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2004年2月2日(月)

ソニーとSCEが65nm半導体の量産体制構築のため、1,200億円の投資を実施

 ソニーとSCEは本日2月2日、300mmウエハ(※1)、65nm(ナノメートル)プロセス(※2)に対応した半導体量産体制構築に向けて、1,200億円の設備投資を行うことを決定した。これは、以前発表された2003年度から3年間で総額2,000億円の半導体設備投資を行う計画の一部。すでに2003年度には第1期投資として730億円が投資されている。

 今回投資対象となる生産拠点は、長崎県諫早市にあるSCE所有のFab2 1階クリーンルーム、IBMが米国に所有するイースト・フィッシュキル工場、東芝が大分に保有する大分工場の3カ所。

 各投資の内訳は、約530億円がSCE Fab2 1階のSOIプロセス・テクノロジー(※3)を用いたCELLをはじめとしたプロセッサの生産ライン増強に充てられる。また360億円をイースト・フィッシュキル工場に投資し、Fab2同様のラインでCELL(※4)などのプロセッサの製造を計画している。残る310億円は東芝への投資となり、DRAM混載CMOSテクノロジーを活用した65nmプロセス世代の半導体生産拠点を立ち上げる予定。同社は各設備とも2005年前半に試験稼動を開始し、3拠点合計で月産15,000枚の生産能力を予定しているとのことだ。

(※1)300mmウエハ
半導体でできた薄い基板のことをウエハと呼ぶ。また、数字は基板の直径を表す。現在は1つのウエハからより多くのICを生産するため、直径200mmのものから300mmへのものへと移行が進んでいる。
(※2)65nmプロセス
プロセスとは半導体内部の回路幅のことを表し、細いほど性能の向上を見込むことができる。
(※3)SOIプロセス・テクノロジー
SOIはSilicon On Insulatorの略。性能の向上、消費電力の削減を見込める技術。
(※4)CELL
ソニー、東芝、IBMで開発が進められているMPU(超小型処理装置)。ソニーではデジタルテレビ、ホームサーバー、次世代PlayStationなどへの搭載を計画している。



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