News

2003年11月26日(水)

ビジュアルコンセプトは「Sengoku-Japan!」。『戦国無双』発売時期は2月中旬

 コーエーは本日11月26日、都内にて新作PS2用アクションゲーム『戦国無双』の発表会を行った。
 『戦国無双』は、7月29日の「PlayStation Meeting 2003」で初お披露目された、コーエー設立25周年記念タイトル。名前の通り、『三國無双』シリーズのエンジン(物理演算や画面描画システムなど、ゲームの根幹システム)を使い、舞台を戦国時代に移したアクションゲームだ。
 本日の発表会では初めに、コーエーの襟川恵子会長が登壇。「映画の“Kill Bill”や、“The Last Samurai”などに注目が集まるなど、世界中で日本文化がブームになっている。また、『三國無双』ファンから、戦国時代を舞台にした『三國無双』のようなゲームを遊びたいという声が非常に多く寄せられました。コーエー25周年を迎える今、世界から求められている“日本の美”を本作で発表したい」と、11月18日の戦略発表会と同様に「機は熟している」ことをアピールした。

 さらに、SCEコーポレート・エグゼクティブの佐伯雅司氏がゲストとして登場。「PS2を代表するタイトル『三國無双』のエンジンを活用し、新たな世界を作り出した『戦国無双』は、SCEとしても来年の重要なタイトルとして認識している。また、個人的にもヒットすると思っています」と、PS2市場拡大に大きく貢献した『三國無双』の流れを汲む本作に期待を寄せた。
 また、本日は会場に多くのアナリストが招かれていたこともあり、「最近、ゲーム市場が縮小に向かっているとよく言われているようだが、PS2を19,800円に値下げした11月13日以降の2週間で、前年比193%の13万台を販売した。年末のタイトルも充実しているし、年明けにもこの『戦国無双』などビッグタイトルや、間口の広いゲームを用意している」とコメント。さらに「女性向けのゲームもこれから力を入れていこうかと考えています」と、今後のPS2戦略について軽く触れた。

 続いて、『戦国無双』プロデューサーの杉山芳樹氏より、本作のコンセプトや新システムなどが紹介された。

 まず、本作のコンセプトは『三國無双』と同じく「簡単、お手軽、爽快」とのこと。その3つの中でも『戦国無双』では爽快感をより追求しており、殺陣シーンなど戦国ならではの爽快感を取り入れたという。
 また、ビジュアルコンセプトに「Sengoku-Japan!」を掲げ、彩度を落とした映像の中に美しく浮き出す風景という、独特の色使いのグラフィックが使われている。さらに、『三國無双』では、遠くにフォグ(霧)を表示し、キャラの周囲は一定の範囲しか表示されないようになっていたが、これが一新されて遥か彼方の櫓や狼煙などが表示されるようになった。杉山氏によれば、「季節の移り変わりや時間の経過もグラフィックに反映される」とのことで、よりリアルな戦場の雰囲気を感じることができそうだ。

 そのほかの新システムに関しては、以下にジャンルごとに分けて紹介していこう。

■アクションは、キャラの個性を重視!

 本日発表されたキャラクターは「真田幸村」「前田慶次」「服部半蔵」「明智光秀」「くのいち」の5人。それぞれ、刀、手裏剣、鎖鎌、槍などの武器を持っており、個性に合った武器が使用可能だ。また、忍者の「服部半蔵」には2段ジャンプ、緊急回避技など特殊な動きが用意されており、他のキャラクターと一線を画すアクションが楽しめる。今回は「キャラクターの個性」にこだわったとのことで、使用キャラを変えるたびに新鮮な感覚でプレイできるよう特徴付けされている。
 そのほか、必殺技「無双乱舞」で一気に敵をなぎ倒す爽快感を味わえることは『三國無双』シリーズの魅力となっているが、これがさらにパワーアップして「無双奥義」という技が使えるようになった。「無双奥義」発動時には、2~3カットほどキャラクターのアイキャッチが入る演出が行われ、ド派手な技で一気に敵を吹き飛ばすことが可能だ。

■ランダム生成システムによる城内マップ

 『戦国無双』では、「城」内部への侵入が可能に。城の大きな特徴としては、マップ自動生成システムを採用し、入るたびに構造が異なる城の攻略を楽しむことができるのだ。
 また、城には落とし穴、針などの罠も数多く仕掛けられている。火計といった大掛かりなギミックも用意されており、オープンフィールドとは一味違う雰囲気でプレイできる。

■刻一刻と変化を見せるシナリオ

 『三國無双』では「国」を中心としたシナリオだったものが、今回はキャラクターにスポットが当てられ、それぞれ違うシナリオが展開する。さらにキャラクターごとに必ず分岐があり、複数のエンディングが用意されている。

 また、戦闘中は「○○を倒せ」「○○の侵入を阻止せよ」などといったミッションが次々と発生。全500以上のミッションが用意されており、戦況に応じて刻一刻と変化するミッションをどうクリアしていくかが腕の見せ所だ。

■メインテーマには、
人気歌手のBoAを起用!


 本作では、PS2用タイトルで採用されることが増えてきた「ドルビープロロジックII」に対応。戦場の四方から迫る敵の声や足音が、リアルタイムサラウンドによって再生される。
 また、テーマ曲には人気アーティストのBoAを起用。現在は韓国に滞在しているため、ビデオレターでの登場となったBoAは、「エンディングでも曲が使われるので、皆さん頑張ってクリアしてください」とコメントしてくれた。なお、このテーマ曲を収録したCDは2004年2月に発売が予定されている。

■進化した「武将エディット」。
謎の新モードも登場


 オリジナルの武将を作成できる「武将エディット」は、『戦国無双』では外見だけではなく育成によって能力値も、プレイヤーオリジナルの数値になる。また、本日モード名は明らかにされなかったが、プレイ開始時から選択可能な「あるモード」が、メインモードとは別に用意されることが発表された。

 最後に気になる発売日については、2004年2月中旬予定と発表された。『三國無双』で培った技術をベースに、舞台を日本に移して「日本の美」を追求した本作。登場キャラクター数や「あるモード」の詳細などの続報を楽しみに待っていたい。

『戦国無双』
■メーカー:コーエー
■対応機種:PS2
■ジャンル:ACT
■発売日:2004年2月中旬
■価格:未定


■関連サイト
GAMECITY
コーエー
武将とくのいちの殺陣から始まった本日の『戦国無双』発表会。
売上に関して襟川会長は、「日本で100万本、海外で100万本の計200万本の出荷を予定している」とコメント。
「SCEとしても重要なタイトルだと考えている」と、SCEの佐伯雅司氏も『戦国無双』に期待を寄せる。
『戦国無双』プロデューサーの杉山芳樹氏によれば、「やりこみといえば無双」と言われるほどのボリュームを用意したとのこと。
上から真田幸村、前田慶次、服部半蔵、くのいち。服部半蔵は鎖鎌を振り回し、忍術を使って攻撃する。
城内の床から飛び出す針を、二段ジャンプで回避する服部半蔵。
会場からの質問に答える開発陣。開発コストと期間については「開発資金はだいたい7億円~8億円、開発期間は構想段階から約1年半」という回答であった。
発表会の終盤には、あでやかな花魁の舞いも披露された。
(C)2004 KOEI Co.,Ltd.
※写真はすべて、クリックすると大きく表示されます。