームを一緒に制作する時は、文化やものの考え方などが違うので苦労しますが、この作品に関していえば、西洋(アメリカ)と東洋(日本)の考え方がうまく融合した形でできていると思います。」
「『PRIME』を最初にやる時に、2Dだった『メトロイド』を3Dの、しかもFPのシューティングにしなければいけないということで懐疑的な意見も聞かされました。でも、Retroの高い技術力と、彼らの『メトロイド』が好きだという情熱のおかげでいいものになり、ファンのみなさんにも満足いただけました。『PRIME2』はその前作以上にさらにエキサイティングな作品に仕上がっていると思います」

大谷氏:「私も田邊と同じで『PRIME』から引き続き、プロデューサーとして『PRIME2』の製作に参加しています。仕事的にはディレクターに近く、仕様をRetroと一緒に考えたり、まとめたりしています。Retroとのやりとりは、TV電話会議やメール(1日何十通にもなる)でしているんですが、それでもコミュニケーションが十分にとれないので、1~2カ月おきに定期的にRetroがある米テキサスに行っています。田邊も言っていましたが、Retroと仕事をして、文化や考え方の違いに最初はずいぶん苦労しました。会議の時のこちらの提案に、Retroから反対されたりしたことも何度かありました。ただ、目指しているところは『PRIME2』を面白いものにするということで一致していたので、反発するだけではなく、お互いのいいところを突き詰めています」

Retro開発スタッフの3人。


 さらにRetroの3人からは『PRIME2』のストーリーやゲームシステムなどについての紹介が行われた。最新スクリーンショットとともに、その詳細を解説していこう。

『PRIME2』は、時系列的には前作の後という設定になっている。ある惑星の種族間戦争に巻き込まれた主人公サムスは、戦いから生き延びるために再び武器を取る。 舞台となる惑星“Aether”は、ライトワールドとダークワールドの2つの世界にわかれている。サムスはこの2つの世界を行き来することになる。ウェポンシステムに関しても、“ライトビームはダークワールドの敵に強い”といった相関関係にあるとのこと。
サムスの対極的な存在として登場するダークサムス。どのように物語りに関わってくるかは明かされなかった(画像はインタビュー時にスクリーンで公開されたもの)。 純粋にゲームを楽しむために、最大4人対戦のマルチプレイモードも搭載。サムスが丸まった状態でも可能なアクションなども用意されているとのこと。


 任天堂とRetro Studiosという2つのゲーム会社のせめぎ合いから生まれた『PRIME2』。北米では11月15日に発売予定で、日本での発売日は未定となっている。GCユーザーは期待して待っていよう。


データ

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