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2003年5月30日(金)

『COOLGIRL』でアスカ役を演じた飯島真理さんにインタビュー!

 飯島真理さんは女性の心をストレートに表現した歌詞と、透明感のある歌声で高い評価を受ける音楽家&女優。自らの楽曲以外にも小泉今日子や斉藤由貴にも楽曲を提供するなど、幅広い活動を行っている。

 また、’82年に声優として参加したテレビアニメ「超時空要塞マクロス」のヒロイン、リン・ミンメイ役のかれんな演技と、同アニメの主題歌「愛・おぼえていますか」のヒットはあまりにも有名。現在でも熱狂的なファンがいるほどである。

 '99年以来、ロサンゼルスを基点に活躍している彼女が、2003年秋にコナミから発売されるPS2用ソフト『COOL GIRL』に声優として参加しているという情報をキャッチした電撃オンライン取材班は、なんとロサンゼルスはウエストハリウッドにある収録現場までおじゃましてお話しをうかがったきた。現場には『COOL GIRL』のプロデューサーである、コナミJPNの堀上敦氏も同行してくれた。

●『COOL GIRL』を演じるにあたって

――今回演じられている『COOL GIRL』の主人公アスカですが、とてもクールな話し方をして、カッコイイですね。
飯島真理さん(以下:飯島 敬称略):ありがとうございます。サイバー空間へのダイブ能力を持つ東洋人の忍者なんて、カッコいいキャラを演じられて、私もラッキーだと思っているんです。じつは子どもたちに今回の仕事の話をしたら、もう興奮しちゃって、発売したら友だちに自慢するっていうんです。
――お子さんがいらっしゃるんですか? お若くてとてもそうは見えませんが。
飯島:ありがとうございます。もう、中学生で。双子なんです。ちょうど子どもたちが最近公開された「マトリックス リローデッド」観てきて、そのゲームもするんですが、『COOL GIRL』のほうがダンゼンかっこいいんです。
――今回アスカを演じるうえで気を使ったことはありますか?
飯島:アクションフィギュアの「COOL GIRL」(※1)の話ですとか、ゲームの設定の話は前もって聞きました。そしてそれをもとに、私のアクティング・コーチ(※2)とじっくりと役作りをしてきました。特にアスカの心の動きとか、ほかのキャラとの関係性とか私たちなりに練り込みました。
――アクティングコーチというのは…?
飯島:ああ、アメリカでは珍しくないんですが、個人と契約する演技コーチを職業にしている人がいるんですよ。仕事をいただいたいたときや、オーディションの前には必ず彼女と勉強をしてから臨むようにしているんです。今回もすごく立派な台本いただいて、それを持って彼女と2人でいろいろ取り組んだんです。アスカを演じるうえで一番のテーマにしたのが、魂の底から演技すること。ここ数年芝居の勉強をしてきて、そのキャラのコアな部分がにじみ出るような演技を続けてきたので、それがとても役に立ちましたね。
――E3で発表された『COOL GIRL』ですが、こちらの人にもかなり好評のようでしたね。
飯島:アメリカ人の持っている忍者のイメージってありますよね? それにばっちりはまっている部分がありますからね。音楽も尺八なんか入ってましたし、これはもうアメリカでも受けるだろうなって思いました。
――確かに。ゲームとしても質がいいようで、みんな夢中でプレイしていました。
飯島:収録時にプロデューサーの堀上さんに提案して実現したんですけど、いろいろ工夫されているんです。たとえばアスカという名前をアメリカ風にいうと、「ア・スーカ」となります。でも、アスカのまわりの人たちは彼女のことを、ちゃんとした日本語のイントネーションで「アスカ」って呼ぶ。英語の発音を聞いていないとわからないかもしれないけど、そんなところからも、アスカとまわりの人間との関係性を感じられるように演じているんです。
堀上敦さん(以下:堀上 敬称略)他にも、飯島さんは、他の俳優さんたちと相談して、台本を英語的によりふさわしい表現とか、言いまわしに変えたりしてくれています。日本で台本を翻訳した時には、イマイチシチュエーションとかが伝わらなくて、いい表現になっていない部分もあったんですが、飯島さんたちがいろいろ考えてくれたので、台本もどんどんよくなっていきました。
――おもしろいですね。
飯島:じつはアメリカの人たちも、ほんとはきちんとした日本語のアクセントで話したいんです。でも、彼らはそれを知らないだけなんです。例えば私の名前も飯島ですけど、ほっておくと「イイ・ジーマ」になるわけ。でも、私たちが英語をきちっと発音したいのと同じで、「イイジマ」って平らに発音するのが正しいんだよって教えてあげるとすごく喜ぶんです。私はこちらで暮らし始めて13年になるんですが、そんな経験を、『COOL GIRL』を始めたとした、いろいろな演技に生かせたらいいなって思っています。

●アメリカで仕事をするということ

――今回『COOL GIRL』のアスカ役をやるきっかけはなんですか?
飯島:オーディション(※3)なんです。
堀上:僕も最初、飯島さんがロスにいるって知らなくて、たまたま気に入ったオーディションのテープを聞いていたら、飯島さんって名前が出てきて、「あの飯島さん?」ってことになって。
――偶然だったんですか?
堀上:すごい偶然でした。
飯島:堀上さんはとてもいいプロデューサーでした。演技を練り直すときも、とても指示が的確で。私が舞台などでも演技をするうえで採用しているのがマイスナーというテクニックなんですが、キャラの行動を1つ1つのセリフから分析していくやり方なんですよ。その方法ならフィーリングだけで伝えられても理解しきれない部分を理解していける。堀上さんの指示はそのへんのコアをきちんと突いてくれてわかりやすかったです。
堀上:照れますね。
飯島:今でもたまに、キャラの設定とかわからないままに「ミンメイちゃんみたいにやってください」とかリクエストされることがあるんですけど、やはり私としても、できるだけその役柄を理解していい演技がしたいから、そういわれると、ちょっと困るんです。でも今回はこういうプロデューサーと仕事ができるのはうれしいです。
――とてもアクティブな姿勢ですね。
飯島:ありがとうございます。アメリカはやはり競争が激しいので、1つ妥協するともう……。ただ、今は子どもたちもいますし、仕事も勉強もがんばれます。
――アメリカでの生活も充実しているみたいですね。同じようにアメリカで活躍する夢を抱いている読者もいると思います。その人たちにメッセージを。
飯島:そうですね、深い話になっちゃうんですけど、人間って生まれた時は無限の可能性を秘めて生まれてきます。でもいろいろ周りの声を聞いているうちに、自信がなくなったり傷ついたりして、だんだん自分がちっちゃく思えたりしちゃうこともあると思います。でも、そういうのは全部無視して(笑)、自分のことを信じて、自分のパワーを注ぎ込んでください。やりたいことがあったら、それこそ自分の力には限界がないと信じて突き進んでください。ただ、運は向こうから寄ってきてくれないです。勉強をすることも忘れずにってことですね。
――ありがとうございました。
飯島:あと、『COOL GIRL』には、私のすごく好きなセリフがあります。ゲームの最後のほうなんですが、そのセリフを言えてよかったなって……。秋に発売になりますので、ぜひプレイしてそれを聞いてください。よろしくお願いします。
堀上:ゲームのプロモーションもしていただいて、ありがとうございます(笑)。

インタビュー中の飯島さん。スタジオ内にこんないい場所があるのもアメリカならでは。8月にはライブのために来日するので、下記を参照して応援に行こう。

スタッフと台本について協議する。1つ1つのセリフから「アスカ」というキャラの全体像が作られていく。

英語の発音はさすが在米13年。電撃スタッフも英語を勉強したくなりました。

プロデューサーの堀上さんと飯島さんの2ショット。ぴったりと息のあった2人でした。

飯島さんが演じるアスカ。忍者の末裔で日本刀を使っての格闘が得意。「COOLGIRL」という組織に加わっているのには隠された過去が関係するという、難しいキャラ。ほかにもう1人アイスという主人公キャラも登場する。

ゲームは現実世界とサイバー空間を行き来する3Dアクション。カッコいいアクションとムービーがてんこ盛りだ。

(C)TAKARA CO.,LTD
(C)2003 KONAMI KONAMI COMPUTER ENTERTAINMENT JAPAN

データ

■脚注
※1「COOL GIRL」 タカラ発売のアクションフィギュアのシリーズ。精巧な作りと、独特の雰囲気で大きな指示を集めている。ユーザーに自由な発想で楽しんでもらうため、とくに設定は設けられていない。ゲーム版の『COOL GIRL』はオリジナルストーリーで作られている。
※2アクティング・コーチ 演技指導コーチ。アメリカでは有名な俳優が個人的な演技指導コーチを持つことは珍しくない。
※3オーディション 日本では考えにくいが、アメリカではかなり大きな舞台や映画の役もオーディションで決まることが多い。純粋によい作品を作るために競争をさせるシステムになっている。

【飯島真理・活動情報】
●オフィシャルHP/http://www.marimusic.com
●リリース最新情報/New Album「Silent Love」2003年8月発売予定
●ライブ情報/「MARI> IIJIMA LIVE 2003"Silent Love" 」8/16(土)大阪 バナナホール・開場18:30、開> 演19:00、8/17(日)東京 表参道FAB・開場16:30、開演17:00、8/18(月)東京> 表参道FAB・ 開場18:30、開演19:00
●チケットのお問い合わせ/キョードープロモーション:03-3407-8327、一般発売はチケットぴあから6/15(日)発売開始予定

▼『COOL GIRL』
■メーカー:コナミ
■対応機種:PS2
■ジャンル:ACT
■発売日:2003年秋
■価格:未定

■関連サイト
KCEJ
コナミ