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2004年5月12日(水)

PS2は「10年サイクル」!今後の展開が語られたSCEカンファレンスの詳細

■ネットワークアダプタ付きで149ドルへ値下げ!
 PSPのアナウンスで沸いた今回のカンファレンス(現地時間5月11日)だが、それ以外にもさまざまな発表が行われた。SCEAプレジデント&COOのカズ・ヒライ(平井一夫)氏により行われたプレゼンでは、PS2プラットホームの今後について語られた。それによれば、PS2は「10年のライフサイクル」でビジネスが考えられており、現在は、「カジュアル」なユーザー層を増やしていく段階だという。そのための方策の1つとして、北米でのPS2の値下げが発表された。149ドルというプライスで、ネットワークアダプタ&対応ソフト『ATV Offroad Fury』も同梱されているオトクな内容だ。北米では、本体同梱、単体発売のものを含めて、300万台のネットワークアダプタが普及しているとのことで、今回の値下げによりハードの出荷数はもちろん、PS2のオンライン対応ゲームを楽しめるユーザー数が一挙に増大することにもなりそうだ。

■メジャーシリーズ続々登場
 また、PS2を次の段階へと導くキラーコンテンツとして、『グランツーリスモ4』(2004年11月・北米発売予定)や『メタルギアソリッド3』(2004年冬・北米発売予定)、『Ratchet & Clank:Up Your Arsenal』(2004年末・北米発売予定)などが紹介された。『Ratcet~』は、おなじみ『ラチェット』シリーズの最新作で、ネットワークアダプタにも対応。最大4人対4人の同時対戦が可能で、会場では実際にチーム戦デモが行われるなど、開発が順調に進んでいることをうかがわせていた。あわせて、ロックスターの超大ヒットシリーズ、『Grand Theft Auto:San Andreas』が、PS2専用タイトルとしてこの秋に発売されることも強調され、メジャーシリーズが集まるのはPS2プラットホームである、ということを印象づけていたのだ。

■PSPオマケ情報もチェック!
 そして、その後で行われたのがPSPについてのアナウンス。ハードのスペックや対応ソフトの詳細については別記事を参照してほしいのだが、ここではPSP関連の発表の際にわかった関連情報をフォローしておこう。まずはPSPの電池について。リチウムイオンバッテリとのことだが、保ち時間についてのコメントもあった。通常のゲームプレイ時なら10時間程度、音楽プレイヤーとしてなら8時間、DVDのように映像プレイヤーとして使うなら2.5時間、いずれの用途で使用しても「必要とされる分」の持ち時間は保証されるようだ。マルチメディアプレイヤーとしての顔も持つPSPだが、会場では映像・音楽の再生プレイヤーとしての能力をうかがわせるデモも行われた。デモの内容は、6月に公開される映画『スパイダーマン2』のトレーラー映像を、PSP上と実際の映像を再生して比べるというもの。PSPの液晶画面は4.3インチと、かなり大きなものだが、実映像と違わないクオリティのものが再生されていたのだ。また、DVDソフト『ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン』のPSP版が発売されることもあわせて発表された。
 PSPの北米での発売は2005年の第一四半期だとアナウンスされたが、この発売タイミングにあわせて、エレクトロニック・アーツ社が『NBA Street』や『Need For Speed Under Ground』など4本の同時発売タイトルを発売することが発表されていたことも報告しておこう。

■Cell最新情報&その先に……?
 今回のカンファレンスの最後のトピックが「Cell」についての最新情報が明かされたことだ。SCEのCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)である茶谷公之氏が登壇し、Cellの現状について報告。なんと2004年の第4四半期には、プロトタイプながらCellベースのワークステーションが登場するという。残念ながら次世代PSについてのアナウンスはなかったが、Cellベースのマシンが今年中に出現するというのは非常に重要だ。なぜなら、その登場はさらに先にある次世代PSが接近している、という意味にもなるからだ。

 PS2というプラットホームの今後、そして新プラットホームPSPの詳細、さらにはその先の話まで、とにかく話題満載だった今回のSCEのカンファレンス。これからのPSファミリーの動きからはまったく目が離せそうにない、という密度の濃い内容であった。

ソフトとネットワークアダプタ同梱で149ドルという破格のお値段。このプライスダウンの日本への影響も気になるところだ。

ガジェットや乗り物の使いこなしが重要になるなど、ソロプレイ時と同様の要素が重要となる『Rachcet』の対戦シーン。ボイスチャットにも対応する予定だという。

映像・音楽の再生も非常にスムーズ。液晶画面の大きさもあって視認性も高そうだ。ちなみにイヤホンなどを刺す各端子類は、本体上部および底部にある。

ソニー、SCE、東芝の3社により、今回のワークステーションのプロトタイプが作られているという。これによりゲームや映画などデジタルコンテンツの開発環境は飛躍的に変わるとのことだ。


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■関連サイト
SCEA(英語のサイトです)
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